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第一章 新生活と新天地
第四話 お宝は汚部屋の中に
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「イヤッホー! 退け退けー! 勇者様のお通りだー!」と、テンションの上がった俺は再び声にならない声を上げ移動していた。
天井に入って床から出る。そしてまた天井へ入って行く。これを繰り返し移動しているおかげで誰にも会うことなく、順調に偉そうな人がいると予想している建物の上へと向かっていた。途中、あまりにも順調に進みすぎて少しだけ調子に乗ってしまったのだ。
しかし、すぐに本来の目的を思い出し偉そうな人を探す。予想通り偉い人は上層階が好きなのだろう。偉そうにしている人をすぐに見つけられた。
その人物は頭頂部に一掴みの金髪を残すも、他の毛という毛の全てを削ぎ落としたかのようなつるつるで丸い頭に、段差ができるほどに肥え太った体をした人物だった。表情は嘘くさい笑顔を貼り付け、気味の悪いニコニコ顔をしていた。さらに、白い神官服を身に纏っていたことで鏡餅のように見え、少しだけ地球に対する懐かしさがよぎる。
あの太り具合はきっと教会の幹部だろう。俺を召喚した奴らも、四人中三人がデブだったからな。この世界の教会幹部は、デブであることがステータスだと思っていそうだ。まぁスキルの実験台になってくれるなら、デブでも一向に構わない。むしろ心が痛まずに済む。きっと贅沢太りだろうし。
俺は人探しの合間に、もう一つの【霊力】について検証していた。というのも、今から使う予定のスキルは霊力の使用が不可欠だからだ。そして俺が出した結論は、人間が魔力を使う感覚が霊力の使い方だと思い至ったのである。
魔力が体を動かす感覚なら、霊力は魔力ということになるはず。だが地球人である俺は魔力の使い方を知らない。どうしたものかと考えていると、魔力を使っているときに魔力とは違う何かが魂の内側にあることに気づいた。
そしてそれこそが、霊力だったのだ。
霊力が使えるのなら、スキルを試してみたいと思ったのだ。さらに目的の場所を見つけるためにもスキルの使用は不可欠。一石二鳥ということで、鏡餅のおっちゃんを実験台にすることに決めた。
つるつるの頭に失礼して、いざ実験開始。
――《読取》。
「ぐがぁぁあぁあっ……あっ……あっ……!」
変な声を出すなよ。気持ち悪いな。俺の魂を剥がされる痛みに比べれば、魂に触れられるくらい屁でもないだろうに。
魂に直接触れることを条件に、魂に刻まれたあらゆる情報を読み取ることが可能なスキル、《読取》。
どうやら被験者には相当な負担がかかるようだ。それもそのはずで、人間を構成する肉体、精神、魂という三大要素の内の一つに触れているのである。一つ間違えば鏡餅のおっちゃんの命の灯火が消えてしまうかもしれない行為に、負担がないわけがないのである。
それに加え、おそらく今回が初めての使用というのも関係しているのだろうが。ともあれ、俺の目的の情報を読み取ることができたことで、無駄な犠牲にならずに済んだのである。
鏡餅のおっちゃん、ご苦労さん。
スキルを解除した直後、その場で気を失ってしまった肥満神官に一応労いの言葉を掛け、俺は再びご機嫌で移動を始めるのだった。そして目的地までの移動の間も誰にも会うことなく、順調に目的地に到着したのだった。
目的の場所とは図書館である。正確には図書館に偽装した宝物庫である。それにしても図書館に宝物庫があるのは僥倖だった。この世界のことを知るための資料を探すには図書館が一番だからだ。
でもその前に宝物庫である。お宝は片っ端から全てもらっていく予定だ。人を拉致ってすぐ殺すという無意味な行為をした慰謝料だと思えば、遠慮する気も起きない。
俺は宝物庫に入ると目的の物を最優先で探す。そこそこの大きさなのだが、なかなか見つからない。というのも、宝物庫が汚すぎて探しにくいのだ。例えば、一対のイヤリングが部屋の隅に一つと飾り棚に一つという具合である。
イライラしながらもようやく見つけることができた物は、フルプレートアーマーである。数十キロはあるだろう鎧だが、肉体がない俺には関係ない。《念動魔法》で動かせば、魔力が続く限り動かせるはずだ。
それに隙間なく金属で固められていれば、正体を晒さなくて済むという効果がある。他にも色々あるが弱点もあることは間違いない。そして早くもそれに気づいてしまった。
目立つよな。しかも宝物庫にあった鎧を着て歩いてたら、自分が盗みましたって宣伝してるみたいで馬鹿以外の言葉が見つからない。
それにフルプレートアーマーを着るなら、重量を増やさないとすぐにバレる。というのも、数十キロあるフルプレートアーマーだが、持ち上げる強者はいるだろう。でもその中に同じ重量の人間が入れば持ち上げられることもないし、重心移動も簡単にできるのだ。その重さや重心移動で攻撃力が増すのである。
そこで思ったのが、俺は魂だから重量はない。重心移動もしにくい。つまり、目立ちすぎる上に実力もないように見られたら、あっという間に身包み剥がされて捨てられる。全裸の俺を。
フルプレートアーマーでリビングアーマーをやってみたかったけど、ここにあるものを使うなら装飾を変えなければ、面倒なことになること間違いない。
とりあえずリビングアーマーのことは保留にして、宝の回収作業に移ろう。
この世界『レガシル』は硬貨による取引らしく、宝物庫内を見渡す限りでは七種類の硬貨があった。どれがどれほどの価値があり、日本円に換算されるかは分からなかったため手当たり次第にしまっていた。しかし、ここで初めて【異空間倉庫】の欠点に気づいた。
異空間倉庫の許容量は十種類である。
つまり、七種類の硬貨を入れると七つも埋まってしまうのだ。それでも七種類の硬貨をまとめて入れても自動で振り分けしてくれるのは楽でいいと思う。
あの創造神のことだから普通のスキルではないと思っていたけど、十種類っていうのが気になるな。同じ扱いになればいいのなら、箱や袋に入れた物も一種類と判断してくれるのだろうか。
疑問と不安が残ったままだがとりあえず試してみよう。
――結論、できた。
この部屋で一番巨体な箱を持ってきて、巨体な箱の中に六つの大きな箱を入れる。六つの大きな箱を入れると、ぴっちりと隙間なく埋まる。その六つの大きな箱にそれぞれ硬貨を入れていく。ただ六つのうちの一つは高額硬貨専用であるため、数が少ない種類の硬貨を入れておいた。
途中、革袋にいくつかの硬貨を移しておいた。これは財布である。大金の入った木箱を毎回衆目にさらすと、絶対に問題が起きるだろうからだ。
この方法が最適だったようで、次々と宝物庫の物を収納していくのだった。
天井に入って床から出る。そしてまた天井へ入って行く。これを繰り返し移動しているおかげで誰にも会うことなく、順調に偉そうな人がいると予想している建物の上へと向かっていた。途中、あまりにも順調に進みすぎて少しだけ調子に乗ってしまったのだ。
しかし、すぐに本来の目的を思い出し偉そうな人を探す。予想通り偉い人は上層階が好きなのだろう。偉そうにしている人をすぐに見つけられた。
その人物は頭頂部に一掴みの金髪を残すも、他の毛という毛の全てを削ぎ落としたかのようなつるつるで丸い頭に、段差ができるほどに肥え太った体をした人物だった。表情は嘘くさい笑顔を貼り付け、気味の悪いニコニコ顔をしていた。さらに、白い神官服を身に纏っていたことで鏡餅のように見え、少しだけ地球に対する懐かしさがよぎる。
あの太り具合はきっと教会の幹部だろう。俺を召喚した奴らも、四人中三人がデブだったからな。この世界の教会幹部は、デブであることがステータスだと思っていそうだ。まぁスキルの実験台になってくれるなら、デブでも一向に構わない。むしろ心が痛まずに済む。きっと贅沢太りだろうし。
俺は人探しの合間に、もう一つの【霊力】について検証していた。というのも、今から使う予定のスキルは霊力の使用が不可欠だからだ。そして俺が出した結論は、人間が魔力を使う感覚が霊力の使い方だと思い至ったのである。
魔力が体を動かす感覚なら、霊力は魔力ということになるはず。だが地球人である俺は魔力の使い方を知らない。どうしたものかと考えていると、魔力を使っているときに魔力とは違う何かが魂の内側にあることに気づいた。
そしてそれこそが、霊力だったのだ。
霊力が使えるのなら、スキルを試してみたいと思ったのだ。さらに目的の場所を見つけるためにもスキルの使用は不可欠。一石二鳥ということで、鏡餅のおっちゃんを実験台にすることに決めた。
つるつるの頭に失礼して、いざ実験開始。
――《読取》。
「ぐがぁぁあぁあっ……あっ……あっ……!」
変な声を出すなよ。気持ち悪いな。俺の魂を剥がされる痛みに比べれば、魂に触れられるくらい屁でもないだろうに。
魂に直接触れることを条件に、魂に刻まれたあらゆる情報を読み取ることが可能なスキル、《読取》。
どうやら被験者には相当な負担がかかるようだ。それもそのはずで、人間を構成する肉体、精神、魂という三大要素の内の一つに触れているのである。一つ間違えば鏡餅のおっちゃんの命の灯火が消えてしまうかもしれない行為に、負担がないわけがないのである。
それに加え、おそらく今回が初めての使用というのも関係しているのだろうが。ともあれ、俺の目的の情報を読み取ることができたことで、無駄な犠牲にならずに済んだのである。
鏡餅のおっちゃん、ご苦労さん。
スキルを解除した直後、その場で気を失ってしまった肥満神官に一応労いの言葉を掛け、俺は再びご機嫌で移動を始めるのだった。そして目的地までの移動の間も誰にも会うことなく、順調に目的地に到着したのだった。
目的の場所とは図書館である。正確には図書館に偽装した宝物庫である。それにしても図書館に宝物庫があるのは僥倖だった。この世界のことを知るための資料を探すには図書館が一番だからだ。
でもその前に宝物庫である。お宝は片っ端から全てもらっていく予定だ。人を拉致ってすぐ殺すという無意味な行為をした慰謝料だと思えば、遠慮する気も起きない。
俺は宝物庫に入ると目的の物を最優先で探す。そこそこの大きさなのだが、なかなか見つからない。というのも、宝物庫が汚すぎて探しにくいのだ。例えば、一対のイヤリングが部屋の隅に一つと飾り棚に一つという具合である。
イライラしながらもようやく見つけることができた物は、フルプレートアーマーである。数十キロはあるだろう鎧だが、肉体がない俺には関係ない。《念動魔法》で動かせば、魔力が続く限り動かせるはずだ。
それに隙間なく金属で固められていれば、正体を晒さなくて済むという効果がある。他にも色々あるが弱点もあることは間違いない。そして早くもそれに気づいてしまった。
目立つよな。しかも宝物庫にあった鎧を着て歩いてたら、自分が盗みましたって宣伝してるみたいで馬鹿以外の言葉が見つからない。
それにフルプレートアーマーを着るなら、重量を増やさないとすぐにバレる。というのも、数十キロあるフルプレートアーマーだが、持ち上げる強者はいるだろう。でもその中に同じ重量の人間が入れば持ち上げられることもないし、重心移動も簡単にできるのだ。その重さや重心移動で攻撃力が増すのである。
そこで思ったのが、俺は魂だから重量はない。重心移動もしにくい。つまり、目立ちすぎる上に実力もないように見られたら、あっという間に身包み剥がされて捨てられる。全裸の俺を。
フルプレートアーマーでリビングアーマーをやってみたかったけど、ここにあるものを使うなら装飾を変えなければ、面倒なことになること間違いない。
とりあえずリビングアーマーのことは保留にして、宝の回収作業に移ろう。
この世界『レガシル』は硬貨による取引らしく、宝物庫内を見渡す限りでは七種類の硬貨があった。どれがどれほどの価値があり、日本円に換算されるかは分からなかったため手当たり次第にしまっていた。しかし、ここで初めて【異空間倉庫】の欠点に気づいた。
異空間倉庫の許容量は十種類である。
つまり、七種類の硬貨を入れると七つも埋まってしまうのだ。それでも七種類の硬貨をまとめて入れても自動で振り分けしてくれるのは楽でいいと思う。
あの創造神のことだから普通のスキルではないと思っていたけど、十種類っていうのが気になるな。同じ扱いになればいいのなら、箱や袋に入れた物も一種類と判断してくれるのだろうか。
疑問と不安が残ったままだがとりあえず試してみよう。
――結論、できた。
この部屋で一番巨体な箱を持ってきて、巨体な箱の中に六つの大きな箱を入れる。六つの大きな箱を入れると、ぴっちりと隙間なく埋まる。その六つの大きな箱にそれぞれ硬貨を入れていく。ただ六つのうちの一つは高額硬貨専用であるため、数が少ない種類の硬貨を入れておいた。
途中、革袋にいくつかの硬貨を移しておいた。これは財布である。大金の入った木箱を毎回衆目にさらすと、絶対に問題が起きるだろうからだ。
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