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第1章
第26話:きっと大丈夫
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奏多が静かに一歩前に出ると、周囲の空気がぴんと張り詰めた。
警備兵たちの視線が一斉に彼に向けられ、澪は息を詰める。
わずかに揺れた槍の先端が、無言の圧力となって場を支配していた。
奏多は両手を勢いよく上げた。
「ちょっと待ってください!違うんです!いや、違わないかもですけど!」
警備兵たちは眉をひそめながら顔を見合わせる。
奏多は矢継ぎ早に言葉を紡ぎ、次から次へと早口でまくしたてる。
「いや、その、僕たち、ただ道に迷っただけなんです!地図がなくて――いや、正確には、地図はあったんですけど、まあ僕のせいで地図を落としちゃった可能性もあるんですけど!でも、わざとじゃないです!全然悪気はないです!」
次から次へと出る言葉に、澪と夏輝は目を丸くし、呆然と立ち尽くしていた。
奏多はさらに両手を大きく振りながら、言葉を続ける。
「それに!見てください!この手!何も持ってないでしょ!?武器なんて一切ないし、この園のものを持ち出そうなんて考えたこともないし、いや考える余裕すらなかったですし、むしろこの場所の美しさに感動して――いや、その感動がちょっと行き過ぎて迷惑をかけちゃったかもしれないですけど!とにかく本当にすみません!」
警備兵たちは微妙な顔を浮かべつつ、少しずつ困惑の表情に変わっていく。
奏多は真剣な表情を崩さず、手を動かしながら畳みかけるように話し続けた。
「えっと、これを信じていただけるかわかりませんが……僕たち、ただの観光客みたいなものなんです!景色を楽しんでただけなんです!ほら、見てください!全然怪しい感じしないでしょ!?見た目も普通だし――いや、普通すぎて逆に怪しく見えるかもしれないですけど!」
奏多の独壇場に、ユーマは肩を震わせながら必死に笑いを堪えている。
「ぷっ……どんだけ喋んだよ……!」
奏多は次々と言葉を重ねていった。
「それでですね、僕らはここで何か悪いことをするつもりなんてこれっぽっちもなくて、むしろ警備兵さんたちに敬意すら感じてます!ほら、その槍、すっごく立派で……いや、本当に刺されると痛そうですし、刺さなくてもいいと思いますけど、とにかく立派です!」
その言葉に、警備兵の一人が一瞬槍を見下ろし、わずかに表情を和らげた。
「で、最後に確認なんですけど」
奏多は両手を大きく広げ、まるで舞台の最後を飾る役者のように声を張り上げた。
「外に出てもいいですかぁ!?」
一瞬の静寂の後、警備兵たちは堪えきれず吹き出し始めた。
一人が腹を抱えて笑い出すと、他の者たちもつられるように笑いを漏らし、槍を持つ手が力なく下がった。
奏多はその様子を見逃さず、さらに言葉を畳みかける。
「いや、もちろん迷惑かけちゃったのは本当に申し訳ないんですけど、早く出て行けばこれ以上ご迷惑をおかけせずに済むかと!」
その言葉に、警備兵の一人がちらりと仲間を見ながら首を傾げた。
「……確かに、ここに長くいられる方が厄介かもしれん……」
奏多はその反応を感じ取ったように、さらに勢いを込めて頭を下げた。
「いやいやいや、本当に悪意ないんです!信じてください!」
繰り返される謝罪に、彼らが脅威ではないと思い始め、警戒がわずかに揺らいでいった。
「あなたたち、何をしているの?」
空気の緩みを裂くように、冷ややかな声が響き渡った。
場にいた全員が一斉にその声の方を向く。
警備兵たちは目の前に立つその姿に気づき、慌てて姿勢を正した。
硬直した体からは、視線をそらせない緊張が伝わる。
歩み寄ってきたのはニュンペーたちだった。
そのうち一人が中心となって進み出ると、後ろに控えるニュンペーたちはわずかに距離を取りながらも、澪たちを冷徹な視線で見据えていた。
その瞳の冷たさは、刃のように鋭く、場全体に凍りつくような緊張感を生み出していた。
「侵入者を前にして、そんな態度を取るなんて……失望したわ。」
先頭のニュンペーの声には鋭い威厳が滲み、場の空気がさらに冷たく張り詰める。
警備兵たちはぎこちなく視線を交わし、手元に視線を落とす者もいた。
その動きには緊張と戸惑いが滲んでいる。
奏多は鋭く視線を巡らせ、冷静を装っていたが、額に滲む汗は止まらない。
「くそ……やっと警戒を解いてくれそうだったのに……!」
必死に作り出した緩んだ空気が一瞬で消え去ったのがわかる。
「このままじゃ、また振り出しに戻る……どうにかしないと……!」
奏多は悔しそうに拳を握りしめた。
ニュンペーたちは警備兵たちに視線を向け、その態度には明らかな不満が滲んでいる。
「ニュ、ニュンペー様、彼らは――」
警備兵の一人が一歩前に出て、慌てて声を上げた。
「言い訳は不要よ。」
先頭のニュンペーが冷たく手を振り、警備兵の言葉を遮った。
「この者たちが侵入者であることは明白。それなのに、警戒を緩めるとはどういうつもり?」
警備兵たちは視線を交わし合い、どう対応すべきか考えているようだった。
一人の警備兵が視線を上げ、少し言葉を探るように口を開いた。
「ですが、ニュンペー様、彼らはただ迷い込んだだけだと言っています。我々も確認を――」
「それが愚かだと言っているのよ。」
ニュンペーの目が鋭く光り、警備兵たちを睨みつける。
「侵入者の言葉を信じるなんて、警備兵としての責任を忘れたの?この園は私たちが守る神聖な場所。それを軽んじる行動なんて許されないわ。」
後ろに控える別のニュンペーが優雅に歩み寄り、澪たちをじっと見つめた。
彼女の目には冷たい光が宿っている。
「あなたたち、時間を稼ごうとしているのでしょう?その手には乗らないわ。」
ニュンペーの唇に浮かんだ笑みは冷たく、皮肉がたっぷりと込められていた。
「えっ……時間を稼ぐ?」
奏多は思わず声を漏らし、首を傾げて困惑の色を浮かべた。
ニュンペーは顎を軽くしゃくり、背後を示すように動かす。
「ほら、来たわよ。」
その言葉とともに、背後から力強い足音が地面を震わせるように響いた。
澪たちが振り返ると、ヘラクレスが堂々とした姿で現れた。
土埃をまといながらもその表情は落ち着いており、鋭い瞳でニュンペーたちを見据えている。
「彼らを出してやれ!」
ヘラクレスは低く響く声で言い放つと、ニュンペーたちを睨みつけた。
その視線には圧倒的な威圧感が宿り、場の空気が一瞬にして重くなる。
静寂が一瞬流れた後、ヘラクレスが力強く一歩を踏み出した。
大地を揺るがすような重い音が響き、足元の土が大きく跳ねた。
ニュンペーたちはその轟音に一瞬目を見開き、小さく後ろへ身を引いた。
冷静を装うよう視線を鋭く戻し、再び冷たい表情を作り上げる。
「無事だったんだ!」
ヘラクレスの姿を確認した夏輝の顔に、ほっとした笑みが広がった。
ヘラクレスは静かな怒りをその眼差しに宿し、ニュンペーたちを鋭く見据えた。
「さあ、どうする?」
低く響く声で言い放ちながら、隣の大木をちらりと見た。
そして拳を振り下ろすと、鈍い衝撃音が響き渡り、太い幹が一撃で裂けた。
大木は傾きながら土埃を巻き上げ、轟音を立てて倒れた。
ニュンペーたちは思わず後ずさり、倒れた木を見つめながらわずかに声を震わせた。
「ちょ、ちょっと待って……!」
別のニュンペーが一歩引き、表情を引き締めながらも、わずかに声を震わせた。
「そんな脅しに屈するわけには……!」
ヘラクレスはその動揺を見逃さず、拳を振り払う仕草を見せながら鋭い声を放つ。
「俺が本気を出せば、こんなものでは済まない。」
ニュンペーたちは互いに目を見合わせ、明らかな動揺を隠せないまま、一歩ずつ後ずさった。
その瞳には怯えの色が浮かび、冷静さを装う余裕はなかった。
澪はその様子に驚きながらも息を呑み、心臓が早鐘を打つのを感じた。
「……ヘラクレスさん、本当にすごい……。」
夏輝は目を輝かせ、拳を緩めながら力強く頷く。
「やっぱり頼りになるな……さすがだ!」
一方、奏多は冷静な表情を保ちながら、状況を見極めるように目を細めた。
「完全に引かせたわけじゃないけど……少なくとも揺さぶりは効いている。」
澪たちは胸の奥に張り詰めていた緊張が、少しずつ解けていくのを感じた。
冷たく重く覆っていた空気が、ふっと軽くなったように思えた。
澪はゆっくりと息をつき、自然と手が胸元に触れる。
「……大丈夫、きっと大丈夫。」
微かな希望が胸の中に灯り、こわばっていた頬がわずかに緩んだ。
肩の力が抜け、澪の表情にはほんの少し安堵の色が浮かんでいた。
突如、眩い光が門の近くに差し込んだ。
それはただの光ではなく、全てを浄化するかのような神聖な輝きを放ち、場の空気が一瞬で変わった。
ニュンペーたちは顔を引きつらせ、縮こまるように肩をすぼめた。
「この光……何なの?」
澪の声が震え、戸惑いを隠せない様子で漏れた。
「おい……これ、やばいぞ!」
ユーマが低く呟いた。その声には普段の余裕が微塵もなく、場の空気が一層張り詰めた。
澪たちはその言葉に動けなくなり、ただ迫りくる未知の脅威を前に息を詰めた。
警備兵たちの視線が一斉に彼に向けられ、澪は息を詰める。
わずかに揺れた槍の先端が、無言の圧力となって場を支配していた。
奏多は両手を勢いよく上げた。
「ちょっと待ってください!違うんです!いや、違わないかもですけど!」
警備兵たちは眉をひそめながら顔を見合わせる。
奏多は矢継ぎ早に言葉を紡ぎ、次から次へと早口でまくしたてる。
「いや、その、僕たち、ただ道に迷っただけなんです!地図がなくて――いや、正確には、地図はあったんですけど、まあ僕のせいで地図を落としちゃった可能性もあるんですけど!でも、わざとじゃないです!全然悪気はないです!」
次から次へと出る言葉に、澪と夏輝は目を丸くし、呆然と立ち尽くしていた。
奏多はさらに両手を大きく振りながら、言葉を続ける。
「それに!見てください!この手!何も持ってないでしょ!?武器なんて一切ないし、この園のものを持ち出そうなんて考えたこともないし、いや考える余裕すらなかったですし、むしろこの場所の美しさに感動して――いや、その感動がちょっと行き過ぎて迷惑をかけちゃったかもしれないですけど!とにかく本当にすみません!」
警備兵たちは微妙な顔を浮かべつつ、少しずつ困惑の表情に変わっていく。
奏多は真剣な表情を崩さず、手を動かしながら畳みかけるように話し続けた。
「えっと、これを信じていただけるかわかりませんが……僕たち、ただの観光客みたいなものなんです!景色を楽しんでただけなんです!ほら、見てください!全然怪しい感じしないでしょ!?見た目も普通だし――いや、普通すぎて逆に怪しく見えるかもしれないですけど!」
奏多の独壇場に、ユーマは肩を震わせながら必死に笑いを堪えている。
「ぷっ……どんだけ喋んだよ……!」
奏多は次々と言葉を重ねていった。
「それでですね、僕らはここで何か悪いことをするつもりなんてこれっぽっちもなくて、むしろ警備兵さんたちに敬意すら感じてます!ほら、その槍、すっごく立派で……いや、本当に刺されると痛そうですし、刺さなくてもいいと思いますけど、とにかく立派です!」
その言葉に、警備兵の一人が一瞬槍を見下ろし、わずかに表情を和らげた。
「で、最後に確認なんですけど」
奏多は両手を大きく広げ、まるで舞台の最後を飾る役者のように声を張り上げた。
「外に出てもいいですかぁ!?」
一瞬の静寂の後、警備兵たちは堪えきれず吹き出し始めた。
一人が腹を抱えて笑い出すと、他の者たちもつられるように笑いを漏らし、槍を持つ手が力なく下がった。
奏多はその様子を見逃さず、さらに言葉を畳みかける。
「いや、もちろん迷惑かけちゃったのは本当に申し訳ないんですけど、早く出て行けばこれ以上ご迷惑をおかけせずに済むかと!」
その言葉に、警備兵の一人がちらりと仲間を見ながら首を傾げた。
「……確かに、ここに長くいられる方が厄介かもしれん……」
奏多はその反応を感じ取ったように、さらに勢いを込めて頭を下げた。
「いやいやいや、本当に悪意ないんです!信じてください!」
繰り返される謝罪に、彼らが脅威ではないと思い始め、警戒がわずかに揺らいでいった。
「あなたたち、何をしているの?」
空気の緩みを裂くように、冷ややかな声が響き渡った。
場にいた全員が一斉にその声の方を向く。
警備兵たちは目の前に立つその姿に気づき、慌てて姿勢を正した。
硬直した体からは、視線をそらせない緊張が伝わる。
歩み寄ってきたのはニュンペーたちだった。
そのうち一人が中心となって進み出ると、後ろに控えるニュンペーたちはわずかに距離を取りながらも、澪たちを冷徹な視線で見据えていた。
その瞳の冷たさは、刃のように鋭く、場全体に凍りつくような緊張感を生み出していた。
「侵入者を前にして、そんな態度を取るなんて……失望したわ。」
先頭のニュンペーの声には鋭い威厳が滲み、場の空気がさらに冷たく張り詰める。
警備兵たちはぎこちなく視線を交わし、手元に視線を落とす者もいた。
その動きには緊張と戸惑いが滲んでいる。
奏多は鋭く視線を巡らせ、冷静を装っていたが、額に滲む汗は止まらない。
「くそ……やっと警戒を解いてくれそうだったのに……!」
必死に作り出した緩んだ空気が一瞬で消え去ったのがわかる。
「このままじゃ、また振り出しに戻る……どうにかしないと……!」
奏多は悔しそうに拳を握りしめた。
ニュンペーたちは警備兵たちに視線を向け、その態度には明らかな不満が滲んでいる。
「ニュ、ニュンペー様、彼らは――」
警備兵の一人が一歩前に出て、慌てて声を上げた。
「言い訳は不要よ。」
先頭のニュンペーが冷たく手を振り、警備兵の言葉を遮った。
「この者たちが侵入者であることは明白。それなのに、警戒を緩めるとはどういうつもり?」
警備兵たちは視線を交わし合い、どう対応すべきか考えているようだった。
一人の警備兵が視線を上げ、少し言葉を探るように口を開いた。
「ですが、ニュンペー様、彼らはただ迷い込んだだけだと言っています。我々も確認を――」
「それが愚かだと言っているのよ。」
ニュンペーの目が鋭く光り、警備兵たちを睨みつける。
「侵入者の言葉を信じるなんて、警備兵としての責任を忘れたの?この園は私たちが守る神聖な場所。それを軽んじる行動なんて許されないわ。」
後ろに控える別のニュンペーが優雅に歩み寄り、澪たちをじっと見つめた。
彼女の目には冷たい光が宿っている。
「あなたたち、時間を稼ごうとしているのでしょう?その手には乗らないわ。」
ニュンペーの唇に浮かんだ笑みは冷たく、皮肉がたっぷりと込められていた。
「えっ……時間を稼ぐ?」
奏多は思わず声を漏らし、首を傾げて困惑の色を浮かべた。
ニュンペーは顎を軽くしゃくり、背後を示すように動かす。
「ほら、来たわよ。」
その言葉とともに、背後から力強い足音が地面を震わせるように響いた。
澪たちが振り返ると、ヘラクレスが堂々とした姿で現れた。
土埃をまといながらもその表情は落ち着いており、鋭い瞳でニュンペーたちを見据えている。
「彼らを出してやれ!」
ヘラクレスは低く響く声で言い放つと、ニュンペーたちを睨みつけた。
その視線には圧倒的な威圧感が宿り、場の空気が一瞬にして重くなる。
静寂が一瞬流れた後、ヘラクレスが力強く一歩を踏み出した。
大地を揺るがすような重い音が響き、足元の土が大きく跳ねた。
ニュンペーたちはその轟音に一瞬目を見開き、小さく後ろへ身を引いた。
冷静を装うよう視線を鋭く戻し、再び冷たい表情を作り上げる。
「無事だったんだ!」
ヘラクレスの姿を確認した夏輝の顔に、ほっとした笑みが広がった。
ヘラクレスは静かな怒りをその眼差しに宿し、ニュンペーたちを鋭く見据えた。
「さあ、どうする?」
低く響く声で言い放ちながら、隣の大木をちらりと見た。
そして拳を振り下ろすと、鈍い衝撃音が響き渡り、太い幹が一撃で裂けた。
大木は傾きながら土埃を巻き上げ、轟音を立てて倒れた。
ニュンペーたちは思わず後ずさり、倒れた木を見つめながらわずかに声を震わせた。
「ちょ、ちょっと待って……!」
別のニュンペーが一歩引き、表情を引き締めながらも、わずかに声を震わせた。
「そんな脅しに屈するわけには……!」
ヘラクレスはその動揺を見逃さず、拳を振り払う仕草を見せながら鋭い声を放つ。
「俺が本気を出せば、こんなものでは済まない。」
ニュンペーたちは互いに目を見合わせ、明らかな動揺を隠せないまま、一歩ずつ後ずさった。
その瞳には怯えの色が浮かび、冷静さを装う余裕はなかった。
澪はその様子に驚きながらも息を呑み、心臓が早鐘を打つのを感じた。
「……ヘラクレスさん、本当にすごい……。」
夏輝は目を輝かせ、拳を緩めながら力強く頷く。
「やっぱり頼りになるな……さすがだ!」
一方、奏多は冷静な表情を保ちながら、状況を見極めるように目を細めた。
「完全に引かせたわけじゃないけど……少なくとも揺さぶりは効いている。」
澪たちは胸の奥に張り詰めていた緊張が、少しずつ解けていくのを感じた。
冷たく重く覆っていた空気が、ふっと軽くなったように思えた。
澪はゆっくりと息をつき、自然と手が胸元に触れる。
「……大丈夫、きっと大丈夫。」
微かな希望が胸の中に灯り、こわばっていた頬がわずかに緩んだ。
肩の力が抜け、澪の表情にはほんの少し安堵の色が浮かんでいた。
突如、眩い光が門の近くに差し込んだ。
それはただの光ではなく、全てを浄化するかのような神聖な輝きを放ち、場の空気が一瞬で変わった。
ニュンペーたちは顔を引きつらせ、縮こまるように肩をすぼめた。
「この光……何なの?」
澪の声が震え、戸惑いを隠せない様子で漏れた。
「おい……これ、やばいぞ!」
ユーマが低く呟いた。その声には普段の余裕が微塵もなく、場の空気が一層張り詰めた。
澪たちはその言葉に動けなくなり、ただ迫りくる未知の脅威を前に息を詰めた。
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