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第92話 エルフの里②
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南エリアには訓練施設の他に冒険者ギルドもエルフの里に常駐しているので冒険者は活動拠点としている。
武具屋も数件立ち並んで、ギルド所属の冒険者相手に商売しているエルフも見受けられる。
「……大丈夫だよ。しばらく時間はかかるけど、また剣を振るえる身体に戻るよ」
武具屋から一組の冒険者が出てくると、それを呆然と眺めるルトルスにシェーナは意を酌んで優しく声をかける。
「シェーナ……私は本当のことを言うと、剣を振るうことに悩んでいた。少し私の過去話に付き合ってもらってもいいか?」
「辛い過去なら無理して話さなくてもいいよ」
「平気さ。それに私の胸の内は誰かに話したいと思っていた」
シェーナはルトルスに無理強いをさせないために配慮するが、ルトルスの澄んだ眼は主張を訴えたいと語りかけている。
「分かったよ。そこのベンチで話を聞こう」
シェーナは根気負けすると、休憩所が設けられたベンチを見つけて二人は腰を下ろす。
呼吸を整えてルトルスは自分の過去について語り始めた。
元々、ルトルスはバールゼン大陸出身の人間だった。五歳の頃、ヒュムリス王国に国を滅ぼされて両親は戦争で亡くなり、姉のカルラとルトルスは三等民の奴隷として冷遇された。そして奴隷船に運ばれてハルセンティス大陸のスエード王国へと移されると、雨足が強く雷鳴が響いている夜中に隙を見て姉と私は逃亡を図った。子供の浅知恵で、逃亡はすぐにバレてしまって追手が迫ってくると、ガフェーナの暗黒騎士の一団に助けられた。それからカルラとルトルスは死に物狂いで剣術や生きる術を身に付けた。その後はグラナを復活させて、勇者一行のメンバーと剣を交わしたりした後は敗戦が続いた。カルラはルトルスを逃がすために犠牲になると、雨足が強く雷鳴が響いていた。再び逃亡を図ると追手のダークエルフを斬り捨てながらも毒に侵されて弱っていたところをシェーナ達と出会った。
「そうか……ルトルスは雷が苦手なのは子供の時に奴隷として追われていたこと。お姉さんを失った時と重なっていたのか」
シェーナはやるせない気持ちでルトルスの話を聞いていた。
ルトルスがガフェーナの暗黒騎士である以上のことは何も知らなかった。
どうして、もっと彼女の事を知ろうとしなかったのかと。
「ガフェーナの暗黒騎士になって強くなり、国に忠誠を誓ったのも、捨てられて奴隷に逆戻りをしたくない一心だった。シェーナに拾われてからも……私は心の隅のどこかで捨てられるのを恐れて剣を振るっていた。キシャナと出会った時も、私は内心怯えていた。エルフやダークエルフは人間と比べて種を大事にする種族だ。きっと仲間の仇を討つために暗殺されるだろうってね」
「俺はルトルスには感謝しているし、キシャナはルトルスを恨んでいないよ! ルトルスが過去に苦しんでいたことに気付いてあげられなくてごめん……」
「シェーナがスエードでカロとマウロの二人を助けてあげた時、私は自分の事のように嬉しかったよ。きっとこの人は私を見捨てないだろうってね。それからシェーナに対しての感情が高ぶって大好きになっていった」
「俺もルトルスは大好きだよ。仲間の皆もルトルスを心配してくれている。これからも俺達と一緒にいてくれ」
ルトルスは無言で頷くと、シェーナの胸に飛び込んで二人は喜びを分かち合った。
武具屋も数件立ち並んで、ギルド所属の冒険者相手に商売しているエルフも見受けられる。
「……大丈夫だよ。しばらく時間はかかるけど、また剣を振るえる身体に戻るよ」
武具屋から一組の冒険者が出てくると、それを呆然と眺めるルトルスにシェーナは意を酌んで優しく声をかける。
「シェーナ……私は本当のことを言うと、剣を振るうことに悩んでいた。少し私の過去話に付き合ってもらってもいいか?」
「辛い過去なら無理して話さなくてもいいよ」
「平気さ。それに私の胸の内は誰かに話したいと思っていた」
シェーナはルトルスに無理強いをさせないために配慮するが、ルトルスの澄んだ眼は主張を訴えたいと語りかけている。
「分かったよ。そこのベンチで話を聞こう」
シェーナは根気負けすると、休憩所が設けられたベンチを見つけて二人は腰を下ろす。
呼吸を整えてルトルスは自分の過去について語り始めた。
元々、ルトルスはバールゼン大陸出身の人間だった。五歳の頃、ヒュムリス王国に国を滅ぼされて両親は戦争で亡くなり、姉のカルラとルトルスは三等民の奴隷として冷遇された。そして奴隷船に運ばれてハルセンティス大陸のスエード王国へと移されると、雨足が強く雷鳴が響いている夜中に隙を見て姉と私は逃亡を図った。子供の浅知恵で、逃亡はすぐにバレてしまって追手が迫ってくると、ガフェーナの暗黒騎士の一団に助けられた。それからカルラとルトルスは死に物狂いで剣術や生きる術を身に付けた。その後はグラナを復活させて、勇者一行のメンバーと剣を交わしたりした後は敗戦が続いた。カルラはルトルスを逃がすために犠牲になると、雨足が強く雷鳴が響いていた。再び逃亡を図ると追手のダークエルフを斬り捨てながらも毒に侵されて弱っていたところをシェーナ達と出会った。
「そうか……ルトルスは雷が苦手なのは子供の時に奴隷として追われていたこと。お姉さんを失った時と重なっていたのか」
シェーナはやるせない気持ちでルトルスの話を聞いていた。
ルトルスがガフェーナの暗黒騎士である以上のことは何も知らなかった。
どうして、もっと彼女の事を知ろうとしなかったのかと。
「ガフェーナの暗黒騎士になって強くなり、国に忠誠を誓ったのも、捨てられて奴隷に逆戻りをしたくない一心だった。シェーナに拾われてからも……私は心の隅のどこかで捨てられるのを恐れて剣を振るっていた。キシャナと出会った時も、私は内心怯えていた。エルフやダークエルフは人間と比べて種を大事にする種族だ。きっと仲間の仇を討つために暗殺されるだろうってね」
「俺はルトルスには感謝しているし、キシャナはルトルスを恨んでいないよ! ルトルスが過去に苦しんでいたことに気付いてあげられなくてごめん……」
「シェーナがスエードでカロとマウロの二人を助けてあげた時、私は自分の事のように嬉しかったよ。きっとこの人は私を見捨てないだろうってね。それからシェーナに対しての感情が高ぶって大好きになっていった」
「俺もルトルスは大好きだよ。仲間の皆もルトルスを心配してくれている。これからも俺達と一緒にいてくれ」
ルトルスは無言で頷くと、シェーナの胸に飛び込んで二人は喜びを分かち合った。
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