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巡る世界
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しおりを挟む「この世に意味のない事はないの。
巡り合う運命なら必ず出逢えるし、それが運命なら想い合い。それは強さになる」
いつだったかおばあちゃんが言った言葉。
巡る。
想いが、
願いが、
それを縁と呼ぶのは、余りにも単純で明解。
けれど、どんな言葉よりもしっくりとする。
身体が震えた。
“想い”の熱さに。
何より、手の中にある“閻魔帖”がその存在を知らしめる。
私達は同じ時間を選んで産まれて来たのだと。
“正す”為に産まれて来たのだと。
私が語り人。
私は赤髪“優良”の娘。
“閻魔帖”を最初に手にした水先の娘。
*優月side*
頭の中で話し声がする。
それは、幸せであり、哀しみであり。
誰かからの愛の囁きであり、誰かの泣き声と、怒号と、心からの叫び。
瞬きした瞬間に目の前にある朗のアップにびっくりして「僕?」自分に疑問符を投げ掛け、朗から離れる。
次に聞こえて来たのは姉ちゃんの泣き声。
心配で姉ちゃんの傍に小走りで駆け寄り、
「姉ちゃん?」
と、呼んでみた。
「ゆぅづぅ!!」
叫びながら抱き付かれ、情けないかな。支え切れずに「あわゎわわ」と、床に倒れた。
次に来るであろう痛みに構えたら、
「あニャ!」
って声と、背中に感じる温かい人肌。
「優月。大丈夫か?」
背中から聞こえた声はクロス。
クロスが支えてくれてて痛くなかった。
「誰?!」
姉ちゃんの驚いた顔。
「クロスだよ。大丈夫。ありがとう」
姉ちゃんは目をキラキラさせて訊く。
「化けたの?」
うん。姉ちゃん好みのイケメンだよね。
って苦笑してると、先輩が焦って姉ちゃんを抱き締めてた。
男女の、情?
何故か哀しみが心を掠めて身震いする。
ざわざわとする心が何か判らなくて、哀しみに似た気持ちに戸惑い、自分の体を抱き締める。
突然、姉ちゃんが帰ろう!って宣言して、床に落ちていた閻魔帖を拾う。
閻魔帖が薄く光を放ち、その意志を受けた姉ちゃんが先生のキッパリとした意思の下“花嫁の縁”を絶った。
母親の潔い姿に感動し、そして戸惑う自分が居た。
何に戸惑っているのか判らない。
そして、姉ちゃんも“閻魔帖”を握り締めて一点を見つめて呟いた。
「私は赤髪優良の娘。
閻魔帖を初めて手にした水先最初の娘」
その言葉に、僕の中で大きな衝撃を受けた何かがあった。
涙が零れる。
後退り、岩壁に背中を捕られ動けなくなった。
それでもこの場所から逃げたくて、何から逃げたいのか考えても答えは出ないのに、涙が止まらない。
頭を振る。
体を抱き締めて、無意識に零れ出た言葉に意味があるのか解らない。
「ごめんなさい―――私が産んだから。私が……」
気付けば呼吸が苦しくなり、遠退く意識の端で見たのは、朗の顔。
...
重なる様に視えたのは赤い髪をなびかせて佇む男性。
..
僕は、知らない。
..
けど、私は知ってる。
どうしても抑えきれなかった想いの代償。
「私が……愛した“閻魔の朗”」
これが始まり。
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