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66-1 閑話 飛ばし読み推奨
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治らない不治の病は決して死に至るモノだけではない。
ケロイドもその一つだ。
現代では全くの不治ではないが当時は全くの不治故に呪いと評されることも多かった。
ケロイドの語源は鉤爪、爪痕とも言われる傷跡。
グリフォンの爪を振り下ろされ傷ついたような傷跡から言われていた。
そして彼が受けたのは呪いそのものだった。
俺には昔から傷がついていた。
なんでも母親が帝王切開で生んでくれたのだが医者の不注意なのか切り傷を負い誰も気づくことなく赤ん坊で居た。
生まれてから3か月になってようやく異変に気付いた。
「先生、この子の背中を見てください。」
「こ、これはケロイド!?母体に問題は無かったのに赤ん坊の方がなったって言うことは………まさか、帝王切開のときに…………」
最後の方は聞こえなかったが母親はケロイドだと知るとある意味で安心した。
「ケロイドってことは命に別条はないんですね。」
「ええ、ただ赤ん坊のときに処方できる薬が存在しないので少なくともある程度抗体ができるまでは治療できません。」
「あ、ステロイドですか。確かにこのくらいの赤ちゃんには…………」
「ええ、お察しの通りにステロイドを小さな時から投与すると低身長になる可能性が高いです。ですから治療は今はしません。ケロイドである場合とそうでない場合とで結果がだいぶ違ってきます。その際のメンタルケアが重要になってきます。」
後に母親は知ることになった。
自分ら自身が息子に背負わせたものの大きさを教えられた。
「またいじめ………………。」
「これでもう何回目だ。あの子ももう小学生だろ。」
「あの子自身が悪いわけじゃないの。」
「やっぱりお義父さんの言う通りだったのか。
私たち陰陽師は呪いの存在だと……。」
「違うわよ。私たちがいじめられたのは陰陽師を名乗るには弱過ぎたからよ。」
「でも、何回も私たちが極道ものと間違われたんだぞ。
私たちにまで危険が及ぶようじゃ呪いも同然じゃないか。」
夫婦がいじめられる要因を作ったことを認めたくもないという気持ちと自分たちの我が儘のために生んだ子どもは自分が道具のように扱われている風に感じた。
いくら薬を投与しようとも良好に向かわない。
その事実が両親の自分を生んだ目的と自分自身の境遇を苦しめ続ける結果となった。
「ならあの子をどうするの。」
喧嘩を聞き始めた日から両親が壊れ始めた。
暴力も振るわれるようになり自衛をするために法を学んだ。
法に訴え両親の状態が通常出ないことを説得し両親から逃れるという形で祖父、刀赤根々に引き取られ名字も変えた。
ケロイドもその一つだ。
現代では全くの不治ではないが当時は全くの不治故に呪いと評されることも多かった。
ケロイドの語源は鉤爪、爪痕とも言われる傷跡。
グリフォンの爪を振り下ろされ傷ついたような傷跡から言われていた。
そして彼が受けたのは呪いそのものだった。
俺には昔から傷がついていた。
なんでも母親が帝王切開で生んでくれたのだが医者の不注意なのか切り傷を負い誰も気づくことなく赤ん坊で居た。
生まれてから3か月になってようやく異変に気付いた。
「先生、この子の背中を見てください。」
「こ、これはケロイド!?母体に問題は無かったのに赤ん坊の方がなったって言うことは………まさか、帝王切開のときに…………」
最後の方は聞こえなかったが母親はケロイドだと知るとある意味で安心した。
「ケロイドってことは命に別条はないんですね。」
「ええ、ただ赤ん坊のときに処方できる薬が存在しないので少なくともある程度抗体ができるまでは治療できません。」
「あ、ステロイドですか。確かにこのくらいの赤ちゃんには…………」
「ええ、お察しの通りにステロイドを小さな時から投与すると低身長になる可能性が高いです。ですから治療は今はしません。ケロイドである場合とそうでない場合とで結果がだいぶ違ってきます。その際のメンタルケアが重要になってきます。」
後に母親は知ることになった。
自分ら自身が息子に背負わせたものの大きさを教えられた。
「またいじめ………………。」
「これでもう何回目だ。あの子ももう小学生だろ。」
「あの子自身が悪いわけじゃないの。」
「やっぱりお義父さんの言う通りだったのか。
私たち陰陽師は呪いの存在だと……。」
「違うわよ。私たちがいじめられたのは陰陽師を名乗るには弱過ぎたからよ。」
「でも、何回も私たちが極道ものと間違われたんだぞ。
私たちにまで危険が及ぶようじゃ呪いも同然じゃないか。」
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いくら薬を投与しようとも良好に向かわない。
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「ならあの子をどうするの。」
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法に訴え両親の状態が通常出ないことを説得し両親から逃れるという形で祖父、刀赤根々に引き取られ名字も変えた。
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