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第二章
第115話 家探し
翌日から、拠点となる家探しが始まった。
冒険者ギルドに寄って家を探していると受付の女性に伝えると、奥から書類を数枚持ってきて説明をしてくれた。
「うちは主に冒険者に向けて家の貸し出しをしております。ただし、家を購入される場合は商業ギルドを通していただくことになります。こちらが現在うちで取り扱っている物件になります」
そう言って書類を手渡された私は、書類に目を通す。
アパートメントのようなものから一軒家まで取り扱っていたことに驚いたが、それらは全部賃貸ということか。
家を購入するとしたらいくら掛かるのか気になる。
私は書類を見せてヒデさんに問いかけた。
「ねぇ、ここで扱っているのは賃貸物件だけなんだって。家を購入したければ商業ギルドに行かないといけないみたいだけど、ヒデさんはどっちが良い?」
「……う~ん。いきなり家を買っても、そこが良い環境か分からないからなぁ……。それに、家を買うって言ってもお金の問題もあるし、先ずは賃貸で様子見が良くない?」
もっともな意見に私も頷く。
簡単に家を買うと言っても私には相場が分からないし、もし足元を見られて値段をつり上げられたらたまったものではない。
再び書類に視線を向けて手頃な物件がないか探す。
書類をめくっていたら、ある書類で手が止まる。
二階建ての一軒家か。
間取り図を見ても日本とほとんど変わらない。
金額が高いのか安いのか分からないが、それも場所次第だろう。
私はその書類をヒデさんに見せて言った。
「ヒデさん。ここなんだけど、どうかな?」
どれどれといった様子で書類を覗き込んだヒデさんがじっくりと書類を眺めた後、顔を上げて目を輝かせて答えた。
「わぁ!戸建て?賃貸で戸建てってすごい気になる。見てみたい!」
ヒデさんも一軒家に魅力を感じたのか、急にテンションが上がってきたようだ。
私達のやり取りを静かに見守っていた受付の女性が、ニッコリと微笑んで口を開いた。
「気になるようでしたら実際に足を運んで見ていただくことも可能ですが、如何いたしますか?」
おぉ!こっちの世界でも内見させてもらえるのか。
それはありがたい。
私はヒデさんの意思を確認する前に返事をしていた。
「ぜひ、見せてください」
そんなわけで、私達はその一軒家を見に行くことになった。
女性の案内で一軒家に向かう。
冒険者ギルドからそう遠くない場所にその家は建っていた。
白壁に赤い屋根の二階建ての家を目にした瞬間、一瞬で心を奪われた。
立地も申し分ない。
家に見惚れていると、女性が振り返って説明をし始めた。
「こちらの家は街の中心部から少し離れていますが、冒険者ギルドに近いので冒険者には非常に重宝されています。最近までとある冒険者の方々がご利用になられておりましたが、ここより大きな家に引越しされましたのでお客様にご紹介させていただきました。今なら家具もついていますのでお勧めです。あと、広くはありませんが裏庭もございます。では、中に入りましょう」
へぇ、家具に裏庭かぁ。
もうここで決まりで良くない?
そう思いながらも女性が開けてくれた扉を潜り中に入る。
「うわぁ……広い」
思わず感嘆の声が漏れる。
扉を開けた先に見えたのは広々としたリビングだった。
家具はどれも温かみのある木製の物がメインで、シンプルながらもセンスの良さを感じた。
居心地の良さそうな空間に、私だけでなくヒデさんも満足そうだ。
一階はキッチン、リビング、トイレが設置されており、二階には部屋が三つある。
三つあるなら一つを物置にして使えそうだ。
二階からは裏庭も見えるし、ブロンを放し飼いにしても問題はないだろう。
ただ、一つだけ気になるのはお風呂が無いことだ。
生活魔法の中に清浄魔法があるから清潔に保てるけど、やっぱりお風呂が欲しい。
まあ、それはいずれ何とかしよう。
私はヒデさんに声をかけた。
「ヒデさん、ここに決めようと思うんだけど、どうかな?」
「冒険者ギルドに近いし裏庭もあるし、僕もここ気に入ったよ。どうするかはユーリさんに任せるよ」
どうやらヒデさんもこの家が気に入ったようだ。
それなら早速契約を済ませてしまおう。
私は女性にこの家を借りる旨を伝えて、契約を結ぶ手続きを粛々と進めた。
冒険者ギルドに寄って家を探していると受付の女性に伝えると、奥から書類を数枚持ってきて説明をしてくれた。
「うちは主に冒険者に向けて家の貸し出しをしております。ただし、家を購入される場合は商業ギルドを通していただくことになります。こちらが現在うちで取り扱っている物件になります」
そう言って書類を手渡された私は、書類に目を通す。
アパートメントのようなものから一軒家まで取り扱っていたことに驚いたが、それらは全部賃貸ということか。
家を購入するとしたらいくら掛かるのか気になる。
私は書類を見せてヒデさんに問いかけた。
「ねぇ、ここで扱っているのは賃貸物件だけなんだって。家を購入したければ商業ギルドに行かないといけないみたいだけど、ヒデさんはどっちが良い?」
「……う~ん。いきなり家を買っても、そこが良い環境か分からないからなぁ……。それに、家を買うって言ってもお金の問題もあるし、先ずは賃貸で様子見が良くない?」
もっともな意見に私も頷く。
簡単に家を買うと言っても私には相場が分からないし、もし足元を見られて値段をつり上げられたらたまったものではない。
再び書類に視線を向けて手頃な物件がないか探す。
書類をめくっていたら、ある書類で手が止まる。
二階建ての一軒家か。
間取り図を見ても日本とほとんど変わらない。
金額が高いのか安いのか分からないが、それも場所次第だろう。
私はその書類をヒデさんに見せて言った。
「ヒデさん。ここなんだけど、どうかな?」
どれどれといった様子で書類を覗き込んだヒデさんがじっくりと書類を眺めた後、顔を上げて目を輝かせて答えた。
「わぁ!戸建て?賃貸で戸建てってすごい気になる。見てみたい!」
ヒデさんも一軒家に魅力を感じたのか、急にテンションが上がってきたようだ。
私達のやり取りを静かに見守っていた受付の女性が、ニッコリと微笑んで口を開いた。
「気になるようでしたら実際に足を運んで見ていただくことも可能ですが、如何いたしますか?」
おぉ!こっちの世界でも内見させてもらえるのか。
それはありがたい。
私はヒデさんの意思を確認する前に返事をしていた。
「ぜひ、見せてください」
そんなわけで、私達はその一軒家を見に行くことになった。
女性の案内で一軒家に向かう。
冒険者ギルドからそう遠くない場所にその家は建っていた。
白壁に赤い屋根の二階建ての家を目にした瞬間、一瞬で心を奪われた。
立地も申し分ない。
家に見惚れていると、女性が振り返って説明をし始めた。
「こちらの家は街の中心部から少し離れていますが、冒険者ギルドに近いので冒険者には非常に重宝されています。最近までとある冒険者の方々がご利用になられておりましたが、ここより大きな家に引越しされましたのでお客様にご紹介させていただきました。今なら家具もついていますのでお勧めです。あと、広くはありませんが裏庭もございます。では、中に入りましょう」
へぇ、家具に裏庭かぁ。
もうここで決まりで良くない?
そう思いながらも女性が開けてくれた扉を潜り中に入る。
「うわぁ……広い」
思わず感嘆の声が漏れる。
扉を開けた先に見えたのは広々としたリビングだった。
家具はどれも温かみのある木製の物がメインで、シンプルながらもセンスの良さを感じた。
居心地の良さそうな空間に、私だけでなくヒデさんも満足そうだ。
一階はキッチン、リビング、トイレが設置されており、二階には部屋が三つある。
三つあるなら一つを物置にして使えそうだ。
二階からは裏庭も見えるし、ブロンを放し飼いにしても問題はないだろう。
ただ、一つだけ気になるのはお風呂が無いことだ。
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まあ、それはいずれ何とかしよう。
私はヒデさんに声をかけた。
「ヒデさん、ここに決めようと思うんだけど、どうかな?」
「冒険者ギルドに近いし裏庭もあるし、僕もここ気に入ったよ。どうするかはユーリさんに任せるよ」
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