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師座の詳細
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長い間私の心の中で師事を行ってきた者は、小学5,6年の担任教師がモデルになっている。三十代半ばの独身男性で、常識を身につけろと強要し(自分は教えないと断言)、理想が大きく、理想を実現するために努力しろ、できないことはないという精神論の持ち主だった。
それまでに教わった1,2,3,4年の教員もほぼ理想論者であったが、自分らが成長し、大人への矛盾を感じ始めた頃に出会った教員だったので、最も影響が強かった。
彼自身は高い理想を持っているようには見えず、人間的に魅力も感じなかった。理論武装を好み、生徒の欠点を巧みに攻撃し、出来の良い生徒にもすぐ揚げ足を取って論破するので、よく生徒を泣かせていた。詫びたりすることはなかった。
逆に自分に落ち度があって生徒に指摘されると苦しい言い逃れをして強引に逃げ切るので(最終的にはお前は子供だから分からないのだという力押し)、生徒もバカバカしくなって論議を取り下げることがしばしばだった。
食事のマナーには特に厳しく、一言でも話をすると教卓の横に見せしめにして食べさせるので、給食中は葬儀のように静かだった。
暴力をふるうことはほとんどなかったので他の教員から問題にされることはなかった。この学校では担任教師のテリトリーが強く、他のクラスには口出ししない傾向が見えた。教員たちは皆自分のクラスのこと、自分の仕事のことに精一杯で、生徒を管理することが教育だと思っているような風潮があった。
担任教師というよりは学校全体が堅強な管理システムになっていたのだが、一生徒としては担任教師一人と対するだけで精一杯だった。結局、毎日のように理想論をぶつけてくるこの教員のやり方が、私の中で叱咤激励する師座として形成された。
当時は人の器など量れなかったので仕方ないが、今にして思うとずいぶんと小者であった。
一言で言うなら、生徒に乗り越えられるのを非常に怖れている男だった。小学校高学年ともなるとなかなか切れ者もいるので、なめられると威厳が保てず、仕事に影響する。なので、常に生徒を見下し、長所があっても短所を責め、自分を見透かされないようにすることに執心していた。
こんな人物像がいつまでも自分の中で師を気取っていては堪らない。
師は弟子を育て、やがて乗り越えられる。そしてそれを喜び、力を付けた弟子を快く送り出して行ける者こそが正しい師の姿である。
それまでに教わった1,2,3,4年の教員もほぼ理想論者であったが、自分らが成長し、大人への矛盾を感じ始めた頃に出会った教員だったので、最も影響が強かった。
彼自身は高い理想を持っているようには見えず、人間的に魅力も感じなかった。理論武装を好み、生徒の欠点を巧みに攻撃し、出来の良い生徒にもすぐ揚げ足を取って論破するので、よく生徒を泣かせていた。詫びたりすることはなかった。
逆に自分に落ち度があって生徒に指摘されると苦しい言い逃れをして強引に逃げ切るので(最終的にはお前は子供だから分からないのだという力押し)、生徒もバカバカしくなって論議を取り下げることがしばしばだった。
食事のマナーには特に厳しく、一言でも話をすると教卓の横に見せしめにして食べさせるので、給食中は葬儀のように静かだった。
暴力をふるうことはほとんどなかったので他の教員から問題にされることはなかった。この学校では担任教師のテリトリーが強く、他のクラスには口出ししない傾向が見えた。教員たちは皆自分のクラスのこと、自分の仕事のことに精一杯で、生徒を管理することが教育だと思っているような風潮があった。
担任教師というよりは学校全体が堅強な管理システムになっていたのだが、一生徒としては担任教師一人と対するだけで精一杯だった。結局、毎日のように理想論をぶつけてくるこの教員のやり方が、私の中で叱咤激励する師座として形成された。
当時は人の器など量れなかったので仕方ないが、今にして思うとずいぶんと小者であった。
一言で言うなら、生徒に乗り越えられるのを非常に怖れている男だった。小学校高学年ともなるとなかなか切れ者もいるので、なめられると威厳が保てず、仕事に影響する。なので、常に生徒を見下し、長所があっても短所を責め、自分を見透かされないようにすることに執心していた。
こんな人物像がいつまでも自分の中で師を気取っていては堪らない。
師は弟子を育て、やがて乗り越えられる。そしてそれを喜び、力を付けた弟子を快く送り出して行ける者こそが正しい師の姿である。
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