姉の友達は僕にお姉ちゃんと呼ばせたい~勇者の雑用係は追放されて薬屋始めました~

スライム道

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プロローグ

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「シーザー、あなたを勇者パーティから追放します。」

「へ?」

「聞こえなかったのですか、勇者パーティから追放します。
 あなたの勇者パーティでの貢献は何をしていると言うのですか。」

「えっと雑用?」

勇者パーティなんて言われてるけど、俺は魔王に勝てる気がしないな。
戦場で拝見したときは、もう不死身かって思うくらい戦場を駆け巡るおじいちゃんだったし、
彼の戦果もとい人類の犠牲は数万人を超えているのではないだろうか。
国家はその魔王を暗殺するためのパーティを組むよう要請した。

「各国のエキスパートが揃っているなかであなただけが雑用に甘え戦闘をおろそかにしているんですよ。
 それにいつも戦闘が終わった後はしたい漁り。
 いつも前線に立つ勇者様に面目ないと思わないのですか。」

各国のエキスパート集団が集められ、魔王暗殺に向けた人選が選ばれた。
その中で選ばれたのは俺だったんだけど。
勇者とか呼ばれているのは囮になるって意味かな。
肝心の囮を活かすための人材がいなくなっていいのかね。

それに俺は戦闘で役に立たないが君ら、これが暗殺する戦闘の跡かね。
あくまでも俺らは暗殺の任務を受けて来ていることを頭から抜け落ちてるのか。

目の前にいる魔法使いは何故爆発音や電気音などの遠くまで響く魔法を行使するのやら。

「えっと、それでは契約破棄に伴い、契約書の更新をお願いします。
 私は仕事でここにきておりますので勇者パーティの遊撃魔法部隊相当マリアージュさんから契約破棄を仰せつかった旨と違約金の請求をしますのでこちらにサインをお願いします。」

「は?
 何でそんなのしなくちゃいけないのよ。」

「これは国としての契約ですので、私が望んで契約破棄をしたわけではないとの旨を承認する契約書にサインしていただく必要があります。」

「もうわかったわよ。」

さらさらと走り書きで書いた。

「えっと名前の書き直しをお願いします。」

「何でよ!」

怒りのままに声を荒げるマリアージュ。

「何故と申されましても、これは騎士団に見せるモノですよ。
 筆跡鑑定も行いますので走り書き、もしくは読めないような文字を書かれてしまっていては証明がうやむやにされてしまいます。」

「私の字が汚いって言うの!」

「申し訳ございません。
 これを見るのは当事者だけではありませんので、あなたの文字をご記入いただきたいのです。」

「なら契約に立ち会う人を呼びなさいよ!」

「申し訳ございませんがそれは不可能です。
 一国の王になりますので。」

「わかったわよ!
 書けばいいんでしょう!
 確かにさっきの字だったら王様には見せられないわね。」

激昂するだけして落ち着いたようでほっとした。
これで円満に追放されたわけだ。

「では私はこれで、今までお世話になりました。」
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