32 / 50
第32部 4202年32月32日
しおりを挟む
最近時間がない、と思う。しかし、この表現は変だ。第一に、時計を見ればすぐに存在が確認できるわけだから、時間がないわけがない、という点で変だし、第二に、そもそも時間というものは存在するのか、という点で変だ。
たぶん、この表現は、そういうことを言いたいのではないだろう。当たり前だ。もちろん、やりたいこと、やるべきことをするために必要な時間と照らし合わせて、それだけの時間が不足している、ということを意味している。
時間がないとすれば、時間を作り出せば良いが、これは、本当に時間を作り出すのではない。そうではなくて、あることに当てている時間をほかのことをするのに当てたり、あるいは、あらゆる行動のスピードを上げる、ということを意味している。
「shikashi, moshi chikyuu ga ziten o shite inakattara, ningen wa zikan no keika o kanjirareru no darou ka ?」
と、僕の頭の中で彼女が言った。これは、実際に発声されたわけではないから、かかった時間は限りなくゼロに近い。
「どうして、そんなことを尋ねるの?」僕も頭の中で応答する。「そんなことを不思議に思ったところで、どうしようもないよ」
「naze ?」
「もし地球が自転していなかったら、人間が生まれていたかどうかも分からないからね」僕は答えた。「そうすると、君が今言ったその問いが生じていたかどうかも分からない。つまり、地球が自転をしていない、という条件だけをそのまま適用することはできないんだ」
「demo, ningen no atama de wa, sore ga kanou deshou ?」
彼女に言われて、たしかにその通りだと僕は思った。
「つまり、地球が自転をしていなくても、ほかの条件はそのままということで……、それは要するに、自転をしていない地球の上で、ほかはこれまで通りの生活が繰り広げられている、というシチュエーションだね?」
「sou」
「たとえ地球が自転をしていなくても、人間は時間の経過を感じることができると思う」僕は考えを述べた。「なにしろ、人間は歳をとるからね。ほかの動物だってそうだ」
「naruhodo ?」
「結局のところ、人間が時間を気にするのは、無意識の内に、自分の死を遠い先に見ているから、ともいえるかもしれない。それが、まさか明日死ぬことはないだろうと思っているから、時間がないなあ、で済ますことができるというわけだ」
たぶん、この表現は、そういうことを言いたいのではないだろう。当たり前だ。もちろん、やりたいこと、やるべきことをするために必要な時間と照らし合わせて、それだけの時間が不足している、ということを意味している。
時間がないとすれば、時間を作り出せば良いが、これは、本当に時間を作り出すのではない。そうではなくて、あることに当てている時間をほかのことをするのに当てたり、あるいは、あらゆる行動のスピードを上げる、ということを意味している。
「shikashi, moshi chikyuu ga ziten o shite inakattara, ningen wa zikan no keika o kanjirareru no darou ka ?」
と、僕の頭の中で彼女が言った。これは、実際に発声されたわけではないから、かかった時間は限りなくゼロに近い。
「どうして、そんなことを尋ねるの?」僕も頭の中で応答する。「そんなことを不思議に思ったところで、どうしようもないよ」
「naze ?」
「もし地球が自転していなかったら、人間が生まれていたかどうかも分からないからね」僕は答えた。「そうすると、君が今言ったその問いが生じていたかどうかも分からない。つまり、地球が自転をしていない、という条件だけをそのまま適用することはできないんだ」
「demo, ningen no atama de wa, sore ga kanou deshou ?」
彼女に言われて、たしかにその通りだと僕は思った。
「つまり、地球が自転をしていなくても、ほかの条件はそのままということで……、それは要するに、自転をしていない地球の上で、ほかはこれまで通りの生活が繰り広げられている、というシチュエーションだね?」
「sou」
「たとえ地球が自転をしていなくても、人間は時間の経過を感じることができると思う」僕は考えを述べた。「なにしろ、人間は歳をとるからね。ほかの動物だってそうだ」
「naruhodo ?」
「結局のところ、人間が時間を気にするのは、無意識の内に、自分の死を遠い先に見ているから、ともいえるかもしれない。それが、まさか明日死ぬことはないだろうと思っているから、時間がないなあ、で済ますことができるというわけだ」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる