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「そうクマをも殺し軽いモンスターならこれで倒せる実包。」
「なぜそんなモノを俺に?
 俺は猟銃所持免許とか持ってませんけど。」
「アドベンチャラーになった時点で武器の無制限所持免許を持っているのと同義でプロボクサーと同じ様にその身体も武器になるから以後気をつけて。」

プロボクサーと同じ扱いになるのは知っていたけれども武器の無制限所持が可能になるとは思ってもみなかった。

「そ、だから一般人とアドベンチャラーの間でカップルが生まれにくいんだ。」
「それは今関係ないから武器の話をするよ。」
「ごめんごめんみずき。」
「それであなたは武器の適正は全て持っている、あなたダンジョンで手に入れたスキルはなんていう?」
「みずきちゃん、こんな人がいっぱいいる場所でスキルの話をするのは不味いって。」
「なら個室に移る。こっちきて。」

そそくさに個室に移された。

みずきと呼ばれた彼女は鈴菜さんよりも若めの方で美少女と呼ぶに相応しい容姿をしていた。
赤子のように水分を多く保った白くきめ細やかな肌に慎ましくもありながら女性らしさを残すくらいの絶妙な大きさの胸部は若々しい青春を思わせる女性に見えていた。
だがそれとは打って変わって温和な瞳をしており内気な文化部がに合う才女がふさわしい言葉に思えた。

「それであなたのダンジョンで手に入れたスキル、それと元々のスキルはなんていうの?」
「元々のスキルは乳化って言う奴でダンジョンボスを倒したおかげで覚醒している。
 ダンジョンで手に入れたスキルは生物構造完全理解って言うスキルで試してみたことが無いからイマイチわからない。」
「なるほど、じゃあ乳化のスキルを私に使って見せて。
 乳化のスキルは通常なら水分と油分を混合させるスキルだから覚醒したのなら違う使い方ができるんでしょ。」
「わかった。
 じゃあ触れるけど良い?」
「うん。」

彼女の手に触れた。
そのとき何となく自分の中でここに触れた方が彼女をリラックスさせられると思った場所があり身体が勝手に動いた。

「ふにゃにゃにゃ、気持ちいい。」
「うわあみずきちゃんってこんな顔するんだ。」

はっとした顔になりこちらを見つめた。

「これはかなり強力。
 手だけ乳化のスキルがかけられたのにまるで全身の老廃物が排出されたような感じがするほどに周りの肌も反応している。
 それにもう一つのスキルの効果とみられる常時変わる身体の流動するツボのようなものをつくことで極上のリラックス効果を与えている。
 ……今日は…よく…眠れそう……。」
 
最後のはこの娘の本音な気がした。
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