過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
487 / 492
第11章

486話

しおりを挟む
「ベムさん、そろそろですよね!」
「うん……今日中には目的地に着くと思う……」
「楽しみッスね! なら特訓は明日からッスか?」
「そうだな。今日は到着と同時に野宿の準備だ。それと長く滞在するなら、ちゃんとした場所に寝床を作りたいから明日は寝床探しが先になるかもな」

 本日はドワーフの村を出て四日目だ。幸いな事にモンスターとは一度も遭遇する事なく、ここまでやって来れた。
 これも、ベムとレギュのお陰である。

 しかし、日が経つに連れてモンスターの気配が多くなって来た事だけが気がかりである。

 二日目は三体の気配……三日目は四体……そして今日は既に五体の気配を察知した。

「これ以上増えたら引き返す事も考えないとな……」

 毎回、モンスターが俺達に気がつく前に、レギュのセンサーに引っ掛かり気が付かれる前に離れる事が出来たが、レギュが居なければ気が付かない内に遭遇して、どうなっていた事か……

「デグさん、特訓って何から始める予定ッスか?」
「あ、それ私も気になります!」

 俺がモンスターについて考えていると、ラバとレギュに声を掛けられて、思考を停止する。

「ん? 特訓か? そうだな……」
「自分は早くこの剣を使いたいッス!」

 ラバは背中にある剣の柄を握りながらワクワクした様子で呟く。

「私も、早くこのグローブと盾を使用してみたいです!」
「二人共やる気があっていいと思う……」
「はは、そうだな。だが、俺の特訓は厳しいぜ?」

 厳しくするつもりは、あまり無いが二人に喝を入れる為に、少し大袈裟に言ってみる。

「自分は、どんな厳しい特訓でも耐えてみせるッス!」
「私もです! 体力には自信あるので、耐え抜いてみせます!」
「よし! その覚悟を買って、お前達を全力で強くしてやろう!」

 二人はよろしくお願いしますと、大きな声で頭を下げる。

「二人共……モンスターに気付かれるかもしれないから静かに……」
「ご、ごめんなさい」
「き、気をつけるッス……」

 はは、やはり若い者達が居ると、こっちまで元気になって、若い気持ちになれていいな。

 そんな風に思って二人を見て笑っているとハッと気が付く。

「ダメだ、ダメだ俺もまだ若いんだ……守りに入るな、俺!」

 また、年寄りくさい部分が出てしまった事に気がつき、慌てて考え方を切り替える様努力する。

 それから、目的地に着くまでに、一度モンスターの気配を感じつつも遭遇などはせずに、なんとか無事に目的地に到着する事が出来た。

「ここが……あのドワーフ二人に教えて貰った場所……」
「なんだか、思った感じと違いますね?」
「今まで、歩いて来た場所と何の変化も無いッス!」

 確かに。目的地となった場所は何か拓けた場所でも無ければ、特別感がある訳でも無く、この四日間歩き続けた風景と何の変化も無かった。

「なんか、場所間違えたんじゃねぇーか?」
「そんな事無い……確かに地図に書いて貰った場所はココの筈……」

 そう言って、ベムは自身の持っている地図を見せて来た。

「確かに、ここ辺りだな。もう少し周りを見て回るか?」
「それがいいと思う……」

 俺達は周囲を歩き回り、何か無いか探して回るが、やはり今まで歩いていた風景と何の変わりも無かった。

「詳しくは聞かなかったが、あの二人が言ってた場所はここの事なのか?」
「そう言えば、綺麗な湖があるとか言ってたッス!」
「そうですよね。そこで水の確保も出来るとも言ってましたね!」

 確かに、その様な事も言ってたな。

「なら、もう少し奥に進んでみるか?」
「奥に行ったら、湖があるかもしれません!」

 まだ、日没までは少し時間がある為俺達は更に奥に進む事にした。

「ここからは、行き方とか何も書いて無いけど……どうする……?」

 今まで、地図を頼りにここまで来た為、一体どちらに進んでいけば良いか分からない。

「取り敢えず、このまま真っ直ぐ進んで行くか?」

 俺達は更に進むか、一度泊まるか悩んだ末に、今日は一旦ここで野宿する事に決めた。

「まぁ、無理する必要も無いし今日はここで野宿の準備だな」
「え? まだ全然明るいッスよ?」

 ラバは上を向いて口を開く。

 確かに、進もうと思えば、まだ行けるが情報が無い場所を進まないと行けないから、これまで以上に慎重に進む必要がある。

 その為、結局日没までと考えたら大した距離を稼ぐ事は出来ないだろう。

 俺の考えを皆に話し、明日の朝から再度ジャングルの奥に進む事になった。

 しかし、この行動は失敗だったという事は、ジャングルを突き進んで、次の日に気がつくのであった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

処理中です...