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第一章
第14話 冒険者になるために
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ここから出ることを第一目標にして、私とメイスは日々鍛錬を重ねながら計画を練っていた。
そんなある日、メイスが提案してきた。
『ユ―リ、ここを出たら冒険者ギルドで冒険者登録をしておこう』
木剣を振る手を止めてメイスを見た。
「……冒険者ギルド?冒険者登録?」
魔法がある世界だから、もしかしてと思っていた。
やっぱりあるんだ。
でも、年齢制限とかはないのだろうか?
気になった私は、正直に疑問をぶつけた。
「年齢制限は?大丈夫なの?」
ラノベでも赤ちゃんや幼児が冒険者登録する話しはあった。
しかし、それはあくまでも物語の流れ上必要な事だっただけで、現実ともなれば話しは変わってくる。
そんな私の心配を余所に、メイスは事もなげに告げた。
『問題ない。冒険者登録と言っても、身寄りのない者や訳アリの者の身分を証明するために登録をすることだってある。身分を証明する物がなければ国境を越えることは出来ない上に、狩った魔物や薬草の買い取りだって正規で扱ってもらえないはずだ。闇で買い取りをしている店もあるが、足元を見て買い叩かれるぞ。だから、冒険者登録はしておけ』
ふむ。
この世界でも身分を証明出来なければ、国境を越えるのも難しいのか。
冒険者登録をするのは身分を証明するためのツ―ルということね。
それはそうと、闇で買い取りをする業者も居るのか。
足元を見られて買い叩かれるのは嫌だなぁ。
冒険者になるには冒険者登録をするのが良さそうだ。
「うん、そうする。その方が自由に冒険出来るんだよね?」
『ああ。この俺が居ればどうとでもなるが、人間には人間の決まり事がある。態々決まり事を破って大事にしても返って揉めるだけだ。目立ちたくないなら大人しく決まり事を守っておいた方がいい』
メイスの口ぶりから、以前揉めた経験があったのを察した。
だからなのか、人間の暮らしにも詳しいのだと今まで感じていた疑問が少しだけ解消した。
それと同時にメイスの説明に説得力があるのも納得した。
「うん、よく理解した。目立ちたくないから大人しくしておく」
木剣を構え直して、日課となった素振りを再開する。
体力作りで始めた素振りだが、今では優に五百回は平気でこなせるまでになっていた。
魔法も中級までなら問題ない。
それもこれも鬼教官メイスのおかげだ。
魔力の制御が安定したので、亜空間収納魔法でお母様が残してくれたドレスや小物もしっかりと収納してある。
これで、いつでもここを出て行っても心残りはない。
頼もしいメイスに指導を受けて、最近ではメキメキと腕が上がるのを肌で感じていた。
「……四百九十九、五百っと。ふぅ……」
新緑が芽吹き始めた頃に記憶が蘇ってから三ヶ月が経ち、段々と日差しが厳しくなってきた。
薄っすらと額に滲んだ汗を袖で拭い、息を吐いて木剣を下ろす。
いつの間にか木の枝に寝そべって様子を眺めていたメイスが、枝から飛び降りて近寄って来た。
『よし。鍛錬はここまでだ。休憩にしよう』
少し前までは休憩と言われるのが待ち遠しかった。
だが、毎日鍛錬を続けていくうちに、もの足りなさを感じ始めていた。
これも鍛錬の成果なのだろうか。
ふと、腕に視線を落とす。
三ヶ月前はやせ細って筋張った腕だったが、豪華な料理と鍛錬のおかげで肉付きは良くなり筋力もかなりついた。
メイスには感謝しかない。
ふふ、と小さく笑みを漏らして顔を上げた。
視線の先には小洒落た白いテ―ブルと椅子を用意したメイスが、艶のある黒い尻尾をゆらゆらと揺らしてテ―ブルの上に座って待っていた。
『どうした?ほら、お前の好物ばかり用意したぞ』
普段は俺様で鬼教官なメイスだけど、時折こうして甘やかしてくれる。
未だ正体の掴めない不可思議なメイスだけど、出会ってから三ヶ月私の傍に居てくれた。
聞きたいことは沢山あるが、私だってメイスに打ち明けていないことがあるからお互い様だろう。
いつか心を開いて話せる日が来たら良いなと、胸に留めて笑みを浮かべた。
そして、日頃の感謝の気持ちを込めてメイスに伝えた。
「うん!ありがとうメイス」
メイスは、ふん、と鼻を鳴らすと、テ―ブルに寝転がって目を閉じた。
そんなある日、メイスが提案してきた。
『ユ―リ、ここを出たら冒険者ギルドで冒険者登録をしておこう』
木剣を振る手を止めてメイスを見た。
「……冒険者ギルド?冒険者登録?」
魔法がある世界だから、もしかしてと思っていた。
やっぱりあるんだ。
でも、年齢制限とかはないのだろうか?
気になった私は、正直に疑問をぶつけた。
「年齢制限は?大丈夫なの?」
ラノベでも赤ちゃんや幼児が冒険者登録する話しはあった。
しかし、それはあくまでも物語の流れ上必要な事だっただけで、現実ともなれば話しは変わってくる。
そんな私の心配を余所に、メイスは事もなげに告げた。
『問題ない。冒険者登録と言っても、身寄りのない者や訳アリの者の身分を証明するために登録をすることだってある。身分を証明する物がなければ国境を越えることは出来ない上に、狩った魔物や薬草の買い取りだって正規で扱ってもらえないはずだ。闇で買い取りをしている店もあるが、足元を見て買い叩かれるぞ。だから、冒険者登録はしておけ』
ふむ。
この世界でも身分を証明出来なければ、国境を越えるのも難しいのか。
冒険者登録をするのは身分を証明するためのツ―ルということね。
それはそうと、闇で買い取りをする業者も居るのか。
足元を見られて買い叩かれるのは嫌だなぁ。
冒険者になるには冒険者登録をするのが良さそうだ。
「うん、そうする。その方が自由に冒険出来るんだよね?」
『ああ。この俺が居ればどうとでもなるが、人間には人間の決まり事がある。態々決まり事を破って大事にしても返って揉めるだけだ。目立ちたくないなら大人しく決まり事を守っておいた方がいい』
メイスの口ぶりから、以前揉めた経験があったのを察した。
だからなのか、人間の暮らしにも詳しいのだと今まで感じていた疑問が少しだけ解消した。
それと同時にメイスの説明に説得力があるのも納得した。
「うん、よく理解した。目立ちたくないから大人しくしておく」
木剣を構え直して、日課となった素振りを再開する。
体力作りで始めた素振りだが、今では優に五百回は平気でこなせるまでになっていた。
魔法も中級までなら問題ない。
それもこれも鬼教官メイスのおかげだ。
魔力の制御が安定したので、亜空間収納魔法でお母様が残してくれたドレスや小物もしっかりと収納してある。
これで、いつでもここを出て行っても心残りはない。
頼もしいメイスに指導を受けて、最近ではメキメキと腕が上がるのを肌で感じていた。
「……四百九十九、五百っと。ふぅ……」
新緑が芽吹き始めた頃に記憶が蘇ってから三ヶ月が経ち、段々と日差しが厳しくなってきた。
薄っすらと額に滲んだ汗を袖で拭い、息を吐いて木剣を下ろす。
いつの間にか木の枝に寝そべって様子を眺めていたメイスが、枝から飛び降りて近寄って来た。
『よし。鍛錬はここまでだ。休憩にしよう』
少し前までは休憩と言われるのが待ち遠しかった。
だが、毎日鍛錬を続けていくうちに、もの足りなさを感じ始めていた。
これも鍛錬の成果なのだろうか。
ふと、腕に視線を落とす。
三ヶ月前はやせ細って筋張った腕だったが、豪華な料理と鍛錬のおかげで肉付きは良くなり筋力もかなりついた。
メイスには感謝しかない。
ふふ、と小さく笑みを漏らして顔を上げた。
視線の先には小洒落た白いテ―ブルと椅子を用意したメイスが、艶のある黒い尻尾をゆらゆらと揺らしてテ―ブルの上に座って待っていた。
『どうした?ほら、お前の好物ばかり用意したぞ』
普段は俺様で鬼教官なメイスだけど、時折こうして甘やかしてくれる。
未だ正体の掴めない不可思議なメイスだけど、出会ってから三ヶ月私の傍に居てくれた。
聞きたいことは沢山あるが、私だってメイスに打ち明けていないことがあるからお互い様だろう。
いつか心を開いて話せる日が来たら良いなと、胸に留めて笑みを浮かべた。
そして、日頃の感謝の気持ちを込めてメイスに伝えた。
「うん!ありがとうメイス」
メイスは、ふん、と鼻を鳴らすと、テ―ブルに寝転がって目を閉じた。
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