鬼に成る者

なぁ恋

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蜜月鬼

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*ライside*

痛みが快感になるなんて変だろうか?

まほろばが噛んで行く肌が、ジン と、躰を脳内を痺れさせる。

流れる血液の熱ささえ、ボクを陶酔させ、を口に含み呑み込むまほろばの欲望に光る金の眼が……ボクを射抜く。

されるがままに、素肌をさらけ出し

噛まれる皮膚。
流れる血液……

まほろばが躊躇なくを口に含み、容赦無く噛み吸い上げられた。

「ああッ……!!」
こんな感覚知らない。


のけ反り痙攣する。


「ま……ほろばっ!」

髪を掴み、離そうとする。

まほろばが目線だけを上げ、ボクを見る。

その視線!
絡む視線に熱くなる頬。

息が上がる。

上下する胸。
気持ち良くて
苦しくて……

「ん……あっ! あぁあっ!!」





目の前が白くなり、意識を失う。

それは一瞬で、
内腿に痛みを感じて目覚める。

窮屈な穴の中壁に寄り掛かる形で、足を持ち上げられ、股の間でまほろばが内腿を噛んでいた。
そこから吸い取られ流れる血。
上半身から流れる血潮が、重力の流れで下に落ち肌を滑り、下半身のくぼみを伝う。


暗い穴の中。
二人の荒い息遣いだけが響いて居た。


土と血で汚れた躰。

まほろばがゆっくり立ち上がると……視線が絡み合い重なる唇。

ぬるい、鉄の味がする舌が口内を犯す。

また、痺れが躰を駆け巡り力が抜ける。

上げられた足に気付いたと同時に有り得ない場所に痛みが走り、

「い……痛い。まほろば!」

彼の肩に回した手に力が入り、皮膚を引き裂く。

まほろばの動きは止まらず、
ボクとまほろばが繋がった箇所が熱く―――熱くて。
 
  
揺すぶられ、
押し広げられる躰。

何度も何度も、
それは終わらない。

体内に感じる熱と、
何度も吐き出されたまほろばの精で、ぬるぬるとしたそこが熱を持ち、擦られる度まほろばを感じ、悲鳴を上げる事しか出来なくて―――

「もう……」
―――嫌だ。

「ダメだ。足りない」

まほろばのしっかりした口調に狭くなった視界で彼を見る。

金に光る瞳に獰猛に見据えられ、息が止まる。

二本角が、赤い髪が闇に光り、血に濡れた赤い唇が綺麗な笑みを作る。

伸びて来た手。指が、ボクの口内へ差し込まれ、舌を撫で回す。

「んぅっ!」

息が出来なくて、思わず噛んだ。

とろり と口内に広がる鉄の甘い味。
まほろばの血。

それは舌を潤し、喉へ体内へ飲み込まれて行く。


指が抜かれ、代わりに唇が重なる。
舌が侵入し、揺すられる躰も、早さを増す。

唾液と血液とが、口端から零れ、
涙と汗と、二人の発する熱が蒸気に成って立ち上ぼる。

「あ! あぁああ!!」

何度目かの絶頂を迎え、まほろばの肩に額を落とす。

気を失いそうになると、まほろばが躰を噛んだ。

気を失う事も、解放される事もなく、
何時間も続く快楽の波。

声は嗄れ、躰が軋む。

繋がったままの箇所は、もう、快感を呼ぶだけで、中を満たすまほろばの精が内股を流れ出る。

ボク自身もずっと感じ、起立したまま。

何度も何度も。
躰をうねる快楽に溺れ、まほろばにしがみつく。

体内が熱く燃えて、それが躰を駆け巡り。
額の中心に痛みと熱を帯びて、目眩が起こる。
 
 
  
額が熱く。
眼球がもぎ取られる様な引っ張られる感覚。

「額が熱い……」

ギリギリ と、頭の内側から音がする。
熱を持った額の皮膚が左右に突っ張られ、肉が裂けるのが分かった。


「熱い!」


躰の変化を感じながらも、まほろばから与えられる快楽に溺れ、
快楽を教え込まれ、

意識は躰を離れ、本能だけが、獣の様にまぐわい続ける。

二つの躰が溶けて、
魂が一つに成った感覚。

額が、
額が熱い!




「ライ、愛している」

不意に言われ、
痛みに涙しながらも、笑みが零れた。



「まほろば。愛してる」


言葉の意味を知っている。



ミシッ 額から骨の軋む音が響き、突き出るモノがあった。


それは、角。
鬼で在る証。


何故?
解らない。

見えなくても分かる。生まれ出た“角”は紛れもなく、一本角。


まほろばが満面の笑みを浮かべ、深く腰を突く。
激しい揺さぶりに悲鳴を上げ、


意識を投げ出した。





愛しさだけがココロを一杯にして。




「ライ。俺のモノ」



まほろばの声が沈む意識に届いた。



「まほろば……」

ただ愛しい人の名を呼んで意識を手放した。
 
 
 
 
 
 
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