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第10章
454話
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「お兄さん、あっち見て!」
ロピが少し慌てた様子で声を上げる。
「ん?」
「ふむ。グインさん達とは別に他のグループも捕まっていた様ですな」
「あっちは、色々な種族がいます」
チルの言う通り、もう一つのグループには人間族、獣人族、ゴブリン族など様々な種族が集まっていた。
そんな中に見知った顔を見つけた。
「ん……? あれ、トッポか?」
「どれどれ……? あっ! 本当だー」
「ここに逃げ込んでいた様ですね」
トッポは足を引き摺っていた。
その後、暫く様子を見ていると、トッポ達のグループが移動を始めた。
「何をするつもりだ?」
小型達が一斉に円を描く様に広がる。移動が終わると、そこはまるで人間族の住処の様に、岩が外敵から守るかの様に、小型が立ち並んでいた。
だが、この場合は外敵から守るのでは無く、内側に居るトッポ達を逃さない様にする為だろう。
「あッ、モンスターの子供達が円の中に入って来たよ!」
モンスターの子供達が、円の中に次々と入っていき、トッポ達十人に対して、その倍は円の中にモンスター達が入って来ていた。
「アトス様、何が始まるのでしょうか……?」
「分からない……」
すると、小型の一体が急に奇声を上げ始める。いきなりの事だった為、咄嗟に手で耳を塞いでしまう程には大きい鳴き声であった。
「うー、うるさーいよー」
「な、何かの合図でしょうか?」
「ふむ。チル様の言う通り何かしらの合図だった様ですぞ?」
小型の奇声が終わると同時にモンスターの子供達が一斉にトッポ達を襲い始めた。
トッポ達も捕まる訳には行かない為、必死に逃げ惑う。その様子はまるで狩の練習をしている様に見える。
「ふむ。恐らく子供に人間の狩のやり方を教えている様ですな」
「やっぱり、リガスもそう思うか?」
「はい。この様に木の上から見れば分かりやすいですな」
子供達は人間達を追い掛け始めるが、初めての事だからか、なかなか捕まえきれないで居る。
だが、人間達が逃げ切る事は不可能である──何故なら、小型達が囲み人間達を逃げられ無い様にしているからだ。
その為、無尽蔵の体力を持っているモンスターにいずれ捕まる人間達の未来が目に浮かんでしまう。
「お兄さん、きっと次はチルちゃん先生達の番だよ! 早く、どうにかしないと」
「アトス様、私も姉さんの言う通りだと思います──次は先生が……」
心配そうな表情でグイン達を見るチル。
「そうだな。それじゃ、先程決めた位置に着いてくれ」
俺の言葉に各自が移動する。
「ロピはなるべく離れて、射程範囲ギリギリまで遠くでな!」
「分かったよ!」
ロピは俺達からどんどん離れていく。
「さて、俺はこのまま木の上にいるが、三人は準備いいか?」
「私は大丈夫です」
「ほっほっほ。私もいつでも問題ありませんぞ?」
チルとリガスはいつ出ても、問題無さそうだ──しかし、案内役は顔面が青ざめ、手足が震えている。
「大丈夫か?」
「は、はい!」
「なんだったら変わるぞ?」
「だ、大丈夫です! そ、それに私達リザードマンの問題で、ここまで来て貰った上に、囮役までやらせられません!」
案内役の役目はモンスター達の目を惹きつける為の囮だ。モンスター達の前に姿を表して、ひたすら多くのモンスターを引き連れて逃げる役目である。
「俺が、グインさん達を助けるんだ……俺はやれる……俺はやれる……」
案内役は自身に言い聞かせる様にして、自身に問いかける様に言葉を発する。
そして、少しの間目を瞑って集中し、再び目を開けた時には、手足の震えが止まり、顔つきも変わった。
「お待たせしました。私も準備完了です」
「ほっほっほ。頼もしいですな」
「流石、先生が仲間」
三人の準備も終わり、あとはロピからの合図が来たら、行動開始だ。
トッポ達の方を見ると、大分モンスターの子供達に捕まってしまった様で、残りはトッポくらい……か……?
あちこちで、人間を食べた事によりモンスター達が強化される気配を感じる。
そして、残り一人になったトッポに向かって一斉にモンスターの子供達が群がる。
トッポ……
トッポは助けを大声で求めるが、そんな救世主は現れる筈も無く、ひたすら逃げ続けている。
モンスター達も、最後の獲物と理解しているのか、トッポに追いついても、なかやか止めを刺そうとはせずに、ひたすら追い掛けるだけで、弄んで居る感じであった。
仮に前の事件の元凶がトッポのせいだとしても、やはり知り合いがピンチな様子を見るのは、気分が良いものでは無いな……
そんな風に考えていると、チルから鋭い声が飛ぶ。
「──ッ先生?!」
なんと、グインは小型の包囲を無理やり突き進み、トッポの方に向かって走り出したのであった……
ロピが少し慌てた様子で声を上げる。
「ん?」
「ふむ。グインさん達とは別に他のグループも捕まっていた様ですな」
「あっちは、色々な種族がいます」
チルの言う通り、もう一つのグループには人間族、獣人族、ゴブリン族など様々な種族が集まっていた。
そんな中に見知った顔を見つけた。
「ん……? あれ、トッポか?」
「どれどれ……? あっ! 本当だー」
「ここに逃げ込んでいた様ですね」
トッポは足を引き摺っていた。
その後、暫く様子を見ていると、トッポ達のグループが移動を始めた。
「何をするつもりだ?」
小型達が一斉に円を描く様に広がる。移動が終わると、そこはまるで人間族の住処の様に、岩が外敵から守るかの様に、小型が立ち並んでいた。
だが、この場合は外敵から守るのでは無く、内側に居るトッポ達を逃さない様にする為だろう。
「あッ、モンスターの子供達が円の中に入って来たよ!」
モンスターの子供達が、円の中に次々と入っていき、トッポ達十人に対して、その倍は円の中にモンスター達が入って来ていた。
「アトス様、何が始まるのでしょうか……?」
「分からない……」
すると、小型の一体が急に奇声を上げ始める。いきなりの事だった為、咄嗟に手で耳を塞いでしまう程には大きい鳴き声であった。
「うー、うるさーいよー」
「な、何かの合図でしょうか?」
「ふむ。チル様の言う通り何かしらの合図だった様ですぞ?」
小型の奇声が終わると同時にモンスターの子供達が一斉にトッポ達を襲い始めた。
トッポ達も捕まる訳には行かない為、必死に逃げ惑う。その様子はまるで狩の練習をしている様に見える。
「ふむ。恐らく子供に人間の狩のやり方を教えている様ですな」
「やっぱり、リガスもそう思うか?」
「はい。この様に木の上から見れば分かりやすいですな」
子供達は人間達を追い掛け始めるが、初めての事だからか、なかなか捕まえきれないで居る。
だが、人間達が逃げ切る事は不可能である──何故なら、小型達が囲み人間達を逃げられ無い様にしているからだ。
その為、無尽蔵の体力を持っているモンスターにいずれ捕まる人間達の未来が目に浮かんでしまう。
「お兄さん、きっと次はチルちゃん先生達の番だよ! 早く、どうにかしないと」
「アトス様、私も姉さんの言う通りだと思います──次は先生が……」
心配そうな表情でグイン達を見るチル。
「そうだな。それじゃ、先程決めた位置に着いてくれ」
俺の言葉に各自が移動する。
「ロピはなるべく離れて、射程範囲ギリギリまで遠くでな!」
「分かったよ!」
ロピは俺達からどんどん離れていく。
「さて、俺はこのまま木の上にいるが、三人は準備いいか?」
「私は大丈夫です」
「ほっほっほ。私もいつでも問題ありませんぞ?」
チルとリガスはいつ出ても、問題無さそうだ──しかし、案内役は顔面が青ざめ、手足が震えている。
「大丈夫か?」
「は、はい!」
「なんだったら変わるぞ?」
「だ、大丈夫です! そ、それに私達リザードマンの問題で、ここまで来て貰った上に、囮役までやらせられません!」
案内役の役目はモンスター達の目を惹きつける為の囮だ。モンスター達の前に姿を表して、ひたすら多くのモンスターを引き連れて逃げる役目である。
「俺が、グインさん達を助けるんだ……俺はやれる……俺はやれる……」
案内役は自身に言い聞かせる様にして、自身に問いかける様に言葉を発する。
そして、少しの間目を瞑って集中し、再び目を開けた時には、手足の震えが止まり、顔つきも変わった。
「お待たせしました。私も準備完了です」
「ほっほっほ。頼もしいですな」
「流石、先生が仲間」
三人の準備も終わり、あとはロピからの合図が来たら、行動開始だ。
トッポ達の方を見ると、大分モンスターの子供達に捕まってしまった様で、残りはトッポくらい……か……?
あちこちで、人間を食べた事によりモンスター達が強化される気配を感じる。
そして、残り一人になったトッポに向かって一斉にモンスターの子供達が群がる。
トッポ……
トッポは助けを大声で求めるが、そんな救世主は現れる筈も無く、ひたすら逃げ続けている。
モンスター達も、最後の獲物と理解しているのか、トッポに追いついても、なかやか止めを刺そうとはせずに、ひたすら追い掛けるだけで、弄んで居る感じであった。
仮に前の事件の元凶がトッポのせいだとしても、やはり知り合いがピンチな様子を見るのは、気分が良いものでは無いな……
そんな風に考えていると、チルから鋭い声が飛ぶ。
「──ッ先生?!」
なんと、グインは小型の包囲を無理やり突き進み、トッポの方に向かって走り出したのであった……
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