366 / 492
第9章
365話
しおりを挟む
私は扉の叩く音で目を覚ました。
「シ、シク様、朝ですが起きていますか?」
どうやら、キャリが起こしに来てくれた様だ。
外を見ると、まだ少し薄暗く完全には日が昇っていない。
「今日は気合を入れないとな……」
身体を起こし、素早く着替えを済まして部屋から出る。
「シ、シク様、おはようございます!」
「あぁ、おはよう」
「ガ、ガルルさん達、全員集まっています」
「分かった」
キャリと一緒にガルルの部屋に行くと既に全員が集まっていた。
「うふふ、シク様。おはようございます」
キャリに聴くとリッテは昨日の夜遅くに部屋に戻って来た様だ。
パッと見はいつもと変わら無いので少し安心だな。
「シク様、おはようございます」
「シク様、昨日は良く寝れたか?」
ガルルとググガ達全員に挨拶を済ませて椅子に座ると、副リーダーのガルルが口を開く。
「皆んな、今日はコロシアム当日だ。もしかしたら、今日でラシェン王を殺害する事が出来るかもしれない──だから各自自身の仕事を完璧に遂行してくれ」
「「「「「おう!!」」」」」
詳細な作戦は昨日の夜に話し合った為、私も含めて皆んな完璧に頭に入っている。
「うふふ、兄貴の方は少しだけカッコいいわね」
「は、はい! そ、そうなんですよ──ガ、ガルルさんは頼りになってカッコイイです!」
「そんなに、好きなら付き合ったら良いじゃない?」
「つ、付き合う?! そ、そんなお恐れた事、とてもじゃ無いですが無理です!」
リッテがキャリに何やら話していると、キャリの顔が真っ赤になる。
「シク様も、好きなら相手に、好きだって事を伝えるべきだと思いますよねー?」
リッテの問いに私は一瞬だけ考えで応える。
「私は誰かを好きになった事が無いからよく分からん──しかし誰かの事が好きなら伝えるべきだと思うぞ?」
「ほら、見なさい。シク様も、こう仰っているわよ?」
ニンマリとするリッテ。
そんなリッテに囃し立てられキャリも前髪の奥からチラチラとガルルの様子を伺っているが、結局は恥ずかしいのか声を掛けられ無い様だ。
「わ、私は見ているだけで満足です!」
更にキャリを揶揄うつもりなのか、近付こうと足を動かすリッテだったが──その時、扉をノックする大人部屋内に響いた。
「皆様、そろそろお時間でございます。準備してコロシアムに向かいますので一度食堂に来て下さい」
それから私達は一旦食堂に移動した。
すると、テーブルの上には鎖の首輪が十人分程置かれていた。
「プブリウス様はお優しい方なので、普段屋敷では首輪をする必要は無いと仰っていますが、外では装着して頂きます」
説明してくれた執事長の首にも鎖の首輪が付けられている。
「うふふ、また付けないと行けないのかしら……」
「しょ、しょうがないですよ……」
やはり、首輪と言うものを首に装着したくは無い。
首輪を付ける事によって、見た目から優劣を認識させられて自身が惨めな気持ちになる。
だが、そんなワガママを言っている暇でも無い為、しょうがなく装着する。
「皆さん、付け終わりましたね?」
「なぁ──今日は執事長も来るのか?」
ガルルの不躾な質問に首を頷いた。
「えぇ、私も今回は皆さんと一緒に参ります」
「一体何人でコロシアムに行く気だよ……」
「プブリウス様を含めて総勢十五人でコロシアムに向かいます」
十五人もか。
「めちゃくちゃ多いじゃねぇーか!」
「いえ、そんな事はありません──プブリウス様はこの街で五本指に入るくらいなので、これでも少ない方です」
それから、服装などを奴隷らしくすると、丁度プブリウスが食堂に登場する。
「皆さん、おはようございます──そして、シクさんもおはようございます」
食堂に入って来たプブリウスは一度獣人達の首元を確認して納得した為か首を上下に動かした。
「シクさん、すみません──貴方には鎖が似合わないのは重々承知ですが、こうしないと外に出られないのです」
プブリウスが、一つ一つ丁寧に取り付けられているかを確認する。
「おや?」
すると、リッテの所で一度止まる。
「ふふふ、リッテさん昨日の夜は、とても素敵でしたよ?」
「……」
「私があんなに責められたのは、初めてです──またよろしくお願いしますね」
「──ッ……」
何の事か分からないが、リッテの表情を見る限り、いい事では無い様だ。
その後執事長から、注意点などを聞き、コロシアムに向かうのであった。
「周りを興味深く観察するのはいいですが、目線を他の人間族達に向けるのはやめて下さいね?」
珍しさのあまり、我々獣人族を見ようと人間族が見て来るが、逆に我々獣人族が人間族を見返すと罪に問われる可能性があるので注意が必要だ。
こうして、主人であるプブリウスと執事長からの話を聞き、私達はコロシアムに到着した……
「シ、シク様、朝ですが起きていますか?」
どうやら、キャリが起こしに来てくれた様だ。
外を見ると、まだ少し薄暗く完全には日が昇っていない。
「今日は気合を入れないとな……」
身体を起こし、素早く着替えを済まして部屋から出る。
「シ、シク様、おはようございます!」
「あぁ、おはよう」
「ガ、ガルルさん達、全員集まっています」
「分かった」
キャリと一緒にガルルの部屋に行くと既に全員が集まっていた。
「うふふ、シク様。おはようございます」
キャリに聴くとリッテは昨日の夜遅くに部屋に戻って来た様だ。
パッと見はいつもと変わら無いので少し安心だな。
「シク様、おはようございます」
「シク様、昨日は良く寝れたか?」
ガルルとググガ達全員に挨拶を済ませて椅子に座ると、副リーダーのガルルが口を開く。
「皆んな、今日はコロシアム当日だ。もしかしたら、今日でラシェン王を殺害する事が出来るかもしれない──だから各自自身の仕事を完璧に遂行してくれ」
「「「「「おう!!」」」」」
詳細な作戦は昨日の夜に話し合った為、私も含めて皆んな完璧に頭に入っている。
「うふふ、兄貴の方は少しだけカッコいいわね」
「は、はい! そ、そうなんですよ──ガ、ガルルさんは頼りになってカッコイイです!」
「そんなに、好きなら付き合ったら良いじゃない?」
「つ、付き合う?! そ、そんなお恐れた事、とてもじゃ無いですが無理です!」
リッテがキャリに何やら話していると、キャリの顔が真っ赤になる。
「シク様も、好きなら相手に、好きだって事を伝えるべきだと思いますよねー?」
リッテの問いに私は一瞬だけ考えで応える。
「私は誰かを好きになった事が無いからよく分からん──しかし誰かの事が好きなら伝えるべきだと思うぞ?」
「ほら、見なさい。シク様も、こう仰っているわよ?」
ニンマリとするリッテ。
そんなリッテに囃し立てられキャリも前髪の奥からチラチラとガルルの様子を伺っているが、結局は恥ずかしいのか声を掛けられ無い様だ。
「わ、私は見ているだけで満足です!」
更にキャリを揶揄うつもりなのか、近付こうと足を動かすリッテだったが──その時、扉をノックする大人部屋内に響いた。
「皆様、そろそろお時間でございます。準備してコロシアムに向かいますので一度食堂に来て下さい」
それから私達は一旦食堂に移動した。
すると、テーブルの上には鎖の首輪が十人分程置かれていた。
「プブリウス様はお優しい方なので、普段屋敷では首輪をする必要は無いと仰っていますが、外では装着して頂きます」
説明してくれた執事長の首にも鎖の首輪が付けられている。
「うふふ、また付けないと行けないのかしら……」
「しょ、しょうがないですよ……」
やはり、首輪と言うものを首に装着したくは無い。
首輪を付ける事によって、見た目から優劣を認識させられて自身が惨めな気持ちになる。
だが、そんなワガママを言っている暇でも無い為、しょうがなく装着する。
「皆さん、付け終わりましたね?」
「なぁ──今日は執事長も来るのか?」
ガルルの不躾な質問に首を頷いた。
「えぇ、私も今回は皆さんと一緒に参ります」
「一体何人でコロシアムに行く気だよ……」
「プブリウス様を含めて総勢十五人でコロシアムに向かいます」
十五人もか。
「めちゃくちゃ多いじゃねぇーか!」
「いえ、そんな事はありません──プブリウス様はこの街で五本指に入るくらいなので、これでも少ない方です」
それから、服装などを奴隷らしくすると、丁度プブリウスが食堂に登場する。
「皆さん、おはようございます──そして、シクさんもおはようございます」
食堂に入って来たプブリウスは一度獣人達の首元を確認して納得した為か首を上下に動かした。
「シクさん、すみません──貴方には鎖が似合わないのは重々承知ですが、こうしないと外に出られないのです」
プブリウスが、一つ一つ丁寧に取り付けられているかを確認する。
「おや?」
すると、リッテの所で一度止まる。
「ふふふ、リッテさん昨日の夜は、とても素敵でしたよ?」
「……」
「私があんなに責められたのは、初めてです──またよろしくお願いしますね」
「──ッ……」
何の事か分からないが、リッテの表情を見る限り、いい事では無い様だ。
その後執事長から、注意点などを聞き、コロシアムに向かうのであった。
「周りを興味深く観察するのはいいですが、目線を他の人間族達に向けるのはやめて下さいね?」
珍しさのあまり、我々獣人族を見ようと人間族が見て来るが、逆に我々獣人族が人間族を見返すと罪に問われる可能性があるので注意が必要だ。
こうして、主人であるプブリウスと執事長からの話を聞き、私達はコロシアムに到着した……
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる