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<うさぎの楽器やさん>のお話
3 冬桜の枝
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その、ふえが、なぜ売れずに残っていたかというと、
うさぎの楽器やさんには、少々、心当たりがありました。
特にどこが、とは、言えないのですが、
なんとなく、気味が悪いのです。
見た目が、醜いわけでもなく、
むしろ、美しく、
まっすぐで、するすると手ざわりのいい、細長い枝を削って作った横笛で、
吹き口の反対、つまり息の出口側には、
ひこばえが伸びています。
要するに、生きているのです。
その枝元は、冬桜の木で、
透明感のある、うすいピンクの一重の花を、まだ寒い冬のうちに咲かせ、
春になる頃には、花の後に、
ガラス細工のような、明るい黄緑の葉を芽吹きます。
そんな、枝から作られた ふえが、
どうして気味が悪いのかと思うでしょう。
どんな物も、
人も、動物もですが、
生まれてから今までの間に、
いろんな経験をしています。
楽しい経験もあれば、
辛い経験もあるのです。
そのふえがつくられた枝も、
木に生えている時か、切られてからか、
うさぎの楽器やさんにはわかりませんが、
なんらかの経験をしているのでしょう。
見た目とは異なる、不安な物が宿っているように感じるのです。
そのせいで、あまりそばに置きたくないと、思うかもしれません。
それが、楽器の持つ性格だとしたら、
つきあいにくい性格ということになります。
うさぎの楽器やさんは、それでも、
このふえに合った性格のお客さんが、
きっと、どこかにいると、信じ続けてきました。
「この枝は、ふえになりたがっていた。」
うさぎの楽器やさんは、楽器をつくるための材料を手に入れたときに、
材料の特徴を見きわめて、それに合った楽器をつくるのですが、
まれに、
材料そのものが、なんの楽器になりたがっているか、わかる時があります。
冬桜の枝をふえに仕立てたのは、
楽器やさんになったばかりの、若いうさぎの頃でした。
でも、そのふえを選ぶ買い手は、
ずっと、いなかった。
そして、今ここに、やまねこの男の子が現れたというわけです。
うさぎの楽器やさんには、少々、心当たりがありました。
特にどこが、とは、言えないのですが、
なんとなく、気味が悪いのです。
見た目が、醜いわけでもなく、
むしろ、美しく、
まっすぐで、するすると手ざわりのいい、細長い枝を削って作った横笛で、
吹き口の反対、つまり息の出口側には、
ひこばえが伸びています。
要するに、生きているのです。
その枝元は、冬桜の木で、
透明感のある、うすいピンクの一重の花を、まだ寒い冬のうちに咲かせ、
春になる頃には、花の後に、
ガラス細工のような、明るい黄緑の葉を芽吹きます。
そんな、枝から作られた ふえが、
どうして気味が悪いのかと思うでしょう。
どんな物も、
人も、動物もですが、
生まれてから今までの間に、
いろんな経験をしています。
楽しい経験もあれば、
辛い経験もあるのです。
そのふえがつくられた枝も、
木に生えている時か、切られてからか、
うさぎの楽器やさんにはわかりませんが、
なんらかの経験をしているのでしょう。
見た目とは異なる、不安な物が宿っているように感じるのです。
そのせいで、あまりそばに置きたくないと、思うかもしれません。
それが、楽器の持つ性格だとしたら、
つきあいにくい性格ということになります。
うさぎの楽器やさんは、それでも、
このふえに合った性格のお客さんが、
きっと、どこかにいると、信じ続けてきました。
「この枝は、ふえになりたがっていた。」
うさぎの楽器やさんは、楽器をつくるための材料を手に入れたときに、
材料の特徴を見きわめて、それに合った楽器をつくるのですが、
まれに、
材料そのものが、なんの楽器になりたがっているか、わかる時があります。
冬桜の枝をふえに仕立てたのは、
楽器やさんになったばかりの、若いうさぎの頃でした。
でも、そのふえを選ぶ買い手は、
ずっと、いなかった。
そして、今ここに、やまねこの男の子が現れたというわけです。
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