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祝福と呪い
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「どうして君のことを素晴らしい女性だなんて思ってたのか自分でも理解が出来ない。まるで呪いに掛かっていたみたいな気分だよ。今は晴れやかな気分だ、目の前に君が居ること以外はね」
「ご、ごめんなさい。すぐに行きますので……」
言うと私は振り返り貴族の令嬢にはそぐわない速足でその場を後にする
「全く、他の連中もどうして君みたいな女を……私も人のことは言えないか。とにかく! もう二度と話しかけないでくれ!いや、近寄らないで欲しいな」
もうそれほど近くはないはずなのにさっきまで談笑をしていたはずの伯爵令息の怒声が耳に入る
やっってしまった。コレで三度目だ……卒業が近くなって油断してしまったのかもしれない。彼への好意が基準を超えてしまった
もう、二度と人を好きにならないと決めたはずなのに……
彼は呪いが解けたと言ったけど、逆なの。祝福が解けて呪いに掛かってしまったの。私にとっては、どちらも呪いのようなものだけれど
私の生きる世界では稀に祝福とか呪いとか、人とはちょっと違った力を持ってしまう人間がいる
そして私は、祝福を持つ幸運な人間であり、同時に呪いを持つ不幸な人間でもある
「誰からも好かれる祝福」と「私が好きになった人から嫌われる呪い」を、私は持っている
だから私は多くの人に好かれて幸せであり、本当に好かれたい人からは嫌われる不幸せでもあるんだ
先ほど私に怒声を浴びせた彼は悪くない。ただ私が振り撒く呪いに掛かっただけ。私は、人を好きになってはいけない人間なのに
「クラリス!……クラリスどうしたの?顔真っ青だよ、なにかあった?」
友人のセレスが声を掛けてくれたことで、ネガティブな思考の渦から現実に戻る。きっと表情は幽鬼のようだったのだろう
「セレス、ううん、なんでもないよ。ただちょっと気分がすぐれないだけ。でもそうね、今日はもう……帰るわ」
「クラリス?もしかして、ってここじゃ話せないか。私も今日は早く帰るわ。マリー!クラリスの体調が悪いみたいだから今日は帰るわ。
私も付き添いで一緒に帰ったと先生に伝えておいてもらえる?」
セレスの家と私の家は貴族街でお隣同士、一緒に帰るのに不自然さはないけど、ちょっとセレスに悪いなぁ。
迎えが来る時間でもないし貴族の女子二人で危なくないかな?とも思えるけど、私の祝福があれば大丈夫
例え悪い人が現れても私がお願いすればきっと助けてくれるわ。人に好かれる祝福は護身には最適ね
セレスの気遣いに少しだけ気分も晴れてくる。本当に、本当に優しい私の幼馴染だ
「ご、ごめんなさい。すぐに行きますので……」
言うと私は振り返り貴族の令嬢にはそぐわない速足でその場を後にする
「全く、他の連中もどうして君みたいな女を……私も人のことは言えないか。とにかく! もう二度と話しかけないでくれ!いや、近寄らないで欲しいな」
もうそれほど近くはないはずなのにさっきまで談笑をしていたはずの伯爵令息の怒声が耳に入る
やっってしまった。コレで三度目だ……卒業が近くなって油断してしまったのかもしれない。彼への好意が基準を超えてしまった
もう、二度と人を好きにならないと決めたはずなのに……
彼は呪いが解けたと言ったけど、逆なの。祝福が解けて呪いに掛かってしまったの。私にとっては、どちらも呪いのようなものだけれど
私の生きる世界では稀に祝福とか呪いとか、人とはちょっと違った力を持ってしまう人間がいる
そして私は、祝福を持つ幸運な人間であり、同時に呪いを持つ不幸な人間でもある
「誰からも好かれる祝福」と「私が好きになった人から嫌われる呪い」を、私は持っている
だから私は多くの人に好かれて幸せであり、本当に好かれたい人からは嫌われる不幸せでもあるんだ
先ほど私に怒声を浴びせた彼は悪くない。ただ私が振り撒く呪いに掛かっただけ。私は、人を好きになってはいけない人間なのに
「クラリス!……クラリスどうしたの?顔真っ青だよ、なにかあった?」
友人のセレスが声を掛けてくれたことで、ネガティブな思考の渦から現実に戻る。きっと表情は幽鬼のようだったのだろう
「セレス、ううん、なんでもないよ。ただちょっと気分がすぐれないだけ。でもそうね、今日はもう……帰るわ」
「クラリス?もしかして、ってここじゃ話せないか。私も今日は早く帰るわ。マリー!クラリスの体調が悪いみたいだから今日は帰るわ。
私も付き添いで一緒に帰ったと先生に伝えておいてもらえる?」
セレスの家と私の家は貴族街でお隣同士、一緒に帰るのに不自然さはないけど、ちょっとセレスに悪いなぁ。
迎えが来る時間でもないし貴族の女子二人で危なくないかな?とも思えるけど、私の祝福があれば大丈夫
例え悪い人が現れても私がお願いすればきっと助けてくれるわ。人に好かれる祝福は護身には最適ね
セレスの気遣いに少しだけ気分も晴れてくる。本当に、本当に優しい私の幼馴染だ
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