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第5章
140話 イケメンパーティ
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そこには顔の整った男が倒れていた。そして小型がその男を捕食する為に移動している。
「バ、ババアどうすりゃいい?!」
「さ、流石に私でも分からないわよ!」
「アナタ達いいから、この子みたいに攻撃して下さい!」
「うぅ……食べられちゃうよ……」
後衛である四人はひたすら小型に対して矢を撃ち続ける。このパーティは後衛による高い火力で倒す戦闘スタイルを売りにしている。それはここらの冒険者の中でも有名であり護衛依頼や荷の運びなどを良く頼まれている。
「クソッ、今からじゃアイツの回収すら間に合わねぇ!」
口調が荒い女性が慌てている。それは他のメンバーも同じである。
「目を狙いなさい!」
一番歳上の女性が現状の中でも最善策を取ろうと必死に考え指示を出す。
「そんな事言っても私達じゃ正確に狙えません」
メンバーの中で一番のしっかり者が弱音を吐く。そして一番歳下の子は泣きながらもひたすら撃つ。だが無情にも小型はとうとう男の目の前まで来てしまった。パーティの誰もが食われる事を覚悟した……。
「ほっほっほ。なんとか間に合いましたかな?」
物凄い速さで老執事が男と小型の間に現れた。しかし小型の捕食行動は止まらず老執事ごと食べるつもりなのか大きな口を広げて男二人を飲み込もうとしている。
「カネル!」
老執事は持っていた盾を地面に突き刺した。すると盾は大きくなり光を発行し始め、小型の一撃を止める。
「あ、あの老執事さっき一人で小型を止めてた奴か?」
「そうみたいね、小型を倒して戻ってきたのかもしれないわね」
「そんな事より早く助けましょう」
各々が老執事の登場により少し冷静な心を取り戻した様で、引き続き矢で攻撃をする。
「ふむ。なかなかの遠距離攻撃ですがロピ殿程では無いですな」
そう言って老執事は倒れている男を抱きかかえて小型から距離を取る。
「ほっほっほ。起きなさい」
朗らかに笑っているが、老執事は気絶した男に張り手をして起こしている。正に叩き起こすとはこの事なのかもしれない。
「お、おい! 老執事、もっと優しくしやがれ!」
「ふふ、そうよー。私達の王子様なんだから」
「でも、あの老執事も素敵ですよ?」
「私もそう思う! あの老執事カッコイイ……」
後衛である女性達から気絶した男の起こし方について言及された老執事であったが、関係無しに叩き起こしている。
「ほっほっほ。貴方は人気者ですな」
「ウッ……?」
何度か叩いていると男が目覚めた。
「あ、あれ? 気絶してたのか!?」
そして意識を取り戻してからは慌てて周囲の状況確認を始める。
「ふむ。なかなか良い反応ですな」
「あなたが助けてくれたんですね。ありがとうございます」
少し後ろには小型が迫ってきている。
「目が覚めたなら、後ろの小型を惹きつけてくれますかな?」
「はい!」
男は自分の足で走り、背後にいる小型に向きを変えてからまた舞う様に攻撃を仕掛ける。
「ほっほっほ。これは凄い、見事な舞ですな」
「ありがとうございます! この舞でいつもは惹きつけられたんですが、この小型は少しおかしい」
「ふむ。ここでもですか……」
「?」
魔族は何やら考え事をしているのか、黙り込んでしまった。その間も男は舞のテンポをどんどん上げていく。そして後衛の方も攻撃を行い本来の戦闘スタイルを取り戻した。
「連携のしっかり取れたパーティですな」
「ありがとうございます!」
「それでは、このまま小型を惹きつけて移動は出来ますかな?」
老執事は男に尋ねる。目的や狙いはなんなのか聞きたい気持ちも有ったが、助けてくれた為、男は素直に応じる事にした。
「分かりました! どこに小型を誘導すれば?」
「ほっほっほ。良い返事で嬉しいですな、それでは私に付いて来て下さい」
「はい! おーい皆んな小型を誘導するから攻撃しながら付いて来てくれ!」
男は後衛にいる四人の女性達に指示をして舞を再開する。
「あん? どこかに移動する気か?」
「ふふ、どうやらそうみたい」
「とにかく王子様と紳士の指示に従いましょう」
「王子様の言う事は絶対!」
四人は攻撃しながらゆっくりと後を付いて行く。誰かがゆっくりと周りの様子を見回すともう一つの冒険者パーティが見つからない。恐らく討伐が終わり他の戦闘を手伝っているのだろうと考えた。そして戦闘中何度か小型が成長する気配を感じた為何人かが捕食された事も分かっている。
「ふふ、ちょっとこの戦闘キツイかもしれないわねー」
「ババァ、なんか言ったか?」
「いえ、何も。いいから攻撃しなさい」
こうして老執事の登場により難を逃れた冒険者パーティだったがそれは一時的なものだと皆が気付いていた。そして小型を倒す事の出来る決定的な火力が無い為このまま自分達パーティが戦闘を続けても討伐出来ない事も薄々感付いている者が何人かいる。
「ほっほっほ。とりあえずは助けが間に合って良かったですな……」
老執事は小さく呟く。
「ですが、問題はここから……とにかくアトス殿に頼まれた事を終わらせましょう」
そして老執事は次にやるべき行動を取り始めた……。
「バ、ババアどうすりゃいい?!」
「さ、流石に私でも分からないわよ!」
「アナタ達いいから、この子みたいに攻撃して下さい!」
「うぅ……食べられちゃうよ……」
後衛である四人はひたすら小型に対して矢を撃ち続ける。このパーティは後衛による高い火力で倒す戦闘スタイルを売りにしている。それはここらの冒険者の中でも有名であり護衛依頼や荷の運びなどを良く頼まれている。
「クソッ、今からじゃアイツの回収すら間に合わねぇ!」
口調が荒い女性が慌てている。それは他のメンバーも同じである。
「目を狙いなさい!」
一番歳上の女性が現状の中でも最善策を取ろうと必死に考え指示を出す。
「そんな事言っても私達じゃ正確に狙えません」
メンバーの中で一番のしっかり者が弱音を吐く。そして一番歳下の子は泣きながらもひたすら撃つ。だが無情にも小型はとうとう男の目の前まで来てしまった。パーティの誰もが食われる事を覚悟した……。
「ほっほっほ。なんとか間に合いましたかな?」
物凄い速さで老執事が男と小型の間に現れた。しかし小型の捕食行動は止まらず老執事ごと食べるつもりなのか大きな口を広げて男二人を飲み込もうとしている。
「カネル!」
老執事は持っていた盾を地面に突き刺した。すると盾は大きくなり光を発行し始め、小型の一撃を止める。
「あ、あの老執事さっき一人で小型を止めてた奴か?」
「そうみたいね、小型を倒して戻ってきたのかもしれないわね」
「そんな事より早く助けましょう」
各々が老執事の登場により少し冷静な心を取り戻した様で、引き続き矢で攻撃をする。
「ふむ。なかなかの遠距離攻撃ですがロピ殿程では無いですな」
そう言って老執事は倒れている男を抱きかかえて小型から距離を取る。
「ほっほっほ。起きなさい」
朗らかに笑っているが、老執事は気絶した男に張り手をして起こしている。正に叩き起こすとはこの事なのかもしれない。
「お、おい! 老執事、もっと優しくしやがれ!」
「ふふ、そうよー。私達の王子様なんだから」
「でも、あの老執事も素敵ですよ?」
「私もそう思う! あの老執事カッコイイ……」
後衛である女性達から気絶した男の起こし方について言及された老執事であったが、関係無しに叩き起こしている。
「ほっほっほ。貴方は人気者ですな」
「ウッ……?」
何度か叩いていると男が目覚めた。
「あ、あれ? 気絶してたのか!?」
そして意識を取り戻してからは慌てて周囲の状況確認を始める。
「ふむ。なかなか良い反応ですな」
「あなたが助けてくれたんですね。ありがとうございます」
少し後ろには小型が迫ってきている。
「目が覚めたなら、後ろの小型を惹きつけてくれますかな?」
「はい!」
男は自分の足で走り、背後にいる小型に向きを変えてからまた舞う様に攻撃を仕掛ける。
「ほっほっほ。これは凄い、見事な舞ですな」
「ありがとうございます! この舞でいつもは惹きつけられたんですが、この小型は少しおかしい」
「ふむ。ここでもですか……」
「?」
魔族は何やら考え事をしているのか、黙り込んでしまった。その間も男は舞のテンポをどんどん上げていく。そして後衛の方も攻撃を行い本来の戦闘スタイルを取り戻した。
「連携のしっかり取れたパーティですな」
「ありがとうございます!」
「それでは、このまま小型を惹きつけて移動は出来ますかな?」
老執事は男に尋ねる。目的や狙いはなんなのか聞きたい気持ちも有ったが、助けてくれた為、男は素直に応じる事にした。
「分かりました! どこに小型を誘導すれば?」
「ほっほっほ。良い返事で嬉しいですな、それでは私に付いて来て下さい」
「はい! おーい皆んな小型を誘導するから攻撃しながら付いて来てくれ!」
男は後衛にいる四人の女性達に指示をして舞を再開する。
「あん? どこかに移動する気か?」
「ふふ、どうやらそうみたい」
「とにかく王子様と紳士の指示に従いましょう」
「王子様の言う事は絶対!」
四人は攻撃しながらゆっくりと後を付いて行く。誰かがゆっくりと周りの様子を見回すともう一つの冒険者パーティが見つからない。恐らく討伐が終わり他の戦闘を手伝っているのだろうと考えた。そして戦闘中何度か小型が成長する気配を感じた為何人かが捕食された事も分かっている。
「ふふ、ちょっとこの戦闘キツイかもしれないわねー」
「ババァ、なんか言ったか?」
「いえ、何も。いいから攻撃しなさい」
こうして老執事の登場により難を逃れた冒険者パーティだったがそれは一時的なものだと皆が気付いていた。そして小型を倒す事の出来る決定的な火力が無い為このまま自分達パーティが戦闘を続けても討伐出来ない事も薄々感付いている者が何人かいる。
「ほっほっほ。とりあえずは助けが間に合って良かったですな……」
老執事は小さく呟く。
「ですが、問題はここから……とにかくアトス殿に頼まれた事を終わらせましょう」
そして老執事は次にやるべき行動を取り始めた……。
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