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第54話 スエード王国③
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馬車にいる子供二人は身体中に痣ができて、怯えた表情を浮かべる。
「君達を怖がらせる奴はもういない。さあ、馬車から降りて私と一緒に来るんだ」
シェーナは手を差し伸べると、子供二人の警戒心はとても強く暴力を振るわれると思って泣き出してしまった。
周囲に敵の様子は見受けられないが、あまり長居すれば異変を嗅ぎつけて増援でも呼ばれたら厄介なことになる。
「もう大丈夫だ。私は君達の味方だし、安全な場所に保護してあげるよ」
シェーナは二人の子供を抱くと優しく諭す口調で、凝り固まった警戒心を解いていく。
「お姉さんは……あいつ等の仲間じゃないの? 僕等を騙して乱暴をしようと考えているんじゃないの?」
「そんなことは絶対にしない。お姉さんが君達に嘘を付いているように見える?」
「……見えないかも」
「いい子だ。君達の名前は何て言うんだい?」
「僕はカロ、弟はマウロだよ。お姉さんの名前は何て言うの?」
「私はシェーナだ。カロ、マウロ、落ち着いて私の言うことをよく聞いてくれ。私の仲間がすぐ近くにいる。一緒に来てくれないか?」
「……分かった。でもマウロは怪我をして歩くのもままならない」
「マウロはお姉ちゃんが背負っていく。カロは私と手を繋いでいこう」
シェーナは説得に応じたマウロを背負うと、カロの手を繋いで馬車の外へ出る。
ルトルスとグラナはシェーナ達に駆け寄って合流すると、急いでこの場から離れようとグラナに瞬間魔法を促す。
「勝手なことをしてすまない。急いで城塞都市へ戻してくれ」
「……まあいいや。私に捕まっていてね」
グラナは瞬間魔法を発動させると、出発前にいた店の裏に戻っていた。
結局、『闇核』を回収することはできずにルトルスとグラナには結果的に迷惑をかけてしまった。
カロとマウロの手当てをするために、足の鉄球と鎖を外して二階の個室で治療を施す。
「カロ、マウロ。この私にそっくりなお姉ちゃんが君達の傷を治療してくれる。グラナ、二人に回復魔法で治療をお願いできるか?」
「はいはい。もしできたら、この子たちと私の朝食を持ってきてくれたら嬉しいな」
「ああ、それは任せてくれ」
シェーナはグラナに治療を任せると、階下の食堂でルトルスと顔を合わせる。
「……俺に失望したかな。あれだけ奴隷の話をしておいて、結局てめえは見過ごすことはできずにパーティーを危険に晒して『闇核』も回収できなかったと」
「回収はいつでもいけるさ。あの子たちを助けていなかったら、命はなかったかもしれない。騎士として……人間としてシェーナは正しい行動を取ったと私は思っている。だからそんな風に思うのはやめてくれ!」
軽蔑されても仕方がないと覚悟していたシェーナは俯いて頷いた。
「君達を怖がらせる奴はもういない。さあ、馬車から降りて私と一緒に来るんだ」
シェーナは手を差し伸べると、子供二人の警戒心はとても強く暴力を振るわれると思って泣き出してしまった。
周囲に敵の様子は見受けられないが、あまり長居すれば異変を嗅ぎつけて増援でも呼ばれたら厄介なことになる。
「もう大丈夫だ。私は君達の味方だし、安全な場所に保護してあげるよ」
シェーナは二人の子供を抱くと優しく諭す口調で、凝り固まった警戒心を解いていく。
「お姉さんは……あいつ等の仲間じゃないの? 僕等を騙して乱暴をしようと考えているんじゃないの?」
「そんなことは絶対にしない。お姉さんが君達に嘘を付いているように見える?」
「……見えないかも」
「いい子だ。君達の名前は何て言うんだい?」
「僕はカロ、弟はマウロだよ。お姉さんの名前は何て言うの?」
「私はシェーナだ。カロ、マウロ、落ち着いて私の言うことをよく聞いてくれ。私の仲間がすぐ近くにいる。一緒に来てくれないか?」
「……分かった。でもマウロは怪我をして歩くのもままならない」
「マウロはお姉ちゃんが背負っていく。カロは私と手を繋いでいこう」
シェーナは説得に応じたマウロを背負うと、カロの手を繋いで馬車の外へ出る。
ルトルスとグラナはシェーナ達に駆け寄って合流すると、急いでこの場から離れようとグラナに瞬間魔法を促す。
「勝手なことをしてすまない。急いで城塞都市へ戻してくれ」
「……まあいいや。私に捕まっていてね」
グラナは瞬間魔法を発動させると、出発前にいた店の裏に戻っていた。
結局、『闇核』を回収することはできずにルトルスとグラナには結果的に迷惑をかけてしまった。
カロとマウロの手当てをするために、足の鉄球と鎖を外して二階の個室で治療を施す。
「カロ、マウロ。この私にそっくりなお姉ちゃんが君達の傷を治療してくれる。グラナ、二人に回復魔法で治療をお願いできるか?」
「はいはい。もしできたら、この子たちと私の朝食を持ってきてくれたら嬉しいな」
「ああ、それは任せてくれ」
シェーナはグラナに治療を任せると、階下の食堂でルトルスと顔を合わせる。
「……俺に失望したかな。あれだけ奴隷の話をしておいて、結局てめえは見過ごすことはできずにパーティーを危険に晒して『闇核』も回収できなかったと」
「回収はいつでもいけるさ。あの子たちを助けていなかったら、命はなかったかもしれない。騎士として……人間としてシェーナは正しい行動を取ったと私は思っている。だからそんな風に思うのはやめてくれ!」
軽蔑されても仕方がないと覚悟していたシェーナは俯いて頷いた。
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