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第9章
376話
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「き、気は乗らないが行かせてもらうぞ」
副隊長が右足を少し後ろに下げたと思ったら、信じられ無い程のスピードでこちらに走り寄って来た。
──ッ速い、けどこれなら視認出来る。
副隊長は何故か私を攻撃するのでは無く掴む様に手を伸ばしてく来た。
私はその手を片手で振り払い、もう一方の空いている手で拳を叩き付ける。
「──ッ」
しかし、私の打撃は相手に受け止められてしまう。
「ふむ、流石隊長が連れて来ただけはある……しかし軽いッ!」
相手は私の攻撃を受け止めた手に力を込めると、そのまま投げ飛ばす。
強い……
私は、投げ飛ばされながらも、体制を整えて着地する。
「隊長……私は女と戦うのは趣味じゃ無いので変えて貰えませんか?」
「あはは、女と言っても、そこに居るのは君達が日頃馬鹿にしている獣人だぞ?」
「……」
「まぁ、もう少し戦って貰うよ? 別に殺せと言っている訳じゃ無い」
それだけ言うとカールは観戦する様に黙り込む。
「仕方ない……少し手荒になるが我慢して貰うぞ」
副隊長が私に話し掛ける──すると、カールが思い出す様にして口を開く。
「あ、そうそう──言い忘れたけど、この訓練で君達奴隷が使え無いと思えばプブリウスさんの所に戻すつもりだから、それが嫌なら君達の力を俺に見せてくれ」
カールの言葉に私達は反応する。
──それは不味い……せっかくラシェン王に近づけて居るのにプブリウスの所に戻されたら暗殺する所じゃ無いな。
何故、カールがいきなりそんな事を言ってきたか不明だが私はスキルを使用する事にした。
「それでは、いくぞ?」
副隊長は律儀に言ってから再度、こちらに向かって走り出す。
──先程より早い?! 身体強化か。
確かに速いが、反応出来ない程では無い……私は、両拳に炎を纏わせた。
身体強化の方は知られたく無いので、これだけで乗り切るッ!
私の武器強化に警戒する副隊長。
「──ッ武器強化か……だが、突っ込む!」
鋭い蹴りを繰り出して来るが、私は冷静に捌き、炎を纏わせた拳で突き出す。
しかし、副隊長も私の拳を冷静に捌く。
そこからは、お互いに攻撃と防御を繰り返し、互角の戦いが続いた。
「うふふ、流石シク様だわ……」
「す、凄いです! カッコいいです」
「あはは、シク様すげーぜ! アレで、まだ本気も出してないんだぜ?!」
「ググガよ……それは秘密だし軽々しく口にするな」
「あ、あぁ悪い」
それから、暫くしてカールが止める。
「よーし、戦いを止めてくれ。副隊長の訓練には十分なったと思うし、シクさんの実力も分かった」
私と副隊長はお互い両手を下ろす。
「シクさんとか言ったかな?」
「あぁ」
「貴方は強いな」
「ありがとう」
副隊長からの言葉にお礼を言って、私はその場から離れる。
恐らく、副隊長の本来の戦い方は拳では無いだろう……
「次は他の者達にも戦って貰うぞ」
それからカールは兵士達を集めてガルル達と訓練する様に指示を出した。
「シクさんの実力は十分理解したから次は君達の力を見せてくれ」
それから、皆んなも兵士達と戦ったが基本1対1の戦いでは誰一人として負けなかった。
「よーし、そこまで。皆んなの良い訓練になったし、獣人達の実力も良く分かった」
カールの言葉に、殆どの兵士が悔しそうな表情を浮かべた。
「クッソ……あんな劣等種に、いいようにやられた……」
「ッばっか! これは徒手空拳だろ? 武器が有れば、あんな奴ら……」
兵士達の、特に私達と戦った者達は睨み殺さんばかりの視線を向けていた。
唯一、副隊長だけは、なんとも言えない様な表情を浮かべていた。
「悔しいかもしれないが、それをバネにして成長する様に」
「隊長!」
一人の兵士がカールに話し掛ける。
「もう一度、俺達に戦わせて下さい! 次は武器ありで!」
「そうです。武器さえ有れば、そんな奴らに負ける事はありません!」
一人の兵士の言葉から次々と同意の声が上がる。
「隊長、私達もお願いします──人間族の女が獣人なんかに負けたとあったら恥ずかしくて生きていけません!」
「そうです!」
女性兵士がリッテとキャリを睨みつける。
「あはは、これだよ。こういう結果を望んでいた」
カールは今のやり取りを見て笑っている。
「お前達の、そのやる気は分かった。だがこの奴隷達は他の兵士達も相手にして貰うから、今日はここまでだ」
隊長であるカールの言葉には、流石に逆らえないのか、悔しそうに押し黙る兵士達。
「それじゃ、お前達は引き続き訓練をしろ──俺は城内に用事がある」
そう言って、兵士達を散らばせる。
「シクさん、ガルルさん、リッテさんは私に付いてきて下さい──他の人は小屋に戻って貰う」
城内だと……?
カールの言葉に私とガルル、リッテは目を合わせてお互い頷く。
「お、俺もいくぜ!」
「わ、私もお供します」
ググガとキャリ、他の皆もカールに進言するが……
「あはは、お供してくれるのは嬉しいけど、そんなに大勢引き連れては行けないから三人だけにさせて貰うよ」
こうして、私とガルル、リッテはカールと一緒に城内に行く事になった……
副隊長が右足を少し後ろに下げたと思ったら、信じられ無い程のスピードでこちらに走り寄って来た。
──ッ速い、けどこれなら視認出来る。
副隊長は何故か私を攻撃するのでは無く掴む様に手を伸ばしてく来た。
私はその手を片手で振り払い、もう一方の空いている手で拳を叩き付ける。
「──ッ」
しかし、私の打撃は相手に受け止められてしまう。
「ふむ、流石隊長が連れて来ただけはある……しかし軽いッ!」
相手は私の攻撃を受け止めた手に力を込めると、そのまま投げ飛ばす。
強い……
私は、投げ飛ばされながらも、体制を整えて着地する。
「隊長……私は女と戦うのは趣味じゃ無いので変えて貰えませんか?」
「あはは、女と言っても、そこに居るのは君達が日頃馬鹿にしている獣人だぞ?」
「……」
「まぁ、もう少し戦って貰うよ? 別に殺せと言っている訳じゃ無い」
それだけ言うとカールは観戦する様に黙り込む。
「仕方ない……少し手荒になるが我慢して貰うぞ」
副隊長が私に話し掛ける──すると、カールが思い出す様にして口を開く。
「あ、そうそう──言い忘れたけど、この訓練で君達奴隷が使え無いと思えばプブリウスさんの所に戻すつもりだから、それが嫌なら君達の力を俺に見せてくれ」
カールの言葉に私達は反応する。
──それは不味い……せっかくラシェン王に近づけて居るのにプブリウスの所に戻されたら暗殺する所じゃ無いな。
何故、カールがいきなりそんな事を言ってきたか不明だが私はスキルを使用する事にした。
「それでは、いくぞ?」
副隊長は律儀に言ってから再度、こちらに向かって走り出す。
──先程より早い?! 身体強化か。
確かに速いが、反応出来ない程では無い……私は、両拳に炎を纏わせた。
身体強化の方は知られたく無いので、これだけで乗り切るッ!
私の武器強化に警戒する副隊長。
「──ッ武器強化か……だが、突っ込む!」
鋭い蹴りを繰り出して来るが、私は冷静に捌き、炎を纏わせた拳で突き出す。
しかし、副隊長も私の拳を冷静に捌く。
そこからは、お互いに攻撃と防御を繰り返し、互角の戦いが続いた。
「うふふ、流石シク様だわ……」
「す、凄いです! カッコいいです」
「あはは、シク様すげーぜ! アレで、まだ本気も出してないんだぜ?!」
「ググガよ……それは秘密だし軽々しく口にするな」
「あ、あぁ悪い」
それから、暫くしてカールが止める。
「よーし、戦いを止めてくれ。副隊長の訓練には十分なったと思うし、シクさんの実力も分かった」
私と副隊長はお互い両手を下ろす。
「シクさんとか言ったかな?」
「あぁ」
「貴方は強いな」
「ありがとう」
副隊長からの言葉にお礼を言って、私はその場から離れる。
恐らく、副隊長の本来の戦い方は拳では無いだろう……
「次は他の者達にも戦って貰うぞ」
それからカールは兵士達を集めてガルル達と訓練する様に指示を出した。
「シクさんの実力は十分理解したから次は君達の力を見せてくれ」
それから、皆んなも兵士達と戦ったが基本1対1の戦いでは誰一人として負けなかった。
「よーし、そこまで。皆んなの良い訓練になったし、獣人達の実力も良く分かった」
カールの言葉に、殆どの兵士が悔しそうな表情を浮かべた。
「クッソ……あんな劣等種に、いいようにやられた……」
「ッばっか! これは徒手空拳だろ? 武器が有れば、あんな奴ら……」
兵士達の、特に私達と戦った者達は睨み殺さんばかりの視線を向けていた。
唯一、副隊長だけは、なんとも言えない様な表情を浮かべていた。
「悔しいかもしれないが、それをバネにして成長する様に」
「隊長!」
一人の兵士がカールに話し掛ける。
「もう一度、俺達に戦わせて下さい! 次は武器ありで!」
「そうです。武器さえ有れば、そんな奴らに負ける事はありません!」
一人の兵士の言葉から次々と同意の声が上がる。
「隊長、私達もお願いします──人間族の女が獣人なんかに負けたとあったら恥ずかしくて生きていけません!」
「そうです!」
女性兵士がリッテとキャリを睨みつける。
「あはは、これだよ。こういう結果を望んでいた」
カールは今のやり取りを見て笑っている。
「お前達の、そのやる気は分かった。だがこの奴隷達は他の兵士達も相手にして貰うから、今日はここまでだ」
隊長であるカールの言葉には、流石に逆らえないのか、悔しそうに押し黙る兵士達。
「それじゃ、お前達は引き続き訓練をしろ──俺は城内に用事がある」
そう言って、兵士達を散らばせる。
「シクさん、ガルルさん、リッテさんは私に付いてきて下さい──他の人は小屋に戻って貰う」
城内だと……?
カールの言葉に私とガルル、リッテは目を合わせてお互い頷く。
「お、俺もいくぜ!」
「わ、私もお供します」
ググガとキャリ、他の皆もカールに進言するが……
「あはは、お供してくれるのは嬉しいけど、そんなに大勢引き連れては行けないから三人だけにさせて貰うよ」
こうして、私とガルル、リッテはカールと一緒に城内に行く事になった……
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