善悪を超えて行く者

べんぞう

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優秀な欲

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マインドが育つに当たって、欲は欠かせない要素である。通常は、親(保護者)から見捨てられないように「認められたい欲」「切られる怖さ」が主軸となる。(そして主軸は通常一本で、複数にはなりにくいと予想する。一本をしっかり育てて、他の欲はそれの派生で育てる方がエネルギーが集中する)

私の場合は親がいなくなってしまったので、代わりに支配欲が立った。
これはとても幸運なことである。
認められたい欲の場合、一度認められても、次も認められたい、もっと大きな功績を立てたい、と欲が止まりにくいが、私の支配欲は「管理できるようになればそれで終わり」なので、連続性が低いのである。
支配といっても、他者を屈服させて言いなりにするのではなく、自分の望ましい方向に誘導し、管理が出来る環境に落ち着けたい、というところで折り合いを付けるかたちなのである。
誘導→管理(=支配)という、実質二段階の手順しかないので集中力コストも低い、非常に優秀な欲である。これを主軸にして、認められたい欲や安全欲を派生させていた。これらが育つことによって、社会の中で生きていくマインドを形勢できたので、間違ってはいなかったのである。

そして、マインドのシステムは作り終わったので、主軸である支配欲を撤去する段階に入った。
これも、欲が動いているときは誘導と管理のどちらかだということが分かったので、対処もしやすい。造りがシンプルなので、撤去もスムーズに進む。最も良い点は、他者の介入が必要ない、ということである。

どんなにマインドが頑張って考えても、物事を本当に支配したり誘導したり管理したりはできない。
今まではそれしかなかったので、そのやり方に依存していただけである。
支配欲に支配されていたのである。

実際には、すべては筒抜けで、世界は悟っており、誘導も管理もされない。
その代わり、世界は私を愛してくれている。
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