9 / 21
6
しおりを挟む
さてさて早速工房に行きなんとなーくそれといった感じで伝える。
「おっちゃん、もっと高温にして鉄が液化するかしないかの具合で鉱石を取り出してくれ。」
想像を絶する汗を掻きながらまだやるのかという感じでやらされる鍛治師の親父は俺に言われるがままに炉を高温にしていく。
実はこの世界の炉は魔法でコーティングすることでいくらでも強度を上げられるようなっているらしく炉の制作はそっちのけで高温にしていくことが可能らしい。
「よしこんなもんだ。あとは炉の中身を全部取り出して黒い塊だけ拾ってくれ。」
「まあしょうがねえはな。【この世 我らの住処 与えし偉大なる大地よ 我ら 触れぬ異形を 掴め アースハンド】」
詠唱を唱えたおっさんは土の手のひらを創り出し、炉の中のものをすべて取り出した。この国では魔術は詠唱、もしくは媒介を行って使うことが可能で基本的に魔力量や自分の適性に左右されるらしい。自分は魔力を持っていないだろうが関係ないが(すげえ持ってるどころじゃない人)
「あーこの黒い塊が鉄か?」
「あとそれを加工する。」
「今日はもう魔力がすっからかんだから後日にしてもいいか。さすがにきついわ。」
「いいけど成功報酬と日々の給金はこのくらいで大丈夫?」
俺はあらかじめ用意していた王、もとい父上に渡された金額から成功報酬とおっちゃんの技術料、場所代、他の仕事ができなくなる分の日当を執事に算出させていた。その額、銀貨10枚
「坊主、いくら怠けていいからって計算ぐらい自分でやれよ。執事の出した金額は多すぎるは!」
「えーでもパンが10個しか買えないくらいの日当じゃん。」
「阿呆、それは庶民の食べる黒パンではなくて白パンで計算した時の金額だから黒パンだと1000個は買えるぞ。」
ここばかりはあまり怠りすぎると痛い目をみそうだと上級階級の知識だけでなく平民の知識を学ぶことを誓おうと思いつつ、やっぱりサボることにした。
「じゃあ、このくらい?」
俺は銀貨を5枚にして渡した。
「それでも多いが。」
「口止め料込でおっちゃんにしか基本頼まないし。」
「普通、技術とかって学者が作るもんじゃないのか?」
「うちの国は少なくとも研究より経験でモノを語る人が多いからね、マニュアルもうまくできてないから新しい技術を作るには教科書から作っていかないと流石に無理だから大体俺の言うこと聞いていくれるおっちゃんに聞いているの。」
「俺はオマエの馬車馬かよ。」
「休みたいときは休んでいいから。俺もその間にサボってるし。」
「こんなのがこの国王子でいいのか。」
「庶民派ってことで。」
「俺も最初は驚いたけどいまだにオマエが王子って信じられねえ。」
この国の行末にあまり関係のない継承権の低い王子とは言えこの国が心配なおっちゃんなのであった。
スキル『怠力』継続発動中
「おっちゃん、もっと高温にして鉄が液化するかしないかの具合で鉱石を取り出してくれ。」
想像を絶する汗を掻きながらまだやるのかという感じでやらされる鍛治師の親父は俺に言われるがままに炉を高温にしていく。
実はこの世界の炉は魔法でコーティングすることでいくらでも強度を上げられるようなっているらしく炉の制作はそっちのけで高温にしていくことが可能らしい。
「よしこんなもんだ。あとは炉の中身を全部取り出して黒い塊だけ拾ってくれ。」
「まあしょうがねえはな。【この世 我らの住処 与えし偉大なる大地よ 我ら 触れぬ異形を 掴め アースハンド】」
詠唱を唱えたおっさんは土の手のひらを創り出し、炉の中のものをすべて取り出した。この国では魔術は詠唱、もしくは媒介を行って使うことが可能で基本的に魔力量や自分の適性に左右されるらしい。自分は魔力を持っていないだろうが関係ないが(すげえ持ってるどころじゃない人)
「あーこの黒い塊が鉄か?」
「あとそれを加工する。」
「今日はもう魔力がすっからかんだから後日にしてもいいか。さすがにきついわ。」
「いいけど成功報酬と日々の給金はこのくらいで大丈夫?」
俺はあらかじめ用意していた王、もとい父上に渡された金額から成功報酬とおっちゃんの技術料、場所代、他の仕事ができなくなる分の日当を執事に算出させていた。その額、銀貨10枚
「坊主、いくら怠けていいからって計算ぐらい自分でやれよ。執事の出した金額は多すぎるは!」
「えーでもパンが10個しか買えないくらいの日当じゃん。」
「阿呆、それは庶民の食べる黒パンではなくて白パンで計算した時の金額だから黒パンだと1000個は買えるぞ。」
ここばかりはあまり怠りすぎると痛い目をみそうだと上級階級の知識だけでなく平民の知識を学ぶことを誓おうと思いつつ、やっぱりサボることにした。
「じゃあ、このくらい?」
俺は銀貨を5枚にして渡した。
「それでも多いが。」
「口止め料込でおっちゃんにしか基本頼まないし。」
「普通、技術とかって学者が作るもんじゃないのか?」
「うちの国は少なくとも研究より経験でモノを語る人が多いからね、マニュアルもうまくできてないから新しい技術を作るには教科書から作っていかないと流石に無理だから大体俺の言うこと聞いていくれるおっちゃんに聞いているの。」
「俺はオマエの馬車馬かよ。」
「休みたいときは休んでいいから。俺もその間にサボってるし。」
「こんなのがこの国王子でいいのか。」
「庶民派ってことで。」
「俺も最初は驚いたけどいまだにオマエが王子って信じられねえ。」
この国の行末にあまり関係のない継承権の低い王子とは言えこの国が心配なおっちゃんなのであった。
スキル『怠力』継続発動中
0
あなたにおすすめの小説
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる