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第6章
222話 シャレとリンクス
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「シャ、シャレよ置いて行かないでくれ……」
副官が小型に連れて行かれたのを目の前で見た為かどうやら腰が抜けてしまったリンクスが私に手を伸ばしている。
「もう、こんな状況になった以上戦闘も出来ないお前は助からん。諦めろ」
周囲を見ると参加者の数は少ない。ここに来たばかりの時は百人居て、最初は陣形を組んでいたが、戦っている内に参加者が思い思いの動きをして徐々に崩れていった。
それでも兵士達はリンクスの指示に従い陣形を崩さず戦ってはいたものの、参加者達の穴を埋められる訳もなく、次々と小型に捕まり移動させられてしまった。
「か、金をやろう! もし俺を無事にドワーフの村に送り届けたら宝箱を三個やってもいい!」
「話にならんな」
私はリンクスに背を向けて移動しようとするが、それでも諦めずに交渉してくる。
「ま、まて! なら五個……いや、全てくれてやる!!」
リンクスに背を向けて歩いていた私の足が止まる。
「全部とは、どれくらいのものだ?」
「た、宝箱は全部で十個だ! それだけあれば一生贅沢しても使いきれんぞ!」
……ピンチになるまでは護衛という程で一緒に行動するか。私まで危なくなったら切ればいいし。
私は一族を守る為になんとしてでも金が居る。
「その、約束を忘れるなよ?」
「あ、あぁ。もちろんだ!」
「もし、お前が約束を破った場合は容赦なく殺す、いいな?」
「あ、あぁ……」
リンクスにはありったけの殺意をぶつけて私は立ち上がらせる。
「常に全方向に注意を傾けとけ。そして、何か気付いたら私に言え」
殆どの者が小型相手に苦戦している。そして、捕まっていた。
「こんな、モンスター達は始めてだ」
これじゃ、まるで人間と戦っているのと変わらない。いや、一体当りの強さが段違いだから、人間の集団と戦うよりたちが悪い……
「お、おいシャレ……これからどうするつもりなんだ……?」
「まだ、分からん。周囲は完全にモンスター達に囲まれているから逃げられないしな」
一体どれくらいの小型がここら辺に居るのか分からない。そして何よりもさっきから人間達を捕食し続けている中型が問題である。
かなりの人数を捕食している為、今ではもう勝てる見込みすら見えなくなっただろう……
「何か良い手は無いのか……?」
改めて周りを見回すと、そこには何体ものの小型の死骸が転がっており、あちこちで人間が追いかけ回されている。
すると、一体の小型がこちらに顔を向けたのに気付く。
「不味い……バレたな」
「な、何がだ!?」
「どうやら、あそこに居る小型にバレた様だ」
極力見付からない様に小型の死骸に隠れながら移動していたが、完全にロックオンされたのか私達から顔を一切逸らさないでいた。
「ど、どうするのだ!?」
「逃げても、こんな狭い場所では直ぐに捕まる。お前を囮にしても良いが……」
「か、金は払うから頼む!」
「努力はしよう……」
リンクスと会話をしていると、小型がこちらに向かって来た。
「シャ、シャレよ……こちらに来たぞ?!」
私は、トラクから作って貰った大鎌を構える。
「リンクス、なんとか一撃は避けろよ?」
「な、何を言っている?」
「説明している暇は無さそうだ!」
小型が突進して来るのが見え、私は横にズレて攻撃を避ける。そして、リンクスも不恰好ながらも転がる様にして、なんとか小型の攻撃を避けていた。
「その調子でお前は避け続けていろ!」
私は、大鎌を小型に向かって素早く三度振る。
「やっぱり、使い心地も切れ味も段違いに良いな」
小型の外装が剥がれ、何やら液体みたいなのが流れていた。
「い、いいぞ! その調子で早く倒すんだ!」
リンクスが私の攻撃を見てはしゃぐ。再度小型が自身の顔を使い攻撃して来たので、先程と同じ様に避ける。
だが、今回はそれだけでは終わらず駒の様に回転して尻尾で流れる様に攻撃して来た。
「な、なに!?」
私は咄嗟に武器である大鎌で受けたが、とてつも無い威力が大鎌越しに伝わり吹っ飛ばされる。
「クッ……」
「シャレよ、早く起きるのだ!!」
小型の連続攻撃なんて聞いてないぞ……
今まで戦って来た小型とは戦闘方法が全然違う。
「ヒィィィー!!」
リンクスは素早く私の背中に周り、まるで盾の中に隠れる様に私の背後で縮こまっている。
もちろん、小型は私が回復するのを待ってくれる訳も無く、直ぐに突っ込んで来た。
「リンクス、避けろ」
「ヒィィィ」
小型は、リンクスに興味が無いのか、もしくはリンクスなら直ぐにでも捕まえられると思っているのか私を集中的に狙っている様だ。
「ハッ!!」
先程よりも、腕に力を入れて大鎌を振る。トラクの作った武器のお陰で小型の外装を斬っても刃こぼれしなくなったが、倒すまではまだまだ攻撃が必要である。
「クッ……どうする……?」
他の場所に居る小型達がこちらに注目し始めているのを感じる。
「シャレ、早くそいつを倒せ!」
簡単に言ってくれる……今までの小型なら問題無く倒せる自信があったが、ここに居る小型達は何かが違う……
副官が小型に連れて行かれたのを目の前で見た為かどうやら腰が抜けてしまったリンクスが私に手を伸ばしている。
「もう、こんな状況になった以上戦闘も出来ないお前は助からん。諦めろ」
周囲を見ると参加者の数は少ない。ここに来たばかりの時は百人居て、最初は陣形を組んでいたが、戦っている内に参加者が思い思いの動きをして徐々に崩れていった。
それでも兵士達はリンクスの指示に従い陣形を崩さず戦ってはいたものの、参加者達の穴を埋められる訳もなく、次々と小型に捕まり移動させられてしまった。
「か、金をやろう! もし俺を無事にドワーフの村に送り届けたら宝箱を三個やってもいい!」
「話にならんな」
私はリンクスに背を向けて移動しようとするが、それでも諦めずに交渉してくる。
「ま、まて! なら五個……いや、全てくれてやる!!」
リンクスに背を向けて歩いていた私の足が止まる。
「全部とは、どれくらいのものだ?」
「た、宝箱は全部で十個だ! それだけあれば一生贅沢しても使いきれんぞ!」
……ピンチになるまでは護衛という程で一緒に行動するか。私まで危なくなったら切ればいいし。
私は一族を守る為になんとしてでも金が居る。
「その、約束を忘れるなよ?」
「あ、あぁ。もちろんだ!」
「もし、お前が約束を破った場合は容赦なく殺す、いいな?」
「あ、あぁ……」
リンクスにはありったけの殺意をぶつけて私は立ち上がらせる。
「常に全方向に注意を傾けとけ。そして、何か気付いたら私に言え」
殆どの者が小型相手に苦戦している。そして、捕まっていた。
「こんな、モンスター達は始めてだ」
これじゃ、まるで人間と戦っているのと変わらない。いや、一体当りの強さが段違いだから、人間の集団と戦うよりたちが悪い……
「お、おいシャレ……これからどうするつもりなんだ……?」
「まだ、分からん。周囲は完全にモンスター達に囲まれているから逃げられないしな」
一体どれくらいの小型がここら辺に居るのか分からない。そして何よりもさっきから人間達を捕食し続けている中型が問題である。
かなりの人数を捕食している為、今ではもう勝てる見込みすら見えなくなっただろう……
「何か良い手は無いのか……?」
改めて周りを見回すと、そこには何体ものの小型の死骸が転がっており、あちこちで人間が追いかけ回されている。
すると、一体の小型がこちらに顔を向けたのに気付く。
「不味い……バレたな」
「な、何がだ!?」
「どうやら、あそこに居る小型にバレた様だ」
極力見付からない様に小型の死骸に隠れながら移動していたが、完全にロックオンされたのか私達から顔を一切逸らさないでいた。
「ど、どうするのだ!?」
「逃げても、こんな狭い場所では直ぐに捕まる。お前を囮にしても良いが……」
「か、金は払うから頼む!」
「努力はしよう……」
リンクスと会話をしていると、小型がこちらに向かって来た。
「シャ、シャレよ……こちらに来たぞ?!」
私は、トラクから作って貰った大鎌を構える。
「リンクス、なんとか一撃は避けろよ?」
「な、何を言っている?」
「説明している暇は無さそうだ!」
小型が突進して来るのが見え、私は横にズレて攻撃を避ける。そして、リンクスも不恰好ながらも転がる様にして、なんとか小型の攻撃を避けていた。
「その調子でお前は避け続けていろ!」
私は、大鎌を小型に向かって素早く三度振る。
「やっぱり、使い心地も切れ味も段違いに良いな」
小型の外装が剥がれ、何やら液体みたいなのが流れていた。
「い、いいぞ! その調子で早く倒すんだ!」
リンクスが私の攻撃を見てはしゃぐ。再度小型が自身の顔を使い攻撃して来たので、先程と同じ様に避ける。
だが、今回はそれだけでは終わらず駒の様に回転して尻尾で流れる様に攻撃して来た。
「な、なに!?」
私は咄嗟に武器である大鎌で受けたが、とてつも無い威力が大鎌越しに伝わり吹っ飛ばされる。
「クッ……」
「シャレよ、早く起きるのだ!!」
小型の連続攻撃なんて聞いてないぞ……
今まで戦って来た小型とは戦闘方法が全然違う。
「ヒィィィー!!」
リンクスは素早く私の背中に周り、まるで盾の中に隠れる様に私の背後で縮こまっている。
もちろん、小型は私が回復するのを待ってくれる訳も無く、直ぐに突っ込んで来た。
「リンクス、避けろ」
「ヒィィィ」
小型は、リンクスに興味が無いのか、もしくはリンクスなら直ぐにでも捕まえられると思っているのか私を集中的に狙っている様だ。
「ハッ!!」
先程よりも、腕に力を入れて大鎌を振る。トラクの作った武器のお陰で小型の外装を斬っても刃こぼれしなくなったが、倒すまではまだまだ攻撃が必要である。
「クッ……どうする……?」
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