龍魂

ぐらんじーた

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新たなる龍

特定

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時は、ウィーンとアレクが入院している頃まで遡る。

「…………」

レイは、新たな基地で地図と睨めっこしていた。
ボロい廃墟で、古びた電球が部屋を照らしている。

「あのボケ……」

ヒューズのストレス解消のため、予定外の出陣を許可してしまった。

案の定戦闘が起こり、ヒューズは相手をボコボコにした。
戻ってきた彼は、すっきりした表情だった。しかし、グランズとの距離は遠くなったのだ。
ただ、あそこで我慢を強いるのは、ヒューズの精神衛生上良くなかったし、致し方ない工程だったと思う。

とはいえ、遠ざかった事実には、変わりない。

(余計なことを……)

ち、と舌を打つレイ。

そのせいで、騎士団の動きがかなり消極的になっている。
イベントも終了し、次のネタも飛んでこない。今までは、告知で向こうから情報を流してくれていたのだが。

次に彼らが探すのは、十中八九ハースト関連の場所だ。
騎士団が表立った動きを止めた以上、今までの傾向や予想で探るしかない。

(ハースト……貴様は、どこにいる?)

騎士団の動きから、王都から近い順に探しているのは理解できる。

さすがのレイも、団員が個別で保有する家までは把握していないため、絞り込みはある意味騎士団頼りだった。
その騎士団も、今は息を潜めている。

だが、ヒントはある。
クラウド宅よりも外。そして、ハーストに関連するもの。

ただ、それだけでは到底見つけることはできない。
だから、彼は複数のノートを荷物から引っ張り出した。
これは、見聞きした情報を残しているノート。

(そう言えば、ヤツは別荘で休暇を過ごすと言っていたな……)

その中に、ハーストの情報も(多くはないが)残っている。
レイは、騎士団所属時に記録していたノートをめくり、ハーストとの記録を探る。
この情報も、団内にいたころの彼との会話の記録だ。

ただ、日記っぽく、その日その日で記録していることが多いため、情報が点在している。
寮が量だけに、整理する気が起きないのが現状。
ただ、繰り返し読み返すうちに、どのノートの何ページ目かなど、ある程度覚えてきてはいる。が、完璧ではない。
故に、どうしても時間がかかる。

(山の中……あいつは山派か。場所までは……書いてない、か……)

日記っぽく、文章で書いてあったり、簡潔に箇条書きにしてあったりする。
別段区別している訳ではなく、書いた状況によりけりだ。
ハーストの情報は、箇条書きだった。

今となっては膨大なそれになったが、身体に染み付いた習慣の一つだ。

『世界の行く先』を知る前の時代に、王都にいた頃も数名に勧めたこともある。
実践している人間はいるだろうか。王家の一族くらいは、継続していてほしいものだ。

さて、問題なのは、ハーストの別荘がどこにあるか、だが。

(まぁ、いい……だいぶ絞れる)

箇条書きのケースだが、それでもないよりは幾分マシだ。レイは、地図に指を走らせる。

山に面していない町は排除。
山はあるが、隠れるに適さないリゾート地も排除。

それでも膨大な地域が該当するが、併用した箇条書きのメモから、おおよその位置を特定する。
いくつか候補が上がるが、最後は『勘』だ。

「王手だ。グランズ」

レイはヒューズたちを呼び出し、指示を飛ばす。

「……グランズは十中八九ここにいる。行ってこい。待ち伏せてれば、いつか向こうから来てくれる」
「もう終わってたら?」

フリアは腕を組む。
当然の疑問だ。が、十中八九大丈夫。

「現場を見て判断しろ。次の手はある」
「……了解だ」

例の五人は、レイに背を向け、指示された場所へ飛ぶ。
彼は、過去の記録から、ハーストの別荘を探し出したのだった。
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