善悪を超えて行く者

べんぞう

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怒りをあわらにする理由

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個人的なことであるが、私はあまり怒ることに慣れていない。
いろんなことでイライラすることは良くあるが、他人に対して怒りを見せることはしないように気をつけている。ばれているかいないかは別として。
先日、息子(2歳)が言うことを聞かず、怒りにまかせてぶってしまったのだが、まだ会話もままならない幼児なので、ほとんど効果がなかった。
息子はしばらく泣いたが、やがてニコニコしていつも通りのやんちゃに戻った。
私がまだ怒っていることなど、まったく感じ取っていないようだった。
コミュニケーション能力がまだないのだから、これは仕方がない。
しかし私は、それでも自分が怒り続け、なんとかそれを息子に気付かせようと、意地の悪い態度を取っていた。
大人げないといえばそれまでだが、私は、なぜそこまで怒りを維持するのか、と疑問に思った。
要するに、「怒っていることに気付いてほしい」という欲であった。
怒りをあらわにし、気付いてもらい、そして心中を吐露する。そういう過程を経ないと、怒りで生じた思考データを処理しにくいのであろう。確かに、怒りを抱いている人は皆、何らかの形で表現しないと落ち着かない。誰もいないところでは一旦怒りを収め、聞いてくれる人のところで改めて爆発させている。オンラインに書き込むのも同様である。
話の受け手がいないと、怒りは伝わらない。伝わらないと、収めようがない。
怒り慣れていない私は、伝わらない相手を前に、もがいていたのである。

怒りは、自分の方が正しいはずだという叫びであるが、それに同意を示してほしい、という要求である。
話しても、おまえが悪いと言われれば、余計に怒りがつのる。
望むとおりのコミュニケーションを展開したいのだ。
これも支配欲である。
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