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龍魂の壁
半崩壊の町
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レイズたちがシャンバーレを発ち、数日経ったころだ。
帰路では特に大きな戦闘もなく、平和に王都付近まで来ることができた。
「マナラドに行く?」
「あぁ。緊急だ」
馬車で一気の王都まで戻る予定だったのだが、リゼルからの指示で、急遽マナラドに向かったレイズたち。
そこで、彼らは息を呑んだ。
「ひどい……!」
町が、荒れている。
建物もダメージを受けていた。崩壊し、鉄骨が剥き出しになっている。
ダメージが少ない建物も、窓ガラスが割れる、壁にヒビが入るなど、無傷ではなかった。
多くの建物がダメージを受けているが、比較的規模の小さい研究所や、個人の研究所は無事のようだ。
「おい、アレ!」
ただ、そんな状態でも空いている店があった。
開いているのは、道具屋や飲食店が数店。
大きな研究所や学校などの施設に電気はついていない。
「……犯罪者グループが研究所を襲ったのは本当のようだな」
マナラドに寄ったのは、レイグランズへの帰路の途中、その噂を聞いたためだ。
噂であるし、マナラドにも騎士団はいる。旅の疲れから、後回しにしたい気持ちはあったのだが、念の為に寄ったのだ。
その判断は、正解となった。
「騎士団は?見当たらないな」
レイズは辺りを見回す。昼間なのに人が少ない。
それに加え、騎士団がいるような雰囲気でもなかった。騎士団が外出を制限している風でもない。
「……話を聞いてみるか」
「そうだな。行くか」
バージルは道具屋を指差し、仲間に提案する。
レイズはそれに乗り、道具屋の扉を開ける。
「お~っす」
「!」
道具屋に入ると、店主はビクリと身を震わせた。
何かに怯えるその様子に、リゼルとレイラは顔を見合わせる。
「なんだ……お客さんか……」
レイズたちの姿を見て、店主は安心したように息をつく。
「何があったんです?」
話を聞くだけではなく、一応日用品や回復アイテムをレジに出す。
そうすれば、買い物ついでに話を聞くという形を作れる。
店主は商品を確認しながら、バージルの問いに答える。
「五日くらい前の話だよ……」
五日、と聞き、レイズは逆算し、横にいたマリナに囁く。
「五日……シャンバーレにまだいるな」
「そうね……あの頃はニュースなんか見ないから……」
その囁きは店主に聞こえていない。
店主は続ける。
「大きな研究所が襲われたんだ」
「!」
「騎士団も出撃して、応戦したんだけど」
返答を濁す店主に、リゼルとレイラはその結果に想像がつく。
「まさか」
「……負けたのか」
「……あぁ。聞く限りは」
あの場所にいたわけではないからね、と店主は小さい声で呟く。
が、この町の廃れようを見れば、負けたことはすぐに分かる。どのように負けたかは不明だが。
「被害状況は分かりますか……?」
「……死者はゼロらしい。で……研究資料が奪われたらしい。騎士団と協力して、より難しい研究をしていたことは知っていたけど……それを狙ったんじゃないかな」
死者はゼロだが、怪我人は出ているはず。レイラは恐る恐る店主に聞く。
「研究資料……怪我人は……」
「重症な人はいるみたいだけど……詳しいことは、何も」
「…………」
計算が終わり、料金を支払う。
「人がえらく少ないけど……」
「あの事件の直後だしね……この町は終わりだよ」
「え?」
「この前も騎士団は大打撃を受けただろ?体制が整うまで、マナラドに騎士団はいなくなる」
「そんな!!」
この規模の町で騎士団不在とは。
今の世の中を考えれば、そんなことあり得ない。
敵に大きなスキを残すようなものだ。それも、継続的に。
「すぐに再編成して騎士団を寄こすらしいけど……ボクは終わったと思ってるよ」
「……まだ人はいるのに」
「ボクも在庫がなくなれば店を閉めるよ。他の人も、キリの良いところで町を出るんじゃないかな」
「…………」
衝撃的だった。
レイズたちは言葉が出てこないまま、静かに店を出ることしかできないのだった。
帰路では特に大きな戦闘もなく、平和に王都付近まで来ることができた。
「マナラドに行く?」
「あぁ。緊急だ」
馬車で一気の王都まで戻る予定だったのだが、リゼルからの指示で、急遽マナラドに向かったレイズたち。
そこで、彼らは息を呑んだ。
「ひどい……!」
町が、荒れている。
建物もダメージを受けていた。崩壊し、鉄骨が剥き出しになっている。
ダメージが少ない建物も、窓ガラスが割れる、壁にヒビが入るなど、無傷ではなかった。
多くの建物がダメージを受けているが、比較的規模の小さい研究所や、個人の研究所は無事のようだ。
「おい、アレ!」
ただ、そんな状態でも空いている店があった。
開いているのは、道具屋や飲食店が数店。
大きな研究所や学校などの施設に電気はついていない。
「……犯罪者グループが研究所を襲ったのは本当のようだな」
マナラドに寄ったのは、レイグランズへの帰路の途中、その噂を聞いたためだ。
噂であるし、マナラドにも騎士団はいる。旅の疲れから、後回しにしたい気持ちはあったのだが、念の為に寄ったのだ。
その判断は、正解となった。
「騎士団は?見当たらないな」
レイズは辺りを見回す。昼間なのに人が少ない。
それに加え、騎士団がいるような雰囲気でもなかった。騎士団が外出を制限している風でもない。
「……話を聞いてみるか」
「そうだな。行くか」
バージルは道具屋を指差し、仲間に提案する。
レイズはそれに乗り、道具屋の扉を開ける。
「お~っす」
「!」
道具屋に入ると、店主はビクリと身を震わせた。
何かに怯えるその様子に、リゼルとレイラは顔を見合わせる。
「なんだ……お客さんか……」
レイズたちの姿を見て、店主は安心したように息をつく。
「何があったんです?」
話を聞くだけではなく、一応日用品や回復アイテムをレジに出す。
そうすれば、買い物ついでに話を聞くという形を作れる。
店主は商品を確認しながら、バージルの問いに答える。
「五日くらい前の話だよ……」
五日、と聞き、レイズは逆算し、横にいたマリナに囁く。
「五日……シャンバーレにまだいるな」
「そうね……あの頃はニュースなんか見ないから……」
その囁きは店主に聞こえていない。
店主は続ける。
「大きな研究所が襲われたんだ」
「!」
「騎士団も出撃して、応戦したんだけど」
返答を濁す店主に、リゼルとレイラはその結果に想像がつく。
「まさか」
「……負けたのか」
「……あぁ。聞く限りは」
あの場所にいたわけではないからね、と店主は小さい声で呟く。
が、この町の廃れようを見れば、負けたことはすぐに分かる。どのように負けたかは不明だが。
「被害状況は分かりますか……?」
「……死者はゼロらしい。で……研究資料が奪われたらしい。騎士団と協力して、より難しい研究をしていたことは知っていたけど……それを狙ったんじゃないかな」
死者はゼロだが、怪我人は出ているはず。レイラは恐る恐る店主に聞く。
「研究資料……怪我人は……」
「重症な人はいるみたいだけど……詳しいことは、何も」
「…………」
計算が終わり、料金を支払う。
「人がえらく少ないけど……」
「あの事件の直後だしね……この町は終わりだよ」
「え?」
「この前も騎士団は大打撃を受けただろ?体制が整うまで、マナラドに騎士団はいなくなる」
「そんな!!」
この規模の町で騎士団不在とは。
今の世の中を考えれば、そんなことあり得ない。
敵に大きなスキを残すようなものだ。それも、継続的に。
「すぐに再編成して騎士団を寄こすらしいけど……ボクは終わったと思ってるよ」
「……まだ人はいるのに」
「ボクも在庫がなくなれば店を閉めるよ。他の人も、キリの良いところで町を出るんじゃないかな」
「…………」
衝撃的だった。
レイズたちは言葉が出てこないまま、静かに店を出ることしかできないのだった。
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