過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第8章

338話

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「ようやく、出てきたな?」

 アトスと別れたロピが木から出てきたのを確認してニヤリと微笑む炎弾にロピは嫌そうな顔をする。

「こ、これでそこの人達を村に解き放つのをやめてくれる?」

 恐る恐る確認すると、炎弾は表情を変えないまま頷く。

「あぁ、この後ろにいる奴らに村を襲わせる事はさせない──だがら私と戦え」
「い、嫌だと言ったらどうするー?」
「ふふふ、雷弾よ、貴様は面白いな?」
「ぜ、全然面白く無いよ! だ、だからこっち近付いて来ないで!」

 雷弾にゆっくりと近づく炎弾。

 そして、炎弾が近付いて来た分、距離を取る雷弾……

「ヘラデス様、こんな事してないで早く攻め入りましょう」
「黙れ……私は雷弾と勝負がしてぇんだよ!」
「ですが、それだと」
「うるせぇ! 戦いなんて、どうせ私達の勝利で終わんだろ!」

 炎弾の言葉にビクリと身体を動かす部下。

 そして、炎弾の言う通り、この戦いは人間族の勝利で終わると部下達も考えている。

「勝利が決まっているなら、別に雷弾と戦っても問題ねぇーだろ、お前達は黙って見てろ」

 炎弾は眼光一つで背後にいた部下全員を黙らせた。

 そして、ロピの方に再び顔を向ける。

「悪かったな、これで大丈夫だ──部下共は黙らせた。安心してくれ」
「あ、ありがとう……?」
「ふふふ」
「ど、どうしたのー?」
「いや、何でも無い──それよりもそろそろ戦おうか」

 炎弾は鋭くロピを睨み付ける。

「どうらや、やるしか無いみたいだね……」

 ロピは諦める様にして腰から中型スリングショットを取り出す。

「それが、噂の雷弾の武器か──確かスリングショットとか言ったか?」
「そうだよ。お兄さんが私の為に考えてくれたの!」
「お兄さん? 誰だそいつは?」
「私の大切な人!」

 その言葉を口にした時だけ、ロピの表情が緩んだ──しかし、慌てて気を引き締める様に炎弾を見る。

 そんなロピの様子を見て、炎弾が何かを企む様な表情をした。

「ほぅ……お兄さんねぇ……」

 誰にも聞こえない様に呟いた後、アトスについてロピに質問を投げ掛ける。

「そのお兄さんとは、先程一緒に居た者か?」
「うん、そうだよ」
「ハンッ! あんな片腕野郎の武器なんて、大した事無さそうだな」
「──ッ!?」

 炎弾の言葉にロピの身体が一瞬だけ反応する。

 その反応を見て、炎弾はニヤける。

「なぁ、お前らもさっき見たよな?」

 炎弾は背後に居る者達に向かって問い掛ける。

「あの、片腕しか無い奴をよ!」
「えぇ、見ました。ヘラデス様の言う通り、あんな奴が考えた武器なんて大した事無さそうですな」
「そもそも、あの野郎は何でこんな戦場にいるんだよ」
「そりゃ、戦う為か?」
「あんな身体で戦える筈ねぇーだろ!」

 部下達の笑い声が周囲に響き渡る。

 ヘラデスの言葉に部下達が次々とアトスを酷評する。

「雷弾よ、そもそもアイツは何だ? 私達がお前らを奴隷にする様に、もしかして、あの片腕野郎はお前の奴隷かペットか?」

 炎弾の言葉に周りが一斉に笑い出す。

「なぁ、雷弾よ! お前は奴隷に普段何をさせたりしているんだ? あんな片腕しかねぇーやつによ」

 アトスの事を散々、言いたい放題言った炎弾はロピに注目する。

 すると、先程から黙り込んでいたロピがブツブツと何やら呟いていた。

「…………ない」
「あ?」
「…………るさない」
「聞こえねぇーな」

 ニヤケ顔を貼り付けたまま、ロピに対して近づく炎弾。

 そして、とうとうロピの目の前まで移動した。

「さっきから、何を言っているか聞こえねぇーんだよ」

 ロピの前で一度止まる。

「お前を……」
「あ?」
「絶対に許さない!」
「──ッ!?」

 ロピには珍しく、腰を落とし全力の拳を炎弾に叩き付けた。

 炎弾は咄嗟に腕でガードをしたが、獣人族である、ロピの一撃は強く、数メートル程、飛ばされた。

「絶対に、お前を許さない!」

 今まで、見た事の無い怒りの表情を浮かべるロピ。

「──面白ぇ!」

 満面の笑みを浮かべて炎弾は直ぐ様起き上がり構えを取る

 こうして、雷弾と炎弾の戦いが始まった……

 



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