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第25話 父とカルラ
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カルラさんとクッキーを摘まみ、会話が弾んできた所で、父が戻って来た。
「お待たせして申し訳ありません。ミリー、話しはちゃんと出来たか?」
開口一番謝罪をした後、私の隣に座った父は優しい声で尋ねる。
「はい、了承してもらいました」
父に満面の笑みで答える私に、そうかと、優しく頭を撫でる。
そんな私達のやり取りを、目を細めて微笑ましく見守るカルラさん。
後は大人同士で話しがあるからと退室を促された私は、軽く会釈をすると応接室を後にした。
応接室では父とカルラさんがテーブルを挟み、若干固い表情でメリダさんの淹れたハーブティーを無言で飲んでいた。
「このお茶はハーブティーと仰るんですね。それにハーブクッキー。長いこと生きて来ましたが、初めて口にしました。ミリアーナさんは何処でこのような知識を得たのでしょう」
彼女、カルラはディアナの祖父の代には既にウォーレン領で薬師をしていた。
彼女の生い立ちや詳細は、誰も知らないと言う。
いや、知る必要はない。
彼女は薬師としてウォーレン領を長く守ってきたのだから。
ディアナの祖父は、彼女について詮索はするなと言っていたらしい。
藪をつついて蛇を出すのは愚か者のすることだ。
それに彼女は穏やかで人を害すようなタイプではない。
そう思ったからこそ、ミリアーナの教師として相談したのだから。
「カルラ殿にならお話ししても大丈夫だと信じていますが、今から話す内容は他言無用でお願いします。あの娘もそれを望んでいますから。お約束して頂けますか?」
両手を膝の上で組み真っ直ぐカルラの目を見つめた。
カルラはハーブティーをゆっくり一口飲むと、返事をした。
「えぇ、事情は察しています。ここ数年のハーベスト領は破竹の勢いで繁栄していますもの。あまり外に出ない私の耳にも入ってくるくらいですから。ミリアーナさんのことはお任せください」
これ以上の説明はいらないとばかりに、カップに口を付けた。
カルラ自身詮索されるのを好まないのでマリウスはほっと胸を撫で下ろした。
「感謝いたします」
マリウスはスッと背筋を正すと深々と頭を下げた。
「伯爵様、頭をお上げください。ミリアーナさんは賢い娘です。基本さえ押さえれば応用してより良くしていくと私は思っております。ですが、まだ未成年です。時間を掛けてゆっくり大人になっていってほしいとも思っているのです。お節介だと分かっていますが、どうぞ大切になさってください」
カルラに言われるまでマリウスは忘れていた。
ミリアーナがまだ十三歳の少女だということを。
自分はどうやら彼女に頼り切っていたようだ。情けない父親だな。
自然と項垂れていた。
「……はい、お恥ずかしい限りです」
「ふふ、反省してるならもう言うことはないわ。私は一旦ウォーレン領へ戻ります。弟子に暫く店を空けることを伝えないと。一月後からゆっくり始めましょう」
片手を頬に当て人差し指でトントンとリズムよく頬を叩くとそう告げた。
「はい、ミリアーナのこと、よろしくお願いします」
マリウスはソファから立ち上がるともう一度しっかりと頭を下げた。
「お待たせして申し訳ありません。ミリー、話しはちゃんと出来たか?」
開口一番謝罪をした後、私の隣に座った父は優しい声で尋ねる。
「はい、了承してもらいました」
父に満面の笑みで答える私に、そうかと、優しく頭を撫でる。
そんな私達のやり取りを、目を細めて微笑ましく見守るカルラさん。
後は大人同士で話しがあるからと退室を促された私は、軽く会釈をすると応接室を後にした。
応接室では父とカルラさんがテーブルを挟み、若干固い表情でメリダさんの淹れたハーブティーを無言で飲んでいた。
「このお茶はハーブティーと仰るんですね。それにハーブクッキー。長いこと生きて来ましたが、初めて口にしました。ミリアーナさんは何処でこのような知識を得たのでしょう」
彼女、カルラはディアナの祖父の代には既にウォーレン領で薬師をしていた。
彼女の生い立ちや詳細は、誰も知らないと言う。
いや、知る必要はない。
彼女は薬師としてウォーレン領を長く守ってきたのだから。
ディアナの祖父は、彼女について詮索はするなと言っていたらしい。
藪をつついて蛇を出すのは愚か者のすることだ。
それに彼女は穏やかで人を害すようなタイプではない。
そう思ったからこそ、ミリアーナの教師として相談したのだから。
「カルラ殿にならお話ししても大丈夫だと信じていますが、今から話す内容は他言無用でお願いします。あの娘もそれを望んでいますから。お約束して頂けますか?」
両手を膝の上で組み真っ直ぐカルラの目を見つめた。
カルラはハーブティーをゆっくり一口飲むと、返事をした。
「えぇ、事情は察しています。ここ数年のハーベスト領は破竹の勢いで繁栄していますもの。あまり外に出ない私の耳にも入ってくるくらいですから。ミリアーナさんのことはお任せください」
これ以上の説明はいらないとばかりに、カップに口を付けた。
カルラ自身詮索されるのを好まないのでマリウスはほっと胸を撫で下ろした。
「感謝いたします」
マリウスはスッと背筋を正すと深々と頭を下げた。
「伯爵様、頭をお上げください。ミリアーナさんは賢い娘です。基本さえ押さえれば応用してより良くしていくと私は思っております。ですが、まだ未成年です。時間を掛けてゆっくり大人になっていってほしいとも思っているのです。お節介だと分かっていますが、どうぞ大切になさってください」
カルラに言われるまでマリウスは忘れていた。
ミリアーナがまだ十三歳の少女だということを。
自分はどうやら彼女に頼り切っていたようだ。情けない父親だな。
自然と項垂れていた。
「……はい、お恥ずかしい限りです」
「ふふ、反省してるならもう言うことはないわ。私は一旦ウォーレン領へ戻ります。弟子に暫く店を空けることを伝えないと。一月後からゆっくり始めましょう」
片手を頬に当て人差し指でトントンとリズムよく頬を叩くとそう告げた。
「はい、ミリアーナのこと、よろしくお願いします」
マリウスはソファから立ち上がるともう一度しっかりと頭を下げた。
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