355 / 492
第9章
354話
しおりを挟む
「では、行ってくる」
「シク様……危険な事をさせてしまい、申し訳ございません」
人間族の住処に侵入する為、奴隷になる作戦を立てたネークは本当に申し訳無さそうな表情をしていた。
「ラシェン王の殺害したら、合図を送る」
「お待ちしております。合図と共に我らは人間族の住処に奇襲を掛けて混乱させますので、その間にお逃げください」
「あぁ、分かった」
ネークは頭を下げた後に私の背後に控えているガルルとググガに向かって声を掛ける。
「お前達、副リーダーとして、シク様を頼むぞ」
「お任せ下さい」
「任せてくれ、俺と兄貴が何があっても守るぜ!」
ガルルとググガの言葉に頷くネーク。
そして、私を含めた十人はネーク達に見送られながら出発した。
「シク様、午後までに奴隷商人との集合場所まで行く必要があるので、もう少しスピードを早めだ方がいいかもしれません」
「あぁ、分かった」
「はは、兄貴は、こういう細かい事が得意で便利だぜ」
今回は暗殺の為、私を含めたメンバー全員のスキルが身体強化の部位が足の様だ。
ネークの奴、なかなか良い判断するじゃ無いか。
ラシェン王の殺害後、どうしても逃げる必要が発生するからな……
「あ、あのシャ、シャレ様……」
「どうした、キャリ?」
「あ、あの、私頑張りますので、よ、よろしくお願いします」
「あぁ、こちらこそ、よろしく頼む」
目の前のオドオドした態度の女の子はキャリだ。
いつも、何かに怯えている様な雰囲気を纏っている者だ。
更に、自身の顔を隠したいのか前髪で目を完全に隠している。
それと、気になる事は、前髪で隠れた目は常にガルルを追っているのは何故だろうか……?
「うふふ。キャリ抜け駆けはずるいわよ?」
キャリとの挨拶が終わると直ぐにもう一人の獣人が話し掛けて来た。
「シャレ様、私もキャリ同様全力で貴方様に仕えますので、これからよろしくお願いします」
「あぁ、リッテも宜しく頼む」
キャリの次に挨拶して来たのは、リッテであった。
リッテはとてもスタイルが良く、目元には泣き黒子があり、とても妖艶な雰囲気を纏っていた。
キャリは小柄でリッテは何もかも大きい。
二人が並ぶと、まるで凸凹コンビに見えるな。
「俺はガルルと言う、宜しく頼む」
「よよよよ、よろしくお願いします……」
ガルルがキャリに向かって挨拶するが、当の本人は緊張しているのか、マトモに声が出せてなかった。
「うふふ。もしかして、そういうことかしら?」
何やら楽しそうに二人の様子を見るリッテ。
「そういう事って何だ?」
私は気になり、聞くとリッテは真面目な表情になり応えてくれた。
「キャリにピンク色の季節が来た様です」
「ピンク?」
「うふふ。シャレ様は気にしないで大丈夫ですよ」
満面の笑みを浮かべて応えるリッテに、私は首を傾げるしか出来なかった。
「そちらも、宜しく頼むガルルだ」
「俺はググガだぜ!」
ガルルとググガはリッテに向かって挨拶するが……
「うふふ。アンタ達二人は、シャレ様と私、キャリの為にせいぜい頑張りなさい」
「「ッな?!」」
リッテは笑顔で二人に毒を吐く。
「あ、兄貴」
「な、なんだググガよ……?」
「な、なんであの女は俺達にあんな態度なんだ?」
「分からん……お前が聞いて来い」
「え?!」
イケッとガルルは顎を動かしググガを動かす。
「あ、あのよ。俺達は副リーダーだぜ? もっと、こう態度──」
「──うふふ、アンタ達が副リーダーなのが気に食わないのよ」
「な、なんでだよ! ネークさんの指示だぜ」
「ッチ!」
「お、おい兄貴聞いたか?! この女、舌打ちしやがったぞ?!」
「むぅ……納得出来ん」
何やらガルル、ググガ兄弟にはキツ目に当たるリッテは次にキャリの方を向く。
「ッヒ!?」
「うふふ、話すのは初めてよね? 私はリッテよ、宜しくね」
「は、ハイッ! キャ、キャリと言います。よ、宜しくお願いします」
キャリはリッテに完全にビビっている様で、深々と頭を下げる。
「うふふ。そんなに怖がらないで頂戴」
「いや、無理だろ……」
「無理だな……」
「ッあ?」
「「!?」」
綺麗な顔でキャリに笑顔を向けていたリッテであったが、ググガとガルルの呟きを聞き、鬼の形相をしながら二人を睨みつけた。
「アンタ達、今なんか言った?」
「な、何も言ってねぇーよ! なぁ、兄貴?」
「う、うむ。一言も話してない」
「本当かしら……?」
リッテは二人の顔を交互に睨み付けるが、二人は目を逸らし誤魔化すし、近くに居るキャリはそんなリッテを見てガタガタと震えていた。
ふむ……デグ達とは、また違った意味で濃いメンツ達が集まった様だな。
ネークと別れて直ぐだと言うのに、もうあんなに仲良くなるなんてな……
少しの間、感慨深く眺めていだ私だったが全員に声を掛ける。
「お前達、もう少しスピードを上げるぞ」
「はい、シク様」
「わ、分かりました!」
「流石、シク様だぜ! あのままだったら……」
「全くだ……流石シク様だ」
私の言葉に直ぐに反応した四人と更に後方で周りの様子を見てくれている五人と共に奴隷商人の所に急ぐのであった。
「シク様……危険な事をさせてしまい、申し訳ございません」
人間族の住処に侵入する為、奴隷になる作戦を立てたネークは本当に申し訳無さそうな表情をしていた。
「ラシェン王の殺害したら、合図を送る」
「お待ちしております。合図と共に我らは人間族の住処に奇襲を掛けて混乱させますので、その間にお逃げください」
「あぁ、分かった」
ネークは頭を下げた後に私の背後に控えているガルルとググガに向かって声を掛ける。
「お前達、副リーダーとして、シク様を頼むぞ」
「お任せ下さい」
「任せてくれ、俺と兄貴が何があっても守るぜ!」
ガルルとググガの言葉に頷くネーク。
そして、私を含めた十人はネーク達に見送られながら出発した。
「シク様、午後までに奴隷商人との集合場所まで行く必要があるので、もう少しスピードを早めだ方がいいかもしれません」
「あぁ、分かった」
「はは、兄貴は、こういう細かい事が得意で便利だぜ」
今回は暗殺の為、私を含めたメンバー全員のスキルが身体強化の部位が足の様だ。
ネークの奴、なかなか良い判断するじゃ無いか。
ラシェン王の殺害後、どうしても逃げる必要が発生するからな……
「あ、あのシャ、シャレ様……」
「どうした、キャリ?」
「あ、あの、私頑張りますので、よ、よろしくお願いします」
「あぁ、こちらこそ、よろしく頼む」
目の前のオドオドした態度の女の子はキャリだ。
いつも、何かに怯えている様な雰囲気を纏っている者だ。
更に、自身の顔を隠したいのか前髪で目を完全に隠している。
それと、気になる事は、前髪で隠れた目は常にガルルを追っているのは何故だろうか……?
「うふふ。キャリ抜け駆けはずるいわよ?」
キャリとの挨拶が終わると直ぐにもう一人の獣人が話し掛けて来た。
「シャレ様、私もキャリ同様全力で貴方様に仕えますので、これからよろしくお願いします」
「あぁ、リッテも宜しく頼む」
キャリの次に挨拶して来たのは、リッテであった。
リッテはとてもスタイルが良く、目元には泣き黒子があり、とても妖艶な雰囲気を纏っていた。
キャリは小柄でリッテは何もかも大きい。
二人が並ぶと、まるで凸凹コンビに見えるな。
「俺はガルルと言う、宜しく頼む」
「よよよよ、よろしくお願いします……」
ガルルがキャリに向かって挨拶するが、当の本人は緊張しているのか、マトモに声が出せてなかった。
「うふふ。もしかして、そういうことかしら?」
何やら楽しそうに二人の様子を見るリッテ。
「そういう事って何だ?」
私は気になり、聞くとリッテは真面目な表情になり応えてくれた。
「キャリにピンク色の季節が来た様です」
「ピンク?」
「うふふ。シャレ様は気にしないで大丈夫ですよ」
満面の笑みを浮かべて応えるリッテに、私は首を傾げるしか出来なかった。
「そちらも、宜しく頼むガルルだ」
「俺はググガだぜ!」
ガルルとググガはリッテに向かって挨拶するが……
「うふふ。アンタ達二人は、シャレ様と私、キャリの為にせいぜい頑張りなさい」
「「ッな?!」」
リッテは笑顔で二人に毒を吐く。
「あ、兄貴」
「な、なんだググガよ……?」
「な、なんであの女は俺達にあんな態度なんだ?」
「分からん……お前が聞いて来い」
「え?!」
イケッとガルルは顎を動かしググガを動かす。
「あ、あのよ。俺達は副リーダーだぜ? もっと、こう態度──」
「──うふふ、アンタ達が副リーダーなのが気に食わないのよ」
「な、なんでだよ! ネークさんの指示だぜ」
「ッチ!」
「お、おい兄貴聞いたか?! この女、舌打ちしやがったぞ?!」
「むぅ……納得出来ん」
何やらガルル、ググガ兄弟にはキツ目に当たるリッテは次にキャリの方を向く。
「ッヒ!?」
「うふふ、話すのは初めてよね? 私はリッテよ、宜しくね」
「は、ハイッ! キャ、キャリと言います。よ、宜しくお願いします」
キャリはリッテに完全にビビっている様で、深々と頭を下げる。
「うふふ。そんなに怖がらないで頂戴」
「いや、無理だろ……」
「無理だな……」
「ッあ?」
「「!?」」
綺麗な顔でキャリに笑顔を向けていたリッテであったが、ググガとガルルの呟きを聞き、鬼の形相をしながら二人を睨みつけた。
「アンタ達、今なんか言った?」
「な、何も言ってねぇーよ! なぁ、兄貴?」
「う、うむ。一言も話してない」
「本当かしら……?」
リッテは二人の顔を交互に睨み付けるが、二人は目を逸らし誤魔化すし、近くに居るキャリはそんなリッテを見てガタガタと震えていた。
ふむ……デグ達とは、また違った意味で濃いメンツ達が集まった様だな。
ネークと別れて直ぐだと言うのに、もうあんなに仲良くなるなんてな……
少しの間、感慨深く眺めていだ私だったが全員に声を掛ける。
「お前達、もう少しスピードを上げるぞ」
「はい、シク様」
「わ、分かりました!」
「流石、シク様だぜ! あのままだったら……」
「全くだ……流石シク様だ」
私の言葉に直ぐに反応した四人と更に後方で周りの様子を見てくれている五人と共に奴隷商人の所に急ぐのであった。
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる