龍魂

ぐらんじーた

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龍魂の壁

見透かされる限界

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リゼルの指示で、距離を取っていたミーネ、マリナも合流した。
彼女たちの位置からでは何が起こっているのか把握できていなかったらしく、近づいて来て驚いていた。

「す、すご……」
「ほんとね……」
「ん~おめ~……」

ゴウザは疲労感が強そうなマリナを見るなり、道具箱からバーのような食料を取り出した。

「しんどそうだな?食え~?元気出んぞ~?飲み物のおけぇしだ~」
「あ、ありがとう……」

ミーネはそれを受け取り、一口サイズに折る。
堅い。凄い密度だ。騎士団で支給されるエネルギーバーよりも、ぎっしり中身が詰まっている。

「ほら、マリナ……」
「んぁ……」

マリナは口を開ける。
ミーネはそれを口の中に入れてやる。彼女はそれを咀嚼し、ごくりと飲み込んだ。

「どう……?」

心配そうに見つめるレイズたち。マリナはゆっくりと目を開けた。

「マリナ?」
「え……何これ……?」

マリナは、今の状況が飲み込めないでいる。
ミーネに渡されたバー。しかも、あればバーの欠片だ。それを飲み込んだ瞬間、疲れが一気に和らいだ。
さすがに筋力や龍力に変化は感じられないものの、身体が鉛のように重かった感覚は次第に軽くなっていく。
一応残りの部分も貰い、マリナの疲れはほとんど吹き飛んだ。

「ん~疲れは吹き飛んだな~?」
「え?えぇ……ありがとう」

ゴウザは満足そうに微笑む。
あんなチートみたいなアイテムがあるなんて。が、一般には流通していないのだろう。
こんなに強烈なのは、見たことも聞いたこともなかった。

「なら、離れよ~」

トライホーン・ビーストは死んでいない。
あの傷ではしばらく動くことはないだろうが、ここに留まる理由がない。



「ありがとう。俺たちは……」

移動した後、レイズたちは簡単な自己紹介を済ませ、休憩がてら話している。
王であるレイラの身分は伏せ、偽名を使っているが。

「旅の人さ、(シャンバーレでの)予定はあんのけ~?」
「あぁ……龍力について学びたい。だが、具体的な方針はまだ決まっていない」

そうだ。
シャンバーレには行く。しかし、その後の具体的な動きはまだ決まっていない。
現地で決めることにしている。

「お~?そうなのか~?」

ゴウザは、間違いなく自分たちの知らない力を知っている。
そう思うリゼルは、ゴウザに付いて行けないか模索する。

「ゴウザさんも、修行を?」
「そうだな~シャンバーレは、強くなりたい人間が集まるからな~」
「僕たちも、強くなるために来たんだが……」
「ん~?」

ゴウザは一人一人見ていく。

「な、なに……?」

女性陣を見るときはなんだか照れ臭そうにしていたが、漏らすことなく見ていった。

「ゴウザ……さん……?」
「お前たちは~無理かもな~?」
「!?」

衝撃的な一言。
自分たちはこれ以上強くなれない?だったら、何のためにここまで来たのか。
納得のいく説明が欲しい。

「無理だと?なぜだ?」

いつになく前のめりなリゼル。

(リゼル。切れんなよ……?)

バージルは目を細める。
当然だ。最悪レイズやミーネ、マリナが無理なのは『急ぎすぎ』という意味でも折れることができる。
しかし、レイラやリゼルまで一括りにされて、『無理』と言われている。
自分はその中間地点みたいなモノ。あの二人が無理なら、自然と無理なグループに入る。

リゼルに問われ、少し困るゴウザ。
本当に悪気がなさそうな顔だ。本気で「無理そうだ」と思ったのだろう。

「ん~?何となくだけど~……」
「ちィ……」

小さく舌を打つリゼル。
何となくで限界を決められては困る。こちとら国を背負う任務中だ。
が、今彼に突っかかったところで、意味はない。

「ん~……うまく言えないけど~龍力と向き合ってないから、かな~」
「向き合ってない……?」

ん~、と頷くような、考えるような反応を示すゴウザ。
それはどういう意味だろうか。
自分の龍と向き合ったから龍力を使えるのだと思っていたが。

「ん~オレは師範じゃないからな~うまく言えないな~……」
「…………」
「見たとこ、身体は鍛えてるみたいだけどな~」

マリナは例外だが、レイズたちも肉体面では成長した。
レイズたちは何もアピールしていないが、それを見抜き、評価してくれた。ということは、これ以上強くなれない、と言うのもリアルに聞こえる。

「……とりあえず、シャンバーレには行きたい」
「ん~そうだな~そのコを休ませないとな~」

ここで問答していても無駄だ。
強くなれるかどうかは一旦置いておく。
シャンバーレに到着し、マリナを安全な場所に連れていく。話はそれからだ。

レイズたちはゴウザと別れ、ヴァイス平原を進むことにする。
相変わらず魔物に遭遇はするが、トライホーン・ビースト級の大型はいなかった。
シャンバーレに着いたのは、翌日の午前中だった。
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