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ギルド"猟犬の牙"
継承する魂
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「マスターソウル…。誰がそう呼んだかは知らないその名前のせいで殆どの人は誤解しているけど、何もかもが生まれた瞬間から達人の域に達しているわけではないんだよ」
みんなが席に着いたことを確認すると、キースは穏やかな口調で話を始めた。
「全能なる魂、武神の申し子…神々の戯れなんて呼ぶこともあるけれど、元々は継承する魂と呼ばれているんだ」
「確かに、ほとんどの人はマスターソウルと言うけれど、それ以外だと継承する魂って呼んでる人もいたわね」
シリエの言葉に周りも頷く。キースは話を進める。
「本来魂というのは死んでしまえば朽ちてしまう。当然生前あった知識や人格、経験なんかは消えて無くなるわけだ」
「でもマスターソウルは違う。継承する魂という名のごとく、その人の生前の経験・技術というものが蓄積され、また別の人に宿っていくんだ。つまりいろんな人に受け継がれるだけ、その魂には技術と経験が蓄積されより強力な魂になる。ここまではクライン君は知っているね?」
「えぇ、物心ついた時からどういうわけか知っていました。無意識のうちに魂から引き出した知識だと思います」
ウンウンとキースは頷く。
「恐らくここからが知らない情報だよ。マスターソウルには三つの種類があるんだ。心・技・体の三つだね。"心"は"魔"とも呼ばれたりする」
「それぞれ蓄積する技術の種類を表しているんだよ。"心"は魔術、"技"は武器を扱う技術、"体"は体術のことを指すんだ」
「先程キースさんが言っていたのはその事ですね。クラインさんは武器を扱える"技"のマスターソウルだと」
アリスは先程のやりとりを思い出して口にする。すごくわかりやすい説明のおかげで、全員が理解できている様子だ。
これまで静かに聞いていたダンが、素直な疑問を口にした。
「なんで、三種類に分かれてんだろうな」
「それについては諸説あるけど…一番有力なのは神々が自分たちに匹敵する存在を作らないようにしたためってやつかな」
「神々…?」
ダンが首をかしげる。いきなりスケールの大きな話になってきた。
「そう、神々だよ。元々マスターソウルの始まりは神々が創り与えたものっていう話からくる説だね。知的生命体の中でも取り分け非力だった人間という種族に対して、哀れみでも救済でもない、戯れで与えた魂。それを持ってして人間がどこまで抗えるか楽しんでるなんて話さ」
「ただ、絶大な力を持った神々が他の生命に対して過剰に接触するのはご法度なんだ。それにありとあらゆる経験と知識を積み重ねていけば長い時の中でいずれ自分たちを脅かす存在が生まれてしまう。だから種別を分けて力を限定したんだよ」
「なんだよ、随分と身勝手な連中じゃねぇか」
「まぁ…あくまでそういう説があるってだけさ。僕らに神々の思想なんて理解できないし、理解した時にはきっと人間をやめてしまっているよ」
苦笑いして冗談を言うと、キースはクラインに目を向けて話しかける。
「さて、マスターソウルについてわかったところでクライン君、君がここにきた目的を教えてくれないかな。恐らくマスターソウルに絡んだ話なんだろう?」
「えぇ、もちろん構いません」
クラインは田舎故郷を出て鍛錬の為アスクランを目指していたこと、多種多様なものが行き着くアスクランで冒険者になれば、魂に新しい経験と技術が刻めると確信したこと、そしてダンに誘われたことを話した。
「なるほどね、事情はわかったわ」
真っ先に口を開いたのはシリエだった。
「ダンから聞いてるかもしれないけど、このギルドはちょっと特殊なの。見ての通り人は少ないし…今は依頼で出払ってるけどそれでもあなたを入れたって8人だけなの」
「なぜかと言うと、個人の力量がありすぎるからたくさん冒険者を雇う必要がないのよ」
特殊とはそう言うことか。そこまでは聞いてないぞ!クラインはダンに視線を送る。するとすぐ目をそらされてしまった。
「当然この辺りのギルドはみんな知っているわ。猟犬の牙の名前を知らない冒険者はいないもの。」
「でも商人や農家といった一般の人はほとんど知っている人はいないの。なぜだかわかるかしら」
クラインは首を横に振る。まるで謎々のようで検討もつかない。
「私たちギルドの依頼相手はギルドなの。」
「!!」
そこまで聞いてクラインはハッと息を飲む。
「まさか…腕の立つギルドだと知っている周りのギルドが手に負えない依頼をここに依頼しているから…!?」
シリエはにっこりと微笑むと、再び話し始める。
「話が早くて助かるわ、その通りよ。ウチの冒険者がとびきり腕が立つのは何も偶然じゃない、必然なの」
何てこった!いきなり訪ねたギルドがまさかこんなところだなんて想像もできなかった!
「ダン、あなたが僕を半ば強引に誘ってきたのはこれが理由ですね。ギルド加入者の選別が厳しいから人手不足というわけですか」
「ハハッ、バレちまったか!でもお前の目的を果たすためには、ここは一番の近道だと俺は思うぜ」
「うっ…!」
返す言葉もない、まさにその通りだ。
「どうするクライン君?今ならまだ他のギルドに入るという選択肢もあるわ」
…何を迷う必要がある。意を決して故郷を出た時の気持ちをもう忘れたのか!答えは決まりきっている!
「いえ、僕の心は決まっています。ここの冒険者に…猟犬の牙の一員にしてください!」
わぁっとその場の雰囲気が明るくなる。
「わかったわ。ただ貴方の実力も知っておきたいから、一応入団試験を受けてもらうわね。」
え?
どうやらこれで加入できるわけではないみたいだ。
「ギルドマスター シリエ・ウィルチャードの名において、クライン君、あなたの入団試験を許可するわ!」
みんなが席に着いたことを確認すると、キースは穏やかな口調で話を始めた。
「全能なる魂、武神の申し子…神々の戯れなんて呼ぶこともあるけれど、元々は継承する魂と呼ばれているんだ」
「確かに、ほとんどの人はマスターソウルと言うけれど、それ以外だと継承する魂って呼んでる人もいたわね」
シリエの言葉に周りも頷く。キースは話を進める。
「本来魂というのは死んでしまえば朽ちてしまう。当然生前あった知識や人格、経験なんかは消えて無くなるわけだ」
「でもマスターソウルは違う。継承する魂という名のごとく、その人の生前の経験・技術というものが蓄積され、また別の人に宿っていくんだ。つまりいろんな人に受け継がれるだけ、その魂には技術と経験が蓄積されより強力な魂になる。ここまではクライン君は知っているね?」
「えぇ、物心ついた時からどういうわけか知っていました。無意識のうちに魂から引き出した知識だと思います」
ウンウンとキースは頷く。
「恐らくここからが知らない情報だよ。マスターソウルには三つの種類があるんだ。心・技・体の三つだね。"心"は"魔"とも呼ばれたりする」
「それぞれ蓄積する技術の種類を表しているんだよ。"心"は魔術、"技"は武器を扱う技術、"体"は体術のことを指すんだ」
「先程キースさんが言っていたのはその事ですね。クラインさんは武器を扱える"技"のマスターソウルだと」
アリスは先程のやりとりを思い出して口にする。すごくわかりやすい説明のおかげで、全員が理解できている様子だ。
これまで静かに聞いていたダンが、素直な疑問を口にした。
「なんで、三種類に分かれてんだろうな」
「それについては諸説あるけど…一番有力なのは神々が自分たちに匹敵する存在を作らないようにしたためってやつかな」
「神々…?」
ダンが首をかしげる。いきなりスケールの大きな話になってきた。
「そう、神々だよ。元々マスターソウルの始まりは神々が創り与えたものっていう話からくる説だね。知的生命体の中でも取り分け非力だった人間という種族に対して、哀れみでも救済でもない、戯れで与えた魂。それを持ってして人間がどこまで抗えるか楽しんでるなんて話さ」
「ただ、絶大な力を持った神々が他の生命に対して過剰に接触するのはご法度なんだ。それにありとあらゆる経験と知識を積み重ねていけば長い時の中でいずれ自分たちを脅かす存在が生まれてしまう。だから種別を分けて力を限定したんだよ」
「なんだよ、随分と身勝手な連中じゃねぇか」
「まぁ…あくまでそういう説があるってだけさ。僕らに神々の思想なんて理解できないし、理解した時にはきっと人間をやめてしまっているよ」
苦笑いして冗談を言うと、キースはクラインに目を向けて話しかける。
「さて、マスターソウルについてわかったところでクライン君、君がここにきた目的を教えてくれないかな。恐らくマスターソウルに絡んだ話なんだろう?」
「えぇ、もちろん構いません」
クラインは田舎故郷を出て鍛錬の為アスクランを目指していたこと、多種多様なものが行き着くアスクランで冒険者になれば、魂に新しい経験と技術が刻めると確信したこと、そしてダンに誘われたことを話した。
「なるほどね、事情はわかったわ」
真っ先に口を開いたのはシリエだった。
「ダンから聞いてるかもしれないけど、このギルドはちょっと特殊なの。見ての通り人は少ないし…今は依頼で出払ってるけどそれでもあなたを入れたって8人だけなの」
「なぜかと言うと、個人の力量がありすぎるからたくさん冒険者を雇う必要がないのよ」
特殊とはそう言うことか。そこまでは聞いてないぞ!クラインはダンに視線を送る。するとすぐ目をそらされてしまった。
「当然この辺りのギルドはみんな知っているわ。猟犬の牙の名前を知らない冒険者はいないもの。」
「でも商人や農家といった一般の人はほとんど知っている人はいないの。なぜだかわかるかしら」
クラインは首を横に振る。まるで謎々のようで検討もつかない。
「私たちギルドの依頼相手はギルドなの。」
「!!」
そこまで聞いてクラインはハッと息を飲む。
「まさか…腕の立つギルドだと知っている周りのギルドが手に負えない依頼をここに依頼しているから…!?」
シリエはにっこりと微笑むと、再び話し始める。
「話が早くて助かるわ、その通りよ。ウチの冒険者がとびきり腕が立つのは何も偶然じゃない、必然なの」
何てこった!いきなり訪ねたギルドがまさかこんなところだなんて想像もできなかった!
「ダン、あなたが僕を半ば強引に誘ってきたのはこれが理由ですね。ギルド加入者の選別が厳しいから人手不足というわけですか」
「ハハッ、バレちまったか!でもお前の目的を果たすためには、ここは一番の近道だと俺は思うぜ」
「うっ…!」
返す言葉もない、まさにその通りだ。
「どうするクライン君?今ならまだ他のギルドに入るという選択肢もあるわ」
…何を迷う必要がある。意を決して故郷を出た時の気持ちをもう忘れたのか!答えは決まりきっている!
「いえ、僕の心は決まっています。ここの冒険者に…猟犬の牙の一員にしてください!」
わぁっとその場の雰囲気が明るくなる。
「わかったわ。ただ貴方の実力も知っておきたいから、一応入団試験を受けてもらうわね。」
え?
どうやらこれで加入できるわけではないみたいだ。
「ギルドマスター シリエ・ウィルチャードの名において、クライン君、あなたの入団試験を許可するわ!」
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