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第3章
57話 双子獣人の訓練
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「お兄さーん……、うむむ」
「アトス様……」
暑苦しさで目が醒める。左右を見るとロピは俺に抱きつきながら寝ている。チルは俺の裾を少し掴みながら縮こまる様に寝ている。
ロピとチルとの身長差があるせいか、傍から見たら弟がお姉さん達に挟まれて寝ている感じに見られるだろう……。
──ックソ!!
「さて、起きるか……」
俺はロピの拘束から抜け出し、朝ごはんの準備に取り掛かる。
「よし! 今日も肉料理だな!」
俺が小さい時に、シクが毎日毎日肉料理を作ってくれたが、あの理由が今なら分かる……。
「肉料理は楽で体力つくからな」
当時は、美味しかったが毎日肉料理かよ! って思っていたが今思うと理由が分かりシクには申し訳ない事を言ってしまった……。
「アトス様、おはようございます」
朝ごはんの準備をしていたら、チルが起きて来て手伝ってくれた。
いつもの日課だ。ロピはなかなか起きないからな。
「アトス様、今日の予定はなんですか?」
「今日も訓練だな。ただ近々スキルの儀式を受けるために旅に出るよ」
「スキル儀式……。楽しみです!」
チルは目を輝かせて言う。そんなチルを見て、またも昔を思い出す。
俺もスキルの講義やスキル関係の話は凄い楽しくて、よくシクに聞いたりしたな。
「スキルを得たら、アトス様と姉さんを守れる……」
「あはは、みんなで強くなるって約束したもんな」
「はい!」
チルは、キリッとした表情で返事をする。この子に初めて会った時はいつも表情が優れなかったが、今では表情がコロコロ変わる。
……いい事だ。
「チルは何のスキルが欲しいんだ?」
「私は、武器強化が欲しいです」
「俺と同じかー。俺もスキル儀式の前までは、ずっと武器強化が欲しいと思っていたんだよな」
「それは、シク様の影響ですか?」
「そうそう。シクの武器強化がカッコよくてな」
シクについては二人に今までの経緯を伝えてある。
二人は話を聞いて泣いてくれたりした。
いい子達だな……。
「でも、アトス様の能力向上はとても強いと思います!」
「確かに、思っていたよりは全然強いとは思うけど、先読みの訓練をしてなかったら全く使えないスキルだったな」
「アトス様の先読みは凄すぎます。全く捕まりません……」
前に先読みの訓練をした時、鬼ごっこをした。だが、二人は時間までに俺を捕まえる事が出来なかったのだ。
あの時のロピの悔しそうな顔は今でも思い出すな。
「あの時は、姉さんが拗ねて大変でした」
「確かにな、ロピの奴拗ねて、一日中口を開かなかったもんなー」
「ふふ、ですね」
二人して、楽しく準備をしていると、やっとロピが起きて来た。
「二人とも、おはよー……」
「ロピ、おはよう」
「姉さん、眠そうだね」
「うーん、全然寝足りない……」
「顔洗ってきな。ご飯の準備出来たから」
「はーい」
ロピはフラフラしながら顔を洗いに行く。
「それでは、いただきます!」
「「いただきます!」」
二人は元気よく声を出して、ご飯にがっつく。スラム街に居た時に全然ご飯を食べられなかった反動か、二人ともご飯を沢山食べる。
「お兄さん、いつも通り美味いよー」
「はい、流石アトス様です。全てが絶品……」
「いっぱい、食べろよー。って言うまでも無く食べているか」
姉妹は沢山食べた影響なのか、身体が大きくなり、それに従い食べる量もドンドン増えていく。
俺も沢山食べているつもりだが、ロピやチルには敵わないな……。
「お兄さん、今日の講義は何をするの?」
「今日はスキルの復習でもするか」
「「やった!」」
二人は嬉しそうにしながらも、手を止めずひたすらご飯をかきこむ。
「チルちゃん! 今日の講義、スキルについてだって!」
「姉さん、良かったね!」
「スキル儀式本当に楽しみー」
「二人とも、本当にスキルについては勤勉だな」
「「あはは」」
「あんまり、褒め言葉では無いんだけどな……」
話しながら食べてはいるが、机の上にあった大量の肉料理はどんどん減っていく。
「そういえば、お兄さんはデグさん達を探しにいかないの?」
「そうだな。いずれは探しに行きたいが今はまだいいかな」
「心配では無いんですか?」
「デグとベムは俺より全然強いからな、大丈夫だよ」
デグとベムは冒険者で有り、モンスター達にも慣れている。倒す事は出来ないが遭遇しないように動き回る事は出来るだろう。
デグの事だし、ベム達と一緒にどこか逃げて、楽しく生きているだろう。
そんな事を考えていたら、机の肉料理がいつのまにか無くなっていた。
「ふぅー、お腹いっぱい」
「美味しかったです」
「「ご馳走さまでした!」」
二人はまたもや元気よく挨拶をする。
「よーし、少し休憩したら講義するかな」
「「はーい」」
「その後は外で訓練だからなー」
「「えー」」
二人は途端に顔を歪ませる。だが二人とも身体を鍛える訓練が大事なのは分かっているので、文句は言うがサボる事はしない。
「チルちゃん、講義頑張ろうね!」
「うん、姉さんスキルについては、もっと知りたいもんね!」
「アトス様……」
暑苦しさで目が醒める。左右を見るとロピは俺に抱きつきながら寝ている。チルは俺の裾を少し掴みながら縮こまる様に寝ている。
ロピとチルとの身長差があるせいか、傍から見たら弟がお姉さん達に挟まれて寝ている感じに見られるだろう……。
──ックソ!!
「さて、起きるか……」
俺はロピの拘束から抜け出し、朝ごはんの準備に取り掛かる。
「よし! 今日も肉料理だな!」
俺が小さい時に、シクが毎日毎日肉料理を作ってくれたが、あの理由が今なら分かる……。
「肉料理は楽で体力つくからな」
当時は、美味しかったが毎日肉料理かよ! って思っていたが今思うと理由が分かりシクには申し訳ない事を言ってしまった……。
「アトス様、おはようございます」
朝ごはんの準備をしていたら、チルが起きて来て手伝ってくれた。
いつもの日課だ。ロピはなかなか起きないからな。
「アトス様、今日の予定はなんですか?」
「今日も訓練だな。ただ近々スキルの儀式を受けるために旅に出るよ」
「スキル儀式……。楽しみです!」
チルは目を輝かせて言う。そんなチルを見て、またも昔を思い出す。
俺もスキルの講義やスキル関係の話は凄い楽しくて、よくシクに聞いたりしたな。
「スキルを得たら、アトス様と姉さんを守れる……」
「あはは、みんなで強くなるって約束したもんな」
「はい!」
チルは、キリッとした表情で返事をする。この子に初めて会った時はいつも表情が優れなかったが、今では表情がコロコロ変わる。
……いい事だ。
「チルは何のスキルが欲しいんだ?」
「私は、武器強化が欲しいです」
「俺と同じかー。俺もスキル儀式の前までは、ずっと武器強化が欲しいと思っていたんだよな」
「それは、シク様の影響ですか?」
「そうそう。シクの武器強化がカッコよくてな」
シクについては二人に今までの経緯を伝えてある。
二人は話を聞いて泣いてくれたりした。
いい子達だな……。
「でも、アトス様の能力向上はとても強いと思います!」
「確かに、思っていたよりは全然強いとは思うけど、先読みの訓練をしてなかったら全く使えないスキルだったな」
「アトス様の先読みは凄すぎます。全く捕まりません……」
前に先読みの訓練をした時、鬼ごっこをした。だが、二人は時間までに俺を捕まえる事が出来なかったのだ。
あの時のロピの悔しそうな顔は今でも思い出すな。
「あの時は、姉さんが拗ねて大変でした」
「確かにな、ロピの奴拗ねて、一日中口を開かなかったもんなー」
「ふふ、ですね」
二人して、楽しく準備をしていると、やっとロピが起きて来た。
「二人とも、おはよー……」
「ロピ、おはよう」
「姉さん、眠そうだね」
「うーん、全然寝足りない……」
「顔洗ってきな。ご飯の準備出来たから」
「はーい」
ロピはフラフラしながら顔を洗いに行く。
「それでは、いただきます!」
「「いただきます!」」
二人は元気よく声を出して、ご飯にがっつく。スラム街に居た時に全然ご飯を食べられなかった反動か、二人ともご飯を沢山食べる。
「お兄さん、いつも通り美味いよー」
「はい、流石アトス様です。全てが絶品……」
「いっぱい、食べろよー。って言うまでも無く食べているか」
姉妹は沢山食べた影響なのか、身体が大きくなり、それに従い食べる量もドンドン増えていく。
俺も沢山食べているつもりだが、ロピやチルには敵わないな……。
「お兄さん、今日の講義は何をするの?」
「今日はスキルの復習でもするか」
「「やった!」」
二人は嬉しそうにしながらも、手を止めずひたすらご飯をかきこむ。
「チルちゃん! 今日の講義、スキルについてだって!」
「姉さん、良かったね!」
「スキル儀式本当に楽しみー」
「二人とも、本当にスキルについては勤勉だな」
「「あはは」」
「あんまり、褒め言葉では無いんだけどな……」
話しながら食べてはいるが、机の上にあった大量の肉料理はどんどん減っていく。
「そういえば、お兄さんはデグさん達を探しにいかないの?」
「そうだな。いずれは探しに行きたいが今はまだいいかな」
「心配では無いんですか?」
「デグとベムは俺より全然強いからな、大丈夫だよ」
デグとベムは冒険者で有り、モンスター達にも慣れている。倒す事は出来ないが遭遇しないように動き回る事は出来るだろう。
デグの事だし、ベム達と一緒にどこか逃げて、楽しく生きているだろう。
そんな事を考えていたら、机の肉料理がいつのまにか無くなっていた。
「ふぅー、お腹いっぱい」
「美味しかったです」
「「ご馳走さまでした!」」
二人はまたもや元気よく挨拶をする。
「よーし、少し休憩したら講義するかな」
「「はーい」」
「その後は外で訓練だからなー」
「「えー」」
二人は途端に顔を歪ませる。だが二人とも身体を鍛える訓練が大事なのは分かっているので、文句は言うがサボる事はしない。
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「うん、姉さんスキルについては、もっと知りたいもんね!」
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