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「そうその通りじゃ。
この日本の法律のような理不尽なものではない。
鍛えたモノを全て使うことができるそれが死合いなのだ。」
心技体を全て使い己の力量を図るからこそ意味がある。
「何故己が鍛えた場所を最大限使っただけなのに罪に問われなければならんのか。
その答え無き答えを考え続けた幹は人殺しよりも質がわるいぞ。
女狐はどう対処するかのう。」
この爺はとてもクレイジーな人間であることを自覚している。
好んで戦争に向かうような人間が日本の道徳教育に会った感性を持ち合わせているわけがない。
刀赤 根々の時代はど根性世代改めバブル世代。
詰め込み教育こそが至上と言われていた時代を生きた人種で個性は封じ込めている人たちが多かった世代だ。
近所の不良もしっぽ巻いて逃げ出すような独自の感性と封印師としての力量が現代では到底理解されない人間を生み出した。
そしてその人間は孫にて受け継がれている。
全ては虐げられることに慣れてしまったと自分に言い聞かせるしかない社会が彼らを歪ませ逝った。
故にクレイジーな爺のライバルであるど根性ババアはこの孫に絶対に負けてはならない。
ひいては全国民への指導が間違っていなかったことを証明したいが故の集団心理的エゴイズムのために。
彼女は霊力で作り出したナイフで彼を刺すために振るう。
「もう見飽きたんでそろそろ終わりにして良いですかね。
俺も時間が無いんでね。」
決意は負けていなかった。
でも彼の人生はとても黒く、深く、血生臭い香りが染みついていた。
目の前に彼の手が迫り、掴まれた。
して共によって感じ取った情報によれば彼がこのまま握力を込めれば確実に死ぬ未来しか見えないことだった。
「降参、します。」
「ほれ女狐言うたべお主は儂の孫に負けると。」
「く。」
お前の孫に負けたのではない。
お前らの受け継がれし憎しみに負けたのだ。
そう言いたかったが彼らの人生に救われた人間たちにその対価が支払えるかと言われればそうではない。
叫びたいことを叫べないもどかしさだけが漱歌の心の内を過ぎ去っていった。
「ねえ、詩、私には幹さんが最後に行ったことが分からないんですが見えましたか?」
「お嬢様それを聞くのはあちらの二人の方がよろしいかと私には恐ろしい重圧としか解らなかったので、私たちよりもはるかに上位のことに聞いた方がよろしいかと思われます。」
「いくら丁寧に言ってもみじめになるだけですからね。」
「ち、勘の言い主人は嫌いです。」
ほぼギャグである。
「……説明…する……よ……。」
「お願いします。」
「……やった…の……は…こう……。」
ミウスさんから圧を感じていた。
「…脳…は……興奮…すれば……それだけ…肉体…を…今まで…以上…動か…す……力…みなぎる……。」
「霊力を使用しているのでしょうか?」
「霊力ではない。アレは魔力ではないかな。」
「……肯定…。」
「ふむ。なるほど幹はあなたに魅入られたのか。」
ミウスさんにしか聞こえない声で根々は話した。
『それ以上は念話で話して。』
『ほう、念話、思念伝達を使うか。
神獣には至っていないようだがそれも時間の問題だな。
天狗からおぬしを住まわせろと言われたときは何故ギリシャからの術者もしくは異形にコネクションがあるかと思っていたが異界の存在とは知らんだ。
幹は大方封印されている鬼と白虎のどちらかと取引をしてそちらに行ったのであっているか?』
『大体あってる。でも知ってたの?』
『ああ、最近急激な肉体変化が見られた。
何かあるとは思っていたが異界、
それも神に近い存在がいるとは思いもしなかったがな。』
ミウスは改めてこの刀赤 根々を見た。
『天狗だけじゃないよね。それ、神?』
『そこから先の命は保証しかねるぞ。
私もまだこいつのことをコントロールできていない。
こいつが出たらこの土地に天変地異が起こってしまうかもしれない。
だからこいつを刺激するようなことは辞めてくれ。』
ミウスは人間では無いので第六感を受け入れることができる。
神に昇格できるだけの力を持っていた。
だから根々の中に潜む異形の力が複数種存在することに気が付いていた。
例えるなら色の違うものと音の違うものが混在する人型の生物。
刀赤 幹よりかは少ないがそれに匹敵する力を感じられる。
「ふむ、お嬢さん方、一つ言っておくことがある。
刀赤の身体はな死屍累々の中から生贄として作られた人種だ。
昔はもっと異形が多くいた。
今日来た時の山なんてお遊びのようにな。
偉業に対抗することはほぼ不可能に近く人間に封印することを選んだ。
人々はデータを集め、
今を改善しようと先人たちは試すことをしてきた。
その結果刀赤という血筋が生まれたのだ。
各国にも似たような血筋は数多くあり刀赤と同じように封印の代償として人々から虐げられる病に伏している。
おぬしらは幹に近づきたいと申すが彼の人生を全て受け入れたいと思えるのか。
それを問いたい。」
「……私…は…受け……入れ…たい……。
どん…な……困難が待ち……受けてい…ようと…も…彼に恋に落ちて…愛している……。
そう…誓ったのだから……彼と同じ過去を……歩みたい。」
ミウスだけは即答だった。
そして明日香さんたちは自分に迷いがあることを理解した。
この日本の法律のような理不尽なものではない。
鍛えたモノを全て使うことができるそれが死合いなのだ。」
心技体を全て使い己の力量を図るからこそ意味がある。
「何故己が鍛えた場所を最大限使っただけなのに罪に問われなければならんのか。
その答え無き答えを考え続けた幹は人殺しよりも質がわるいぞ。
女狐はどう対処するかのう。」
この爺はとてもクレイジーな人間であることを自覚している。
好んで戦争に向かうような人間が日本の道徳教育に会った感性を持ち合わせているわけがない。
刀赤 根々の時代はど根性世代改めバブル世代。
詰め込み教育こそが至上と言われていた時代を生きた人種で個性は封じ込めている人たちが多かった世代だ。
近所の不良もしっぽ巻いて逃げ出すような独自の感性と封印師としての力量が現代では到底理解されない人間を生み出した。
そしてその人間は孫にて受け継がれている。
全ては虐げられることに慣れてしまったと自分に言い聞かせるしかない社会が彼らを歪ませ逝った。
故にクレイジーな爺のライバルであるど根性ババアはこの孫に絶対に負けてはならない。
ひいては全国民への指導が間違っていなかったことを証明したいが故の集団心理的エゴイズムのために。
彼女は霊力で作り出したナイフで彼を刺すために振るう。
「もう見飽きたんでそろそろ終わりにして良いですかね。
俺も時間が無いんでね。」
決意は負けていなかった。
でも彼の人生はとても黒く、深く、血生臭い香りが染みついていた。
目の前に彼の手が迫り、掴まれた。
して共によって感じ取った情報によれば彼がこのまま握力を込めれば確実に死ぬ未来しか見えないことだった。
「降参、します。」
「ほれ女狐言うたべお主は儂の孫に負けると。」
「く。」
お前の孫に負けたのではない。
お前らの受け継がれし憎しみに負けたのだ。
そう言いたかったが彼らの人生に救われた人間たちにその対価が支払えるかと言われればそうではない。
叫びたいことを叫べないもどかしさだけが漱歌の心の内を過ぎ去っていった。
「ねえ、詩、私には幹さんが最後に行ったことが分からないんですが見えましたか?」
「お嬢様それを聞くのはあちらの二人の方がよろしいかと私には恐ろしい重圧としか解らなかったので、私たちよりもはるかに上位のことに聞いた方がよろしいかと思われます。」
「いくら丁寧に言ってもみじめになるだけですからね。」
「ち、勘の言い主人は嫌いです。」
ほぼギャグである。
「……説明…する……よ……。」
「お願いします。」
「……やった…の……は…こう……。」
ミウスさんから圧を感じていた。
「…脳…は……興奮…すれば……それだけ…肉体…を…今まで…以上…動か…す……力…みなぎる……。」
「霊力を使用しているのでしょうか?」
「霊力ではない。アレは魔力ではないかな。」
「……肯定…。」
「ふむ。なるほど幹はあなたに魅入られたのか。」
ミウスさんにしか聞こえない声で根々は話した。
『それ以上は念話で話して。』
『ほう、念話、思念伝達を使うか。
神獣には至っていないようだがそれも時間の問題だな。
天狗からおぬしを住まわせろと言われたときは何故ギリシャからの術者もしくは異形にコネクションがあるかと思っていたが異界の存在とは知らんだ。
幹は大方封印されている鬼と白虎のどちらかと取引をしてそちらに行ったのであっているか?』
『大体あってる。でも知ってたの?』
『ああ、最近急激な肉体変化が見られた。
何かあるとは思っていたが異界、
それも神に近い存在がいるとは思いもしなかったがな。』
ミウスは改めてこの刀赤 根々を見た。
『天狗だけじゃないよね。それ、神?』
『そこから先の命は保証しかねるぞ。
私もまだこいつのことをコントロールできていない。
こいつが出たらこの土地に天変地異が起こってしまうかもしれない。
だからこいつを刺激するようなことは辞めてくれ。』
ミウスは人間では無いので第六感を受け入れることができる。
神に昇格できるだけの力を持っていた。
だから根々の中に潜む異形の力が複数種存在することに気が付いていた。
例えるなら色の違うものと音の違うものが混在する人型の生物。
刀赤 幹よりかは少ないがそれに匹敵する力を感じられる。
「ふむ、お嬢さん方、一つ言っておくことがある。
刀赤の身体はな死屍累々の中から生贄として作られた人種だ。
昔はもっと異形が多くいた。
今日来た時の山なんてお遊びのようにな。
偉業に対抗することはほぼ不可能に近く人間に封印することを選んだ。
人々はデータを集め、
今を改善しようと先人たちは試すことをしてきた。
その結果刀赤という血筋が生まれたのだ。
各国にも似たような血筋は数多くあり刀赤と同じように封印の代償として人々から虐げられる病に伏している。
おぬしらは幹に近づきたいと申すが彼の人生を全て受け入れたいと思えるのか。
それを問いたい。」
「……私…は…受け……入れ…たい……。
どん…な……困難が待ち……受けてい…ようと…も…彼に恋に落ちて…愛している……。
そう…誓ったのだから……彼と同じ過去を……歩みたい。」
ミウスだけは即答だった。
そして明日香さんたちは自分に迷いがあることを理解した。
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