過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第6章

171話 二日目

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 二日目の朝は人の叫び声で目が覚めた。

「──ッ小型が攻めてきたぞ!?」

 一人の男が周りに聴こえるように叫び、三班は一斉に起き出す。

「お、お兄さん」
「あぁ。どうやらまだ少し先らしい」

 見張りの男はどうやら気配察知が上手いらしく余裕を持って小型を迎える事が出来た。

「朝、早々手柄を立ててやるぜ」

 リーダーから昨日、宝箱の分け前については一切関与しない事を伝えられたが、やはり他の参加者にアピールする為にはどっちにしろ手柄を立てる必要があるので、我先にと小型に飛び掛っている。

「ほっほっほ。皆さん朝から元気ですな」
「元気な事は大事です」
「私はいつも元気ー!」

 三班の参加者、十人程による攻撃で小型は直ぐに地面に横たわった。

「ふむ。私達程ではありませんが三班には強き者が豊富の様ですな」
「その分生き残れるから俺達からしたら嬉しいな」
「お兄さん、どうやら小型が現れたのは此処だけじゃ無いみたいだね」

 ロピの言葉で俺は他の班を見たが、三班同様全部の班に小型が攻めてきたらしい。
 他の班は気付くのが少し遅れた様で、慌てた感じで小型の対処をしているが、特に問題無く倒していた。

「あの、エルフさんを、また見ているの?」
「むッ?」

 ロピとチルに問い詰められたが、俺は別の方向を見ていた事に気付いたのか、二人も俺の視線を追って、何を見ているか確認する。

「あのドワーフもスゲェーな……」
「あのモジャモジャさんなんであんなの持てるの?」

 俺が見ていたのは副官が指揮を取っているニ班である。
 二班はドワーフ中心に組まれているチームなのだが、一人のドワーフが異様に大きいハンマーを持っているのだ。

「あれを振り回せるって事はチルと同じスキルか?」
「ふむ。恐らくそうでしょう」
「普通、あんなハンマー持てないよねー」

 ドワーフが持っているハンマーは通常ドワーフ達が装備を作る際に使用するハンマーとは比べものにならない程大きかった。
 その大きいハンマーをドワーフは軽々と振り回し、そして釘を打ち込む様に小型に叩きつけ倒してしまった。

「一人でかよ……」
「すごーい。昨日のエルフさんも凄かったけど、あのモジャモジャさんも同じくらい凄い」

 昨日の大鎌を使用していたエルフも小型を一人で倒していたが、あのドワーフも一人で小型を倒してしまった。

「上には上がいるもんだな……」
「世界は広いですな」
「私も、一人で小型倒せるくらい強くなりたい!」
「……」

 昨日に引き続き一人で小型を倒す事なんて信じられない為、三班の参加者達は開いた口が塞がらない程驚いている。

「す、すげぇ……。俺あっちの班が良かったかも。そうすれば何が来ても怖くねぇーし」
「お前バカだな。確かに一班も二班も、小型を一人で倒しちまう化けもんがいるがよ、こっちにだって雷弾達がいるんだぜ?」

 そう言って三班全員が俺達の方を見る。

「た、確かに……」 
「あっちの班は一人だが、こっちは雷弾、剛腕、鉄壁の三人もいるんだぜ?」

 一人忘れていますよ……? 
 俺は伝わらないと分かっても、目線でアピールするが、やはり気付いてはくれなかった。

 その後全班が小型を倒し、出発する事になった。昨日同様それぞれの班が等間隔の距離を広げて 進むらしい。

「それでは皆さん、本日も宜しくお願いします」

 リーダーが三班のメンバーを見回して言う。

「我々三班は運が良いのか昨日と今日で二回しかモンスターとの戦闘がありません。このまま昨日に引き続き慎重に進んでいきましょう」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」

 やはり、リーダーのお陰でモンスターと遭遇しないと言う事は誰も知らないのか、今日こそモンスターを狩りまくるぜと話している声が聞こえる。
 こうして今日もモンスターが密集するジャングルを歩き回る。

「リガス、どうだ?」
「ふむ。どうやら今日もモンスターを避けながら動いている様ですな」
「そうか。リーダーは多分大丈夫だと思うが、一班と二班で怪しい動きがあったら直ぐ教えてくれ」
「かしこまりました」

 少しでも怪しい動きをしたら俺達だけでも逃げた方がいいが、奥に行けば行くほど単独で逃げる事が難しくなるな。
 昨日リーダーと話した感じは好印象を受けたし、優秀なのも分かった。

 しかし、リンクスと副官には逆らえないのか、三、四、五班は捨て駒班として編成された為、何かあれば切り捨てられるだろう。

 そうなる前に逃げないとな……。

 だがリーダーはそうならない様に全力で三班を生きて帰らせると言っていたので、俺達に出来る事は協力しないとな。

「お兄さん、私達は何をすればいいー?」
「ロピ達はモンスターの気配に気を配っててくれ。リーダーが優秀でも限界はあるはずだ」
「分かった!」
「わかりました」 

 こうして、辺りが暗くなるまで進み続けて、二日目の移動が終わり野宿を準備する。

「皆さん、お疲れ様でした。今日はここで野宿になります」

 リーダーからの労いの言葉を貰い今は自由時間だ。
 俺はリーダーに話し掛けに行く。

「リーダー」
「ん? アトスさんですか」
「今日もモンスターと遭遇しなかったのは流石だ」
「いえいえ、たまたまですよ」

 少し照れた様に否定する。

「この先の事なんだが、モンスター更に増えるのか?」
「はい。明日で問題の三日目ですが前回はいきなりモンスターの出現数が多くなり処理仕切れずに撤退しましたね……」

 リーダーは顔を歪ませて唇を噛み何かを思い出している様だ。

「どれくらい増えた感覚だ?」
「倍……いや、三倍くらい増えていた様に感じました」

 三倍だと!?
 今の戦力なら倒せるかもしれないが、日にちが経つ度に出現数が増えていったら、いずれ処理しきれなくなるぞ?

 そんな事は分かり切っているだろうリーダーは話し出す。

「私は、どこかで引き返す様に進言するつもりです」
「通りそうなのか?」
「言うタイミング次第かと……。班が壊滅状態であれば撤退するしか無いでしょうから」

 そしてリーダーは決意した顔付きで更に続ける。

「我々三班は一人も犠牲を出さずに他の班が壊滅状態になった際に進言して撤退する様にと考えております」

 なるほど。モンスターとの戦闘をなるべく少なくして、班の被害を最小限にし、他の班が危うくなったら進言か……。

「だが、そんな上手くいくか?」
「私は全力でモンスターの気配を読み切ってみせます」
「……信じよう」

 昨日同様の眼差しをしているため信じる事にした。

 しかし、この人は部下の心配ばかりをしているな……

「リーダー、俺から一つアドバイスいいか?」
「なんですか?」
「リーダーには兵士は合ってないな。辞めるべきだ」
「はは、私もそう思います」

 俺のアドバイスが可笑しかったのか、リーダーは声を出して笑った。

「とりあえず、お互い明日生き残れる事を考えよう」
「えぇ。私も最善を尽くしたいと思います」

 こうして二日目も全班誰も犠牲者を出さず無事に終えた。
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