268 / 492
第7章
267話 ネークの怒り 2
しおりを挟む
「おい、来たぞ!」
普段のネークでは考えられ無い程の口調と声量でジャングルの何処に居ても聴こえるくらいで叫ぶ。
「クソ野郎、出て来い!」
ガバイの指定した場所は村から大分離れた場所であった。すると、ニヤニヤと笑いながらガバイとサット、マットが姿を現した。
「おやおや、呼び出して置いてアレですがこんなに大勢で来るとは思いませんでしたよ」
ガバイの一言一言に対してネークを含めた獣人族達は怒りを覚える。
「おい、ガバイ。なんでコナを殺した?」
俺はガバイに向かって理由を聞き出す。
「殺す……? ──あぁ、あの家畜の事ですか」
ガバイが家畜と言った瞬間だった。今まで我慢していた筈のネークが剣を抜きガバイに向かって走り出す。
「殺す!」
その形相は正に修羅である。
やべぇ、追いつけねぇ!
俺は必死に止めようと追い掛けるが、ネークはどんどんガバイとの距離を詰めていく。
「──悪いな、デグに頼まれた」
ガバイとの距離を半分程詰めた辺りで先程まで隣にいた筈のシクさんがネークの前に立ちはだかる様に立っていた。
やっぱり、早いな……
「シク様、どいてくれ! コイツがコナを──」
「気持ちは分からないでも無いが、やめとけ」
シクさんのお陰で追い付いた俺はネークの肩を掴む。
「シクさんの言う通りだ。こんな事したら村に住めなくなっちまう」
「そんなの今更関係ねぇ! コナが居なかったら意味ねぇーんだよ!」
ネークの肩が小刻み揺れているのが振動でわかる。コナが死んだ悲しみとガバイによる殺意が入り混じっているのだと思う。
「ネーク。お前が良くても仲間は違うだろ? お前と同じ気持ちかもしれ無いが、今村を追い出されてジャングルを彷徨ったら死ぬかもしれないんだぞ?」
俺の言葉に反応するかの様に一瞬だけ身体がビクンとなったのが分かる。
「お前はリーダーなんだから、気持ちは分かるが、仲間の為にもここは抑えるんだ」
「……」
ネーク自身仲間思いの為、俺の言葉に無言で頷く。
「素晴らしい──自分の妻が殺されたと言うのに気持ちを抑え込む事が出来るなんて」
そう言って、息子達が何やら玉みたいなのをシクさんとネークに投げ付けてきた。
「な、何だ!?」
その玉は二人に当たると破裂して中にはいっていた粉が二人を包み込んだ。
「何しやがった!?」
「あはは──いえいえ石だと流石に可哀想なので泥団子を投げただけですよ。デグさんには当たら無いで、そこの家畜二匹だけに当たったんだからいいじゃ無いですか」
笑いながらガバイや息子達はタオルの様な物で手を拭いている。
「さて、恐らく時間が後少ししか無いと思うので、何か聞きたい事はありますかな?」
時間が無いという言葉が引っかかるが、今は質問をする。
「さっき聞いたが、何故殺した?」
「あぁ──それは、そちらに居る家畜がダブル持ちになったので、私の立場が危くなりそうだったので殺しました」
表情を変えずに、淡々と語るガバイ。
「それに、家畜ってだけでイライラしていましたが、殺した家畜は私を見る時、毎回汚物を見るかの様に目を細めるのでイライラしていたんですよ」
「お前は……そんな理由なだけで俺の妻を殺したのか……?」
「えぇ。貴方達が村に居ると臭いんですよねぇ」
溜息を吐く仕草をしてからガバイは左右に頭を振る。
「まぁ──要するに貴方たち全員が私の考える計画に邪魔なんですよ」
「さっきかは何度か言っているが計画とは何んだ?」
俺は凄む様に睨みつけ質問する。
「もう直ぐ死ぬ貴方達に言う必要なんてありますか?」
「あはは、親父の言う通りだぜ」
「ここにいる全員が間違いなく死ぬよな!」
ガバイ達親子は何がそんなにおかしいのか腹を抱えて笑っていた。
「さっきから、何を言っている?!」
俺は、ガバイ達が一向に計画について話さ無い為、痺れを切らせて叫ぶ様に聞く。
すると、いつからだろうか地面が揺れている事に気がつく。
「なんだ?」
俺以外にも地面の揺れに気がつく者達が居て、周囲を見回すが特に変わった様子は無い。
しかし、レギュだけは目を瞑り耳を澄ます様に周囲の音を聞き取っている様だ。
「や、山神様、デグさん大変です!」
焦る様に大声を上げるレギュに皆が顔を向ける。
「モ、モンスターが物凄い勢いで向かっています──それもかなりの数が!」
レギュの言葉にガバイ達はより一層口角を上げる。
「貴方達、早く逃げた方が宜しいのでは?」
同じ状況の筈なのにガバイ達は余裕な表情を浮かべている。
「ふふふ」
「何がおかしい?」
「まだ、気付きませんか? ──えぇそうでよね。貴方は頭が悪い」
振動はどんどん大きくなってくる。
「一応教えといてあげましょう。先程泥団子と言っていたのは嘘で、あれは人間族が独自で作ったモンスターを誘き寄せる玉なんですよ」
「どう言う事だ?」
ガバイは溜息を吐いて更に説明する。
「簡単に言いますと、先程の玉に当たるとモンスターが当たった相手に向かってひたすら追い掛けるんですよ」
ガバイが話し終えたタイミングで木々からモンスター達が顔を覗かせた。
「ほら、来ましたよ? 早くお逃げなさい──あの村は、これから私が管理しますのでご安心ください」
そう言って、ガバイは笑顔で手を振る様な仕草をした。
モンスターは一直線に俺達に向かって来た。
クソッ! 今思うと、全てガバイがこの村を乗っ取る為の計画だったのか!?
──だが村を乗っとる目的は何だ? 単純に住む場所が欲しかったからか? 俺はガバイ達の目的を考えるが、そんな暇が無い事に気付く。
「逃げるぞ!」
俺の声に皆が一斉に従い走り出した。
「覚えとけよ?」
「これから、死ぬ貴方達の事なんて覚えとく必要は無いと思います」
村を乗っ取られた悔しさや、最初の時点でガバイを村に入れた己の愚かさに怒りを覚えながら更にガバイに対して何かを言おうと口を開きかけた時。
「デグさん、やばいッス! 早く逃げるッス!」
ラバが背中を押しながら無理矢理俺の事を走らす……
普段のネークでは考えられ無い程の口調と声量でジャングルの何処に居ても聴こえるくらいで叫ぶ。
「クソ野郎、出て来い!」
ガバイの指定した場所は村から大分離れた場所であった。すると、ニヤニヤと笑いながらガバイとサット、マットが姿を現した。
「おやおや、呼び出して置いてアレですがこんなに大勢で来るとは思いませんでしたよ」
ガバイの一言一言に対してネークを含めた獣人族達は怒りを覚える。
「おい、ガバイ。なんでコナを殺した?」
俺はガバイに向かって理由を聞き出す。
「殺す……? ──あぁ、あの家畜の事ですか」
ガバイが家畜と言った瞬間だった。今まで我慢していた筈のネークが剣を抜きガバイに向かって走り出す。
「殺す!」
その形相は正に修羅である。
やべぇ、追いつけねぇ!
俺は必死に止めようと追い掛けるが、ネークはどんどんガバイとの距離を詰めていく。
「──悪いな、デグに頼まれた」
ガバイとの距離を半分程詰めた辺りで先程まで隣にいた筈のシクさんがネークの前に立ちはだかる様に立っていた。
やっぱり、早いな……
「シク様、どいてくれ! コイツがコナを──」
「気持ちは分からないでも無いが、やめとけ」
シクさんのお陰で追い付いた俺はネークの肩を掴む。
「シクさんの言う通りだ。こんな事したら村に住めなくなっちまう」
「そんなの今更関係ねぇ! コナが居なかったら意味ねぇーんだよ!」
ネークの肩が小刻み揺れているのが振動でわかる。コナが死んだ悲しみとガバイによる殺意が入り混じっているのだと思う。
「ネーク。お前が良くても仲間は違うだろ? お前と同じ気持ちかもしれ無いが、今村を追い出されてジャングルを彷徨ったら死ぬかもしれないんだぞ?」
俺の言葉に反応するかの様に一瞬だけ身体がビクンとなったのが分かる。
「お前はリーダーなんだから、気持ちは分かるが、仲間の為にもここは抑えるんだ」
「……」
ネーク自身仲間思いの為、俺の言葉に無言で頷く。
「素晴らしい──自分の妻が殺されたと言うのに気持ちを抑え込む事が出来るなんて」
そう言って、息子達が何やら玉みたいなのをシクさんとネークに投げ付けてきた。
「な、何だ!?」
その玉は二人に当たると破裂して中にはいっていた粉が二人を包み込んだ。
「何しやがった!?」
「あはは──いえいえ石だと流石に可哀想なので泥団子を投げただけですよ。デグさんには当たら無いで、そこの家畜二匹だけに当たったんだからいいじゃ無いですか」
笑いながらガバイや息子達はタオルの様な物で手を拭いている。
「さて、恐らく時間が後少ししか無いと思うので、何か聞きたい事はありますかな?」
時間が無いという言葉が引っかかるが、今は質問をする。
「さっき聞いたが、何故殺した?」
「あぁ──それは、そちらに居る家畜がダブル持ちになったので、私の立場が危くなりそうだったので殺しました」
表情を変えずに、淡々と語るガバイ。
「それに、家畜ってだけでイライラしていましたが、殺した家畜は私を見る時、毎回汚物を見るかの様に目を細めるのでイライラしていたんですよ」
「お前は……そんな理由なだけで俺の妻を殺したのか……?」
「えぇ。貴方達が村に居ると臭いんですよねぇ」
溜息を吐く仕草をしてからガバイは左右に頭を振る。
「まぁ──要するに貴方たち全員が私の考える計画に邪魔なんですよ」
「さっきかは何度か言っているが計画とは何んだ?」
俺は凄む様に睨みつけ質問する。
「もう直ぐ死ぬ貴方達に言う必要なんてありますか?」
「あはは、親父の言う通りだぜ」
「ここにいる全員が間違いなく死ぬよな!」
ガバイ達親子は何がそんなにおかしいのか腹を抱えて笑っていた。
「さっきから、何を言っている?!」
俺は、ガバイ達が一向に計画について話さ無い為、痺れを切らせて叫ぶ様に聞く。
すると、いつからだろうか地面が揺れている事に気がつく。
「なんだ?」
俺以外にも地面の揺れに気がつく者達が居て、周囲を見回すが特に変わった様子は無い。
しかし、レギュだけは目を瞑り耳を澄ます様に周囲の音を聞き取っている様だ。
「や、山神様、デグさん大変です!」
焦る様に大声を上げるレギュに皆が顔を向ける。
「モ、モンスターが物凄い勢いで向かっています──それもかなりの数が!」
レギュの言葉にガバイ達はより一層口角を上げる。
「貴方達、早く逃げた方が宜しいのでは?」
同じ状況の筈なのにガバイ達は余裕な表情を浮かべている。
「ふふふ」
「何がおかしい?」
「まだ、気付きませんか? ──えぇそうでよね。貴方は頭が悪い」
振動はどんどん大きくなってくる。
「一応教えといてあげましょう。先程泥団子と言っていたのは嘘で、あれは人間族が独自で作ったモンスターを誘き寄せる玉なんですよ」
「どう言う事だ?」
ガバイは溜息を吐いて更に説明する。
「簡単に言いますと、先程の玉に当たるとモンスターが当たった相手に向かってひたすら追い掛けるんですよ」
ガバイが話し終えたタイミングで木々からモンスター達が顔を覗かせた。
「ほら、来ましたよ? 早くお逃げなさい──あの村は、これから私が管理しますのでご安心ください」
そう言って、ガバイは笑顔で手を振る様な仕草をした。
モンスターは一直線に俺達に向かって来た。
クソッ! 今思うと、全てガバイがこの村を乗っ取る為の計画だったのか!?
──だが村を乗っとる目的は何だ? 単純に住む場所が欲しかったからか? 俺はガバイ達の目的を考えるが、そんな暇が無い事に気付く。
「逃げるぞ!」
俺の声に皆が一斉に従い走り出した。
「覚えとけよ?」
「これから、死ぬ貴方達の事なんて覚えとく必要は無いと思います」
村を乗っ取られた悔しさや、最初の時点でガバイを村に入れた己の愚かさに怒りを覚えながら更にガバイに対して何かを言おうと口を開きかけた時。
「デグさん、やばいッス! 早く逃げるッス!」
ラバが背中を押しながら無理矢理俺の事を走らす……
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる