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第二章
第91話 英雄の銅像
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「今回は魔物や盗賊に襲われることもなく、無事に王都に着けて良かった。毎回こんな調子だと楽なんだけどなぁ」
そう嬉しそうに声に出したのは、王都までの護衛依頼を受けた三人組の冒険者の一人アレースさん。
アレースさんは二十二歳と若いながらも、数年前から銀級冒険者として活躍しているそうだ。
彼等はアルファイド王国の出身で、ギルドマスターから指名依頼を受けてエストロッジ国へ行っていたそうだ。
無事王都に着いた私達は、アレースさんの案内で冒険者ギルドに向かっていた。
足を止めて振り返ったアレースさんが、私とヒデさんに手招きして言った。
「おっと。そうだ、ユーリ、ヒデ。ちょっとこっちに来てくれ」
手招きされた私達は、首を傾げてお互いの顔を見合わせた。
そんな私達に、アレースさんは笑みを浮かべて理由を教えてくれた。
「ユーリは英雄の銅像が見たいんだろ?ギルドに行くついでに寄るぞ」
アレースさんは乗り合い馬車での会話を聞いていたらしく、英雄の銅像を見せようと考えてくれていたようだ。
私とヒデさんは顔を見合わせたまま同時に声をあげた。
「 「英雄の銅像!!」 」
綺麗にハモッた私達に柔らかく目を細めたアレースさんは、ついて来るように促すと再び歩き始めた。
アレースさんの後に続いて歩いて行くと、広場が視界に飛び込んできた。
広場の中央には大きな銅像が建っている。
きっとあれが英雄の銅像だろう。
アレースさんは足を止めて振り返ると、中央の銅像を指差して言った。
「ほら、あれが英雄の銅像だ。特別な鉱石で造られた銅像だから、三百年経った今でも綺麗な状態で維持されているんだ」
銅像を指差して説明するアレースさんの表情はどこか誇らしげだ。
私は逸る気持ちを抑えてアレースさんの話しに耳を傾けた。
「英雄ショータはこの国の、いや、この世界を魔王の脅威から守ってくれた救世主だ。彼は強いだけでなく、貴賤問わず平等に接したという。それだけの功績を残しながら、彼は王になることを辞退してカミール領の領主になったんだとさ。……本当に凄いよな。彼は俺にとって憧れであり、目標にしたい人なんだ」
中央の銅像を見ながら語るアレースさんの眼差しは、心から英雄を尊敬しているように見える。
アレースさんの説明を聞いて感動していると、肩で静かにしていたメイスがふっと鼻を鳴らした。
『アイツが憧れだと?アイツは束縛されるより自由を好んでいた。お人好しなのは否定しないがな』
ふと漏らしたメイスの声は私にしか届かなかった。
微妙な顔でメイスを見つめていると、アレースさんが話しを続けた。
「さあ、もっと近づいて見てみよう。ここからだとよく見えないだろう?」
アレースさんに促されて、私達は銅像に向かって歩いて行った。
銅像が近づくにつれて段々とその全身像が露になる。
忠実に造られたものかは知らないが、全体的に見て細身なのはすぐに分かった。
英雄というわりには防具は質素な胸当てを着けているだけで、他に特筆するものはない。
しかし、天に掲げた大剣は細身の体で持ち上げるには有り得ないほどに大きい上に、持ち手の部分には石が埋め込まれている。
ジッと眺めていたら、鑑定のスキルが勝手に発動した。
鑑定によると、大剣は『斬魔剣 ポチ』のレプリカらしく、英雄の銅像と大剣の製作者が表示されていた。
「……ポチって」
笑い声が出そうになるのを堪えて呟くと、私の呟きを耳にしたメイスが思い出したように答えた。
『そういえば、あの剣の名前がポチだったな。アイツに名前の由来を聞いたんだが、犬のように付きまとうからだと言っていた。俺には意味が分からなかったのだが、お前には分かるのか?』
ご先祖様!?あんな立派な剣に何て名前をつけたのよ!
私はどう答えたら良いのか分からずに、曖昧に微笑んで話題を逸らそうと口を開きかけた。
しかし、次の瞬間、ヒデさんの驚きに満ちた声で事態は一変した。
そう嬉しそうに声に出したのは、王都までの護衛依頼を受けた三人組の冒険者の一人アレースさん。
アレースさんは二十二歳と若いながらも、数年前から銀級冒険者として活躍しているそうだ。
彼等はアルファイド王国の出身で、ギルドマスターから指名依頼を受けてエストロッジ国へ行っていたそうだ。
無事王都に着いた私達は、アレースさんの案内で冒険者ギルドに向かっていた。
足を止めて振り返ったアレースさんが、私とヒデさんに手招きして言った。
「おっと。そうだ、ユーリ、ヒデ。ちょっとこっちに来てくれ」
手招きされた私達は、首を傾げてお互いの顔を見合わせた。
そんな私達に、アレースさんは笑みを浮かべて理由を教えてくれた。
「ユーリは英雄の銅像が見たいんだろ?ギルドに行くついでに寄るぞ」
アレースさんは乗り合い馬車での会話を聞いていたらしく、英雄の銅像を見せようと考えてくれていたようだ。
私とヒデさんは顔を見合わせたまま同時に声をあげた。
「 「英雄の銅像!!」 」
綺麗にハモッた私達に柔らかく目を細めたアレースさんは、ついて来るように促すと再び歩き始めた。
アレースさんの後に続いて歩いて行くと、広場が視界に飛び込んできた。
広場の中央には大きな銅像が建っている。
きっとあれが英雄の銅像だろう。
アレースさんは足を止めて振り返ると、中央の銅像を指差して言った。
「ほら、あれが英雄の銅像だ。特別な鉱石で造られた銅像だから、三百年経った今でも綺麗な状態で維持されているんだ」
銅像を指差して説明するアレースさんの表情はどこか誇らしげだ。
私は逸る気持ちを抑えてアレースさんの話しに耳を傾けた。
「英雄ショータはこの国の、いや、この世界を魔王の脅威から守ってくれた救世主だ。彼は強いだけでなく、貴賤問わず平等に接したという。それだけの功績を残しながら、彼は王になることを辞退してカミール領の領主になったんだとさ。……本当に凄いよな。彼は俺にとって憧れであり、目標にしたい人なんだ」
中央の銅像を見ながら語るアレースさんの眼差しは、心から英雄を尊敬しているように見える。
アレースさんの説明を聞いて感動していると、肩で静かにしていたメイスがふっと鼻を鳴らした。
『アイツが憧れだと?アイツは束縛されるより自由を好んでいた。お人好しなのは否定しないがな』
ふと漏らしたメイスの声は私にしか届かなかった。
微妙な顔でメイスを見つめていると、アレースさんが話しを続けた。
「さあ、もっと近づいて見てみよう。ここからだとよく見えないだろう?」
アレースさんに促されて、私達は銅像に向かって歩いて行った。
銅像が近づくにつれて段々とその全身像が露になる。
忠実に造られたものかは知らないが、全体的に見て細身なのはすぐに分かった。
英雄というわりには防具は質素な胸当てを着けているだけで、他に特筆するものはない。
しかし、天に掲げた大剣は細身の体で持ち上げるには有り得ないほどに大きい上に、持ち手の部分には石が埋め込まれている。
ジッと眺めていたら、鑑定のスキルが勝手に発動した。
鑑定によると、大剣は『斬魔剣 ポチ』のレプリカらしく、英雄の銅像と大剣の製作者が表示されていた。
「……ポチって」
笑い声が出そうになるのを堪えて呟くと、私の呟きを耳にしたメイスが思い出したように答えた。
『そういえば、あの剣の名前がポチだったな。アイツに名前の由来を聞いたんだが、犬のように付きまとうからだと言っていた。俺には意味が分からなかったのだが、お前には分かるのか?』
ご先祖様!?あんな立派な剣に何て名前をつけたのよ!
私はどう答えたら良いのか分からずに、曖昧に微笑んで話題を逸らそうと口を開きかけた。
しかし、次の瞬間、ヒデさんの驚きに満ちた声で事態は一変した。
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