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第二章 「天界」と「女神」
29.簡単だぞ?
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「なっ!何だよ!何かあったのか?爺さん?」
サラを横抱きにしたまま俺は爺さんに問いかけた。地上で何かあったのかも知れない。
「えっとね。アウィンと入れ違いで婆さんが帰って来てね?.........追い出された」
「.................何したんだよ?まさか.........!」
「えへ♡」
「.................馬鹿」グッタリ。
「?」首を捻るサラ。
「だって5日間もお預けだったからハッチャケちゃってさ。いっぱい女の子呼んじゃった」
「?」首を捻るサラ。
「たった5日だろ。しかもあんた爺さんだろ.........。どんだけ元気なんだよ。風だからとかじゃ無いぞそれ」
ため息しか出ない。
「確かに私は旺盛だけどね。何だか引退したら益々止まらなくなってさ」
「怖っ!やめてくれよ、今更「小さい叔父さん」出来るとか.........。婆さんだって.........」
「婆さんと?無い無い。ははははっ。.........どうせならサラ「爺さん.......マジで血祭りにしてやろうか.........。動けなくする事くらい簡単だぞ?足からいくか?フッ」わー!」
俺は爺さんの足元に口から風を吹き斬り付ける。
「!!」ビビッと固まるサラ。
「何だ、爺さん。まさかサラのパイに【癒し】とか【魅了】が込められてたから、とか言うんじゃ無いだろうな?」
「! ............気づいてたの?本当.........驚いたよ。もう、年甲斐も無く心臓がキュウッてなった。私のこの葛藤がアウィンには解らないだろうね.........」
情けない顔をしながら爺さんは下を向く。
「.................諦めてくれ爺さん。サラは俺の妻だよ。爺さんの番は婆さんだ。こんなの.........辛過ぎる」
「ふふ。解ってるよ。孫の嫁には.........流石にね。アウィンが長い間サラちゃんだけを求めて生きて来たのも知ってる。神族の理を守って穏便に過ごして来たのはサラちゃんの為だ。ちゃんと解っているよ。だからね、見守ろうと思ってるんだ。《リンミン》が有れば混乱は避けられる。【癒し】や【魅了】の出来る女神にも当たってみようかと思ってるんだ。私は私で別に動いてみるよ。地上の風の血を繋げる為に」
「爺さん.........。ああ。頼むよ。俺にはサラしか居ないんだ」
爺さんは片手を挙げ、風に乗って空に舞い上がり飛んで行った。
番か.........でも、番だからじゃない。
それ以上に惹かれるんだよ。いや、胸が.........痛いんだ。でも、これは何だか.........愛しいからとかでは.........無い?他の感情。もしかして女神だから、とか?益々解らん。
ガイザックは俺が天界に転移し、風の拘束が消えた事でおそらく土の神殿に行った筈だ。どうするつもりかな.........。こんなに不安なのは.........
俺はサラでないとダメだけど、サラは俺じゃ無くても.........愛されるんだ。
俺はサラを見る。サラが俺を見上げてる。
澄んだ.........綺麗な.........太陽の瞳で。
欲しくて堪らなかった。恋しくて堪らなかった。でも、いつももう一歩が踏み込めなかった。心に杭が刺さったように躊躇ってた。理由は判らない。胸が痛い。
.................俺.........何かしたのかな?
「アウィン?」
サラが俺の顔に手を添える。
俺はその手にスリッと頬を擦り寄せる。暖かい。また.........暖かい君に会えた。
「........え?.......会えた?」誰が?
「ん?誰に?」キョトンとするサラ。
「.........いや。なんでも無い。取り敢えず行こう」
俺は頭を振り、風神殿内に向かって歩き出した。
サラを横抱きにしたまま俺は爺さんに問いかけた。地上で何かあったのかも知れない。
「えっとね。アウィンと入れ違いで婆さんが帰って来てね?.........追い出された」
「.................何したんだよ?まさか.........!」
「えへ♡」
「.................馬鹿」グッタリ。
「?」首を捻るサラ。
「だって5日間もお預けだったからハッチャケちゃってさ。いっぱい女の子呼んじゃった」
「?」首を捻るサラ。
「たった5日だろ。しかもあんた爺さんだろ.........。どんだけ元気なんだよ。風だからとかじゃ無いぞそれ」
ため息しか出ない。
「確かに私は旺盛だけどね。何だか引退したら益々止まらなくなってさ」
「怖っ!やめてくれよ、今更「小さい叔父さん」出来るとか.........。婆さんだって.........」
「婆さんと?無い無い。ははははっ。.........どうせならサラ「爺さん.......マジで血祭りにしてやろうか.........。動けなくする事くらい簡単だぞ?足からいくか?フッ」わー!」
俺は爺さんの足元に口から風を吹き斬り付ける。
「!!」ビビッと固まるサラ。
「何だ、爺さん。まさかサラのパイに【癒し】とか【魅了】が込められてたから、とか言うんじゃ無いだろうな?」
「! ............気づいてたの?本当.........驚いたよ。もう、年甲斐も無く心臓がキュウッてなった。私のこの葛藤がアウィンには解らないだろうね.........」
情けない顔をしながら爺さんは下を向く。
「.................諦めてくれ爺さん。サラは俺の妻だよ。爺さんの番は婆さんだ。こんなの.........辛過ぎる」
「ふふ。解ってるよ。孫の嫁には.........流石にね。アウィンが長い間サラちゃんだけを求めて生きて来たのも知ってる。神族の理を守って穏便に過ごして来たのはサラちゃんの為だ。ちゃんと解っているよ。だからね、見守ろうと思ってるんだ。《リンミン》が有れば混乱は避けられる。【癒し】や【魅了】の出来る女神にも当たってみようかと思ってるんだ。私は私で別に動いてみるよ。地上の風の血を繋げる為に」
「爺さん.........。ああ。頼むよ。俺にはサラしか居ないんだ」
爺さんは片手を挙げ、風に乗って空に舞い上がり飛んで行った。
番か.........でも、番だからじゃない。
それ以上に惹かれるんだよ。いや、胸が.........痛いんだ。でも、これは何だか.........愛しいからとかでは.........無い?他の感情。もしかして女神だから、とか?益々解らん。
ガイザックは俺が天界に転移し、風の拘束が消えた事でおそらく土の神殿に行った筈だ。どうするつもりかな.........。こんなに不安なのは.........
俺はサラでないとダメだけど、サラは俺じゃ無くても.........愛されるんだ。
俺はサラを見る。サラが俺を見上げてる。
澄んだ.........綺麗な.........太陽の瞳で。
欲しくて堪らなかった。恋しくて堪らなかった。でも、いつももう一歩が踏み込めなかった。心に杭が刺さったように躊躇ってた。理由は判らない。胸が痛い。
.................俺.........何かしたのかな?
「アウィン?」
サラが俺の顔に手を添える。
俺はその手にスリッと頬を擦り寄せる。暖かい。また.........暖かい君に会えた。
「........え?.......会えた?」誰が?
「ん?誰に?」キョトンとするサラ。
「.........いや。なんでも無い。取り敢えず行こう」
俺は頭を振り、風神殿内に向かって歩き出した。
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