換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

文字の大きさ
28 / 119

28

しおりを挟む
「……あなた…の……やった……こと……無駄………じゃない……よ………。」

ミウスさんが口を開いた。

「?」

今朝がた牛でしかも神に召されたはずのミウスさんだけども現代文明の利器を使いこなしているのかスマートフォンを取り出すと画面を見せてきた。

「……私…も……持って………いる…し…別……視点から………の…映像だ…から……反論…でき……ない…。」

そしてもう一つ生徒手帳に書いてあるページを見せていた。

当校は勉学に関係ないモノの携帯電話及びスマートフォンを除くモノの持ち込みを禁ずる。
ただし、使用には教諭の許可を必要とする。
留学生及び言語不自由者の持ち込みは教諭の許可を求めずとも使用を認める。

「………私…好きな…人…の……邪魔…させな…い…。」

ミウスは苛立っていた。
せっかく異世界に来てまでストーカーしに来たというのにこんなくだらない奴らのために時間を割かせられるのがとても不愉快だった。
棒人間に風情に自分と愛おしい人との関わる時間を邪魔されたのだから。
ツーマンセルの授業の時にゴール下の接触プレーを狙っていたのに
こいつらがそれを邪魔するのだから。
せっかく合法セクハラしようと思っていたのに!
神どもに邪魔されないように行動しているのに!

本当は今この場に居る奴らを踏み潰したい気持ちがある。
しかしそれをすればこの世界に居ることができなくなってしまうからやれない葛藤がミウスのストレスを溜めていた。

血液が沸騰して周りの気温が上がることで上昇気流が巻き起こり髪が舞い上がる。

ここで自分の魔力を上昇させてしまえばこの世界に悪影響を与えてしまうからなるべくしないようにと世界から言われているからこそ身体が沸騰したのだった。
どちらにしろ髪は舞い上がるので怒っていることには変わりないのだが。

「う、嘘だろおい。」
「アニメかなんかかよ。」
「この部屋なんか暑くない?」
「み、視ろよミウスさんから蒸気が出てるぞ。」

今の時期、猛暑(摂氏35度以上)にもなりえる高校の教室で蒸気が出てくること自体おかしい。
人間を辞めているとしか思えないし学校に居られなくなるのではと思いながらミウスのことを見守る幹と明日香。

「Αν θα παραδεχτούμε την ενοχή μας(罪を認めるのか、YesかNoで選べ。)」

言葉の意味は理解できなかったが謝罪しろと言われていることだけは分かった。
彼らは自分の命の危険を察知して恥も外聞も誇り(プライド)も全て捨て去り土下座をした。

「ミウスさん、ちょっとばかり怒りを納めようか。先生ですら委縮しているしね。」
「……ごめん…な…さい……。」

刀赤の言葉に対してはすぐに素直になり怒りを納めたことからこの場に居る生徒と体育教諭は察知した。
この鬼のような猛獣は恋をしているのだと。
授業中誰よりも刀赤との接触プレーを狙っていたのはこの人だと。
先ほど保健室に行った実行犯と結託していた者たちは愚かにもそれを邪魔することだけでなく彼女の標的を狙いにくくしてしまった。

今でこそ威圧感が皆無なのが奇跡に思えるくらいの安心感。

それと同時に抱く恐怖。

今まで通りの嫌悪感とは違う畏れ慄くべき存在。
これまで通りハブられることに違いは無いが以前とは違い本物の極道者以上に畏れられる存在に昇格してしまっている。

「……でも…あなたの…こと……好き…一緒…居て…いい…?…」
「あの、申し訳ございませんが私にも独りで居たいと思う時がございますのでお断りさせていただきます。」
「mou(´;ω;`)」

泣きそうではあるが必死にこらえていた。
あの調子ならまた来そうな気もするがストーカーにはなって欲しくない。

もう手遅れなことに気づかないまま授業終了のチャイムが鳴ったので体育教諭が締めの挨拶をして解散となった。
その際加藤さんに話しかけられた。

「一つお聞きしても良いですか刀赤さん。」
「なんでしょうか加藤さん。」
「あなたは何故空手の身のこなしをしながら柔術の独特の歩法を行う術があるのですか?」
「は?」

時偶流の武術のことを言っているのだろうが問題はそれでは無かった。
ずっと病院に居た明日香さんが何故さも見たことがあるかのように柔術という言葉を使ったということ。
元来、柔術の柔道は別物、空手も同義で空手と空手道は別物だ。
事の発端は嘉納 治五郎が教育向けに柔術を改良したのが始まりで本来自衛、護身術として行われてきた術がより良い精神、道を育てる教えを含ませられた。

このことから実践空手、実践柔道と呼ばれるように形を変えながら一国民の前では公には見せることのない存在に変わった。

特に柔道はそれの典型例だ。
歩法もそうだし身体の運びは合気道と共に分岐した。
なのに加藤 明日香は合気道とは言わずに柔術と言ったのが不可解だった。

「俺にもわからないとしか言えないかな。まあ、じいちゃんに戦い方の手ほどきは教わっているけど元傭兵だしサンボでもやってたんじゃない?」
「サンボ、確かロシアの格闘術で柔術も多大な影響を与えていると言いますがおじいさんは日本の人なんですか?」
「そうだと聞いているよ。」
「なら納得です。偶々空手でもやっていたんですね。」

何とか会話を止めた。
何となくだけど時偶流のことは言わない方が良い気がするし、今行ったことも嘘ではない。
じいちゃんは傭兵として生き残るためにジャングルファイトを得意とするプンチャックシラットに平地での戦い方を想定している空手、雪原でも対応可能になるようにロシアで武術を身に着けていたから嘘でもないし本当のことでもない。
俺自身も予想として出しているので問題は無いだろう。

俺はほっとしていた。
内なるものの企みに一切気づくことなく。

『ほう、この坊が神に魅入られたモノか。
 ふむ確かに特殊な生まれだな。
 面白い。
 別世界の神候補が居るのは厄介だが封印を解くのにはもってこいな状況だ。
 ククク……今に見ていろよ白虎の小僧よ。
 わしらが一枚岩で無いことを思い知るが良い。』
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...