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次の日、偵察団を組織してコリコット村の村民達が村周辺を探索に出た。盗賊団の痕跡や情報を探る為だ。恐らく宿場町辺りに根城を構えた可能性もある。
宿場町とコリコット村は馬車の定期便が出る程近い。奴らはイナゴの大群の様に一気に村や街を破壊して金品を奪い食物や女を食べ尽くす。人買いなど可愛いものだ。
いずれ再びコリコット村を襲いに来る可能性もある。此処には温泉があり、周辺のどの街よりも賑わっている。しかも貴族までもが訪れているのだ。目を付けられたと考える方が正しいだろう。
回帰前は事後でしか知らなかった盗賊団。昔も今も詳しくは解らない。だが魔術師が居るかも知れないのだ。早々に処理しておくに越した事は無い。コリコット村の不穏な芽は摘み取る。それが俺の役割だからな。
偵察団の探索で分かった事は
宿場町に武装した集団が流れ着いている事
規模が思っていたより大きく五十近い大所帯だと事
傭兵崩れが多く居るらしい事
俺が魔術師だと知る村民を集め村長宅で会議を開いた。
「面倒だな…そうだ。檻に閉じ込めた奴らから情報は取れないかな?親玉がどんな奴とか…」
「ああ…それなんだが…口はパクパク動くんだけど声が出ないんだよ。薬か…魔術師がなんかしたんじゃないかと思う」
「ふーん…じゃあ、解除してみようか」
「出来るのか?」
「やってみるよ。出来たら褒めてくれ」
「はははっ!いっぱい頭撫でてやるよ」
「いや、気持ち悪いからそれは断る」
ノーランは俺が魔術師で更に転移の術式を使える事を知る数少ない村民で、信用し任された温泉事業に情熱を注いでいる。俺が惜し気も無く丸ごとこの男に統括の権利を渡したからなのかえらく俺を慕っている様だ。コリコット村の二大産業を担う重要な役だから嬉しかったのかも知れない。勿論能力があるからなんだが…
年上だけどこの村の中で一番気心が知れた友人だった。
*
門の横に並べられた檻の前にやって来た。捕まったのは五人だ。本来なら揺動し内側から門を開ける役割だったのかも知れないが残念ながら上手くいかなかった。何故ならあの門には俺が防御の魔術陣を施しているし、登録されている村民以外開門出来ない。血統登録に似ているな。自警団にはタリスマンを常備させ訓練も施した。怪我を負わないと知った彼らは勇敢になる。念には念を、と言う訳だ。
「やあ、こんにちは盗賊の皆さん。少し話をしようか」
「……」
俺は一番手前の檻に入れられている小柄な商人風の姿をした男に話し掛けた。五人の中で一番若く気弱そうだ。
「口が利けないみたいだから俺が解除してやるよ。舌出してみな?」
「……」
フイッと俺からそっぽを向く姿がまだ幼く感じる。いけるな…
「ふふ…お前このまま無事に盗賊団と合流出来るとでも思ってるのか?それとも誰がが助けに来てくれるとでも?だが残念。それは有り得ないだろうなぁ一度失敗してるし、最低でも一月は様子を見るね。俺なら力押しじゃ無駄だと知り、村への補給路を絶つ作戦に出る。中の村民達を弱らせるのさ。と、言う事は…その間お前達はどうすると思う?……口が利けなくする魔術を掛けているからあっちの情報はこちらには伝わらない。放っておけば戻って来ないお前達は捨て駒。自動でくたばってくれると思ってるだろうな。或いはもう死んでると見做されてるかも」
ペラペラと楽しそうに話す俺をじっと怯えて見つめる男。まだ十代半ばだろう。更に追い詰めよう。
「大所帯なんだろ?なら代わりの奴は沢山居るって事だ。その間俺達がお前らを飼うと思うか?ははそんな義理はないなぁ。そうだな…誰も来ない林の中に拘束したまま首だけ出して土に埋めてしまおうか…いずれ野獣が頭から…」
ガシャン!!と鉄柵に身体をぶつけ俺を見上げるその目は涙が滲んでいた。パクパクと口を開けて何かを喋ろうとしている。
「素直に質問に答えれば一日一回満腹になるまで食事を用意しよう。この狭い檻から出してやっても良い。…さあ、どうする?」
コクコクと頷いた男は自ら舌をベッと出した。やはり沈黙の術式陣が見えたのでそれを解除してやる。この陣は奴隷用に編み出された術式だ。口を閉じれば見えないので舌に付けられる事が多い。こいつが奴隷かどうかは知らないが、再び声を出せる事に喜んでいる様だ。
こんな脅し…いや、飴と鞭な方法で五人一人一人に尋問し、合致している内容を確認すると
盗賊団を率いているのはどうやら他国で罪を犯し逃走した人物らしいと言う事。しかも魔術師だと言う。
後の一人は最近仲間になった流れ者だそうだ。
「希少な魔術師が二人も…」
本来なら負け知らずの盗賊団だと言う事だ。戦争など大小そこらかしこで起こっているんだ。戦いに負けて放逐された術を使える貴族も居るだろう。その内の逃げ仰せた者か?はたまた傍若無人な悪人の類か。
「…思ってた以上に厄介だ」
ふとレシェと俺の家のある方向を見る。
今日は一日機織りをすると言っていたっけ。動き辛くなった左足。気丈に振る舞ってはいるが不安だろう。だが彼女の憂いを晴らす事は直ぐには出来ない。
「回帰しても結局盗賊団が現れたな。この村が火で焼かれる事は無いが、魔術師が絡んでる以上何を仕掛けて来るか分からない。早々に叩いておく必要があるだろう」
完膚無きまでに…
****
宿場町は元々都市や地方から逃れて来た者達が築いた廃村跡を利用した場所だった。決して広くは無いその土地に、同じく広くは無いコリコット村から溢れた客が流れて来た為に宿場町となった場所。
最初は寝泊まりだけの建物だったが、いつの間にか娼館が出来、宜しく無い人々の寝ぐらになっていた。人買いを始め、薬の密売などが行われたり治安はすこぶる悪い。
コリコット村が標的になった事もしばしば。俺が陰で用心棒に成り、村を害する輩は尽く手を下して来たので今ではこの村を襲う奴らは居なくなっていた。
人買いの人間もあの乳母の事件から姿を見せなくなっている。わかる奴には牽制になっているだろう。
勿論俺の姿は見せてはいないので村長が裏で組織的な協力者を雇っているのでは、と噂にはなっている様だ。
その日の夕刻前に行動を開始する。村の門をしっかり二重に締め、自警団を要所に配備してから宿場町に転移動した。やはり状況は一変している様だ。
いつもはふらふらと町の中を出歩く町人や客、客引きの女達は誰一人居ない。その代わりに武装をした男達がそこらかしこで暴れていた。入り口には四人の男達が町民を外に逃がさない様に見張っている。
多数の女の悲鳴と下卑た男の笑い声や言い争う声が焼かれはしなかったが、辛うじて町を保っていた場所が更に低劣な雰囲気に包まれている。
「…さて、やるか」
建物の屋根から術式を唱え陣を構成する。
「魔術式、結合石精製」
町の中心部で陣を展開。すると地下からニョキッと光る岩が顔を出した。ズズズと次第に空へ向かい太い柱が伸び上がる。それは二階建ての建物程に伸びて止まる。
日を浴びてキラキラと眩く輝き光を発するそれは、不純物を除いて純度の高い金や様々な宝石を合わせて出来た柱だ。どんな神話的金持ちでも持ち得ない富の塊だ。
コリコット村の周辺は地中に埋まる原石の屑が山程ある。昔火山地帯だった様で三層下に至るまで良く取れた。硬い岩盤の為魔術無しでは容易に掘れないので村民は知らないのだが…
温泉は表向き、蓄えとして個人と別に村の裏金用に宝石に加工して王都や他国の都で出処不明で売り捌くのも俺の仕事。結合精製は屑石を集め一つになる様くっ付けて兎に角大きく加工する術式だった。これがまた高額で売れるのだ。お陰で急な支出や馬鹿高い税にも対応出来ている。まあ、辺境地で突然沸いた温泉事業を主体とした副産業での利益の定だからあくまで裏金なんだけど、急速に発展を遂げる村の農耕、織物業、温泉事業、商団は言わずもがな、教育環境を整えるのに魔術では補えない部分に還元している。
その術で突然現れた美しい柱に沸き立つ盗賊団。競う様に柱に近づき武器で削り取ろうとする者、ハンマーで叩き折ろうとする者が現れ、もみくちゃに入れ替わり立ち替わり我が物にしようと躍起になっている。そうして徐々に内輪揉めが起き始めた。
「まあ、そうなるよな」
それは次第に武器を使い、切り掛かる者まで出始めちょっとした戦場に変わる。俺はその有様を少し離れた二階建ての家の屋根に座り見ているだけだった。そう、俺はただ、宝石で出来た柱を造ってやっただけだ。町ごと破壊する訳にもいかないし、一々町民を確認してられない。比較的真っ当な奴は今は盗賊団を恐れ縮こまって家に隠れているだろうから丁度良いのだ。
そうこうしている間に柱の周りは盗賊の醜い本性を晒した男達で溢れ返った。共倒れでかなり戦力を削っている。よしよし良いぞ。
柱を建ててから十分。
「そろそろ出て来るかな?」
その時、ブワッと局地的な風が渦を巻いて男達を薙ぎ倒した。
ドタドタと倒れ込むそいつらの前に一人のピンクブロンドの髪の女が現れたのだ。
宿場町とコリコット村は馬車の定期便が出る程近い。奴らはイナゴの大群の様に一気に村や街を破壊して金品を奪い食物や女を食べ尽くす。人買いなど可愛いものだ。
いずれ再びコリコット村を襲いに来る可能性もある。此処には温泉があり、周辺のどの街よりも賑わっている。しかも貴族までもが訪れているのだ。目を付けられたと考える方が正しいだろう。
回帰前は事後でしか知らなかった盗賊団。昔も今も詳しくは解らない。だが魔術師が居るかも知れないのだ。早々に処理しておくに越した事は無い。コリコット村の不穏な芽は摘み取る。それが俺の役割だからな。
偵察団の探索で分かった事は
宿場町に武装した集団が流れ着いている事
規模が思っていたより大きく五十近い大所帯だと事
傭兵崩れが多く居るらしい事
俺が魔術師だと知る村民を集め村長宅で会議を開いた。
「面倒だな…そうだ。檻に閉じ込めた奴らから情報は取れないかな?親玉がどんな奴とか…」
「ああ…それなんだが…口はパクパク動くんだけど声が出ないんだよ。薬か…魔術師がなんかしたんじゃないかと思う」
「ふーん…じゃあ、解除してみようか」
「出来るのか?」
「やってみるよ。出来たら褒めてくれ」
「はははっ!いっぱい頭撫でてやるよ」
「いや、気持ち悪いからそれは断る」
ノーランは俺が魔術師で更に転移の術式を使える事を知る数少ない村民で、信用し任された温泉事業に情熱を注いでいる。俺が惜し気も無く丸ごとこの男に統括の権利を渡したからなのかえらく俺を慕っている様だ。コリコット村の二大産業を担う重要な役だから嬉しかったのかも知れない。勿論能力があるからなんだが…
年上だけどこの村の中で一番気心が知れた友人だった。
*
門の横に並べられた檻の前にやって来た。捕まったのは五人だ。本来なら揺動し内側から門を開ける役割だったのかも知れないが残念ながら上手くいかなかった。何故ならあの門には俺が防御の魔術陣を施しているし、登録されている村民以外開門出来ない。血統登録に似ているな。自警団にはタリスマンを常備させ訓練も施した。怪我を負わないと知った彼らは勇敢になる。念には念を、と言う訳だ。
「やあ、こんにちは盗賊の皆さん。少し話をしようか」
「……」
俺は一番手前の檻に入れられている小柄な商人風の姿をした男に話し掛けた。五人の中で一番若く気弱そうだ。
「口が利けないみたいだから俺が解除してやるよ。舌出してみな?」
「……」
フイッと俺からそっぽを向く姿がまだ幼く感じる。いけるな…
「ふふ…お前このまま無事に盗賊団と合流出来るとでも思ってるのか?それとも誰がが助けに来てくれるとでも?だが残念。それは有り得ないだろうなぁ一度失敗してるし、最低でも一月は様子を見るね。俺なら力押しじゃ無駄だと知り、村への補給路を絶つ作戦に出る。中の村民達を弱らせるのさ。と、言う事は…その間お前達はどうすると思う?……口が利けなくする魔術を掛けているからあっちの情報はこちらには伝わらない。放っておけば戻って来ないお前達は捨て駒。自動でくたばってくれると思ってるだろうな。或いはもう死んでると見做されてるかも」
ペラペラと楽しそうに話す俺をじっと怯えて見つめる男。まだ十代半ばだろう。更に追い詰めよう。
「大所帯なんだろ?なら代わりの奴は沢山居るって事だ。その間俺達がお前らを飼うと思うか?ははそんな義理はないなぁ。そうだな…誰も来ない林の中に拘束したまま首だけ出して土に埋めてしまおうか…いずれ野獣が頭から…」
ガシャン!!と鉄柵に身体をぶつけ俺を見上げるその目は涙が滲んでいた。パクパクと口を開けて何かを喋ろうとしている。
「素直に質問に答えれば一日一回満腹になるまで食事を用意しよう。この狭い檻から出してやっても良い。…さあ、どうする?」
コクコクと頷いた男は自ら舌をベッと出した。やはり沈黙の術式陣が見えたのでそれを解除してやる。この陣は奴隷用に編み出された術式だ。口を閉じれば見えないので舌に付けられる事が多い。こいつが奴隷かどうかは知らないが、再び声を出せる事に喜んでいる様だ。
こんな脅し…いや、飴と鞭な方法で五人一人一人に尋問し、合致している内容を確認すると
盗賊団を率いているのはどうやら他国で罪を犯し逃走した人物らしいと言う事。しかも魔術師だと言う。
後の一人は最近仲間になった流れ者だそうだ。
「希少な魔術師が二人も…」
本来なら負け知らずの盗賊団だと言う事だ。戦争など大小そこらかしこで起こっているんだ。戦いに負けて放逐された術を使える貴族も居るだろう。その内の逃げ仰せた者か?はたまた傍若無人な悪人の類か。
「…思ってた以上に厄介だ」
ふとレシェと俺の家のある方向を見る。
今日は一日機織りをすると言っていたっけ。動き辛くなった左足。気丈に振る舞ってはいるが不安だろう。だが彼女の憂いを晴らす事は直ぐには出来ない。
「回帰しても結局盗賊団が現れたな。この村が火で焼かれる事は無いが、魔術師が絡んでる以上何を仕掛けて来るか分からない。早々に叩いておく必要があるだろう」
完膚無きまでに…
****
宿場町は元々都市や地方から逃れて来た者達が築いた廃村跡を利用した場所だった。決して広くは無いその土地に、同じく広くは無いコリコット村から溢れた客が流れて来た為に宿場町となった場所。
最初は寝泊まりだけの建物だったが、いつの間にか娼館が出来、宜しく無い人々の寝ぐらになっていた。人買いを始め、薬の密売などが行われたり治安はすこぶる悪い。
コリコット村が標的になった事もしばしば。俺が陰で用心棒に成り、村を害する輩は尽く手を下して来たので今ではこの村を襲う奴らは居なくなっていた。
人買いの人間もあの乳母の事件から姿を見せなくなっている。わかる奴には牽制になっているだろう。
勿論俺の姿は見せてはいないので村長が裏で組織的な協力者を雇っているのでは、と噂にはなっている様だ。
その日の夕刻前に行動を開始する。村の門をしっかり二重に締め、自警団を要所に配備してから宿場町に転移動した。やはり状況は一変している様だ。
いつもはふらふらと町の中を出歩く町人や客、客引きの女達は誰一人居ない。その代わりに武装をした男達がそこらかしこで暴れていた。入り口には四人の男達が町民を外に逃がさない様に見張っている。
多数の女の悲鳴と下卑た男の笑い声や言い争う声が焼かれはしなかったが、辛うじて町を保っていた場所が更に低劣な雰囲気に包まれている。
「…さて、やるか」
建物の屋根から術式を唱え陣を構成する。
「魔術式、結合石精製」
町の中心部で陣を展開。すると地下からニョキッと光る岩が顔を出した。ズズズと次第に空へ向かい太い柱が伸び上がる。それは二階建ての建物程に伸びて止まる。
日を浴びてキラキラと眩く輝き光を発するそれは、不純物を除いて純度の高い金や様々な宝石を合わせて出来た柱だ。どんな神話的金持ちでも持ち得ない富の塊だ。
コリコット村の周辺は地中に埋まる原石の屑が山程ある。昔火山地帯だった様で三層下に至るまで良く取れた。硬い岩盤の為魔術無しでは容易に掘れないので村民は知らないのだが…
温泉は表向き、蓄えとして個人と別に村の裏金用に宝石に加工して王都や他国の都で出処不明で売り捌くのも俺の仕事。結合精製は屑石を集め一つになる様くっ付けて兎に角大きく加工する術式だった。これがまた高額で売れるのだ。お陰で急な支出や馬鹿高い税にも対応出来ている。まあ、辺境地で突然沸いた温泉事業を主体とした副産業での利益の定だからあくまで裏金なんだけど、急速に発展を遂げる村の農耕、織物業、温泉事業、商団は言わずもがな、教育環境を整えるのに魔術では補えない部分に還元している。
その術で突然現れた美しい柱に沸き立つ盗賊団。競う様に柱に近づき武器で削り取ろうとする者、ハンマーで叩き折ろうとする者が現れ、もみくちゃに入れ替わり立ち替わり我が物にしようと躍起になっている。そうして徐々に内輪揉めが起き始めた。
「まあ、そうなるよな」
それは次第に武器を使い、切り掛かる者まで出始めちょっとした戦場に変わる。俺はその有様を少し離れた二階建ての家の屋根に座り見ているだけだった。そう、俺はただ、宝石で出来た柱を造ってやっただけだ。町ごと破壊する訳にもいかないし、一々町民を確認してられない。比較的真っ当な奴は今は盗賊団を恐れ縮こまって家に隠れているだろうから丁度良いのだ。
そうこうしている間に柱の周りは盗賊の醜い本性を晒した男達で溢れ返った。共倒れでかなり戦力を削っている。よしよし良いぞ。
柱を建ててから十分。
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