3 / 10
後編
【史上初!!治癒師同士が婚約!!】
三年前、一組の婚約が世界中に衝撃を与えた。
クライスとアマンダの婚約である。
王国は世界に僅かしか存在しない治癒師がふたりも存在することで知られていたが、そのふたりが婚約を結んだ事で改めて目を向けられた。
夫となるクライスの実家が【雪の花】を扱うことも改めて周知され、男爵家には長男に宛てた縁談の申し込みが殺到している。
「お兄様はもう子持ちなのに」
「第二夫人や愛人狙いなんだろうよ」
隣に座り腰に手を回しているスチュワートの言葉に、レイチェルは眉を顰めた。
「……浮気なんてしたらちょん切るわよ」
「しないけどしたら切ってもいいよ」
楽しそうに頬に幾つも口付けられ、その甘い雰囲気にレイチェルは呆れて溜め息を吐いた。
ありえないと信じているが、万が一には実行する心づもりなのである。
愛妻家である長男は、届く手紙をすべて薪代わりにして火にくべている為、なんとか取り持って欲しいとレイチェルにまで届く始末。
その殆どが【雪の花】がもたらす売上を目当てとしたものであり、やはり火にくべられた。
さらにはクライスにも第二夫人としての申し込みが続いており、今では命と元気を取り戻したアマンダに嫉妬の炎を向けられている。
「アマンダ!!」
「もう知らないわ!!クライスの馬鹿!!」
サロンで寄り添いお茶を飲むふたりの前に、何やら揉めているクライスとアマンダが現れ、アマンダに至っては涙目。
このふたりは、結婚しても引き続き侯爵家で暮らすこととなっている。
別館を建て、治癒院を開設するらしい。
「あらあら、穏やかじゃないわね」
「聞いてよ、レイチェル!!クライスったら、オブス令嬢を褒めたのよ!!」
「違うって!!チョコレートを褒めたんだ!!しかも誰からかなんて知らなかった!!」
なるほど。
甘いもの好きと調べたトンダ=オブス伯爵令嬢から届けられたチョコレートを褒めたのか。
そう理解するレイチェルとスチュワートだが、嫉妬深いアマンダは「シャァッ!!」と毛を逆立てた仔猫のようにクライスを睨み付けている。
長く外界から離れていたアマンダが唯一の趣味としていたのは、恋愛小説を読み漁ること。
そのせいで、登場する少女が深く溺愛される姿に理想を抱きそうあってほしいと望んでいる。
周りから見れば充分に溺愛されているが、クライスに粉をかける女性が後を絶たないせいで、嫉妬する感情が抑えられずにいた。
しかもクライスの過保護のせいで出歩く事も儘ならない状態にあるため、人気店や有名な商品などの流行に疎い。
たかがチョコレートでも、自分に出来ないことをして懐柔しようとされるのが許せないのだ。
「アマンダ、落ち着いて。これからは誰からの物かきちんと確認してからにする」
「だって…私は知らないの…普通は流行りものとか有名なものを贈るんでしょう?」
先程までの仔猫の威嚇は鳴りを潜め、今度はうるうると大きな目を潤ませている。
その庇護欲を唆る姿に、レイチェルは胸をきゅんとさせて優しく微笑んだ。
長く想い合ってはきたものの、病床にいたせいで恋人や婚約者らしい事は出来なかったアマンダ。
その新鮮さにクライスが絆されるのではないかと不安に思っていることを知っている。
「大丈夫よ。お兄様はどんなに高価な贈り物や有名店のお菓子よりも、アマンダが作る焼き菓子や刺繍がお好きなんだもの」
「僕もレイチェルの焼き菓子好きだよ」
隙あらば頬に口付けるスチュワートは無視して、アマンダを安心させるよう微笑みかける。
外へ出歩けないアマンダの為に、レイチェルは焼き菓子の作り方を教え共に何度も作ってきた。
それをクライスは喜び、初めて作った少し焦げている焼き菓子には魔力を流し、永久保存をかけて後生大事に保管しているほど。
魔力にそのような使い道があるなど、世界中の治癒師と人々が驚いたが…そのように変態的な魔術はクライスにしか施せなかった。
レイチェルは焼き菓子が得意。
家庭的な女性に憧れていた元公爵令嬢の母親がはまり、その影響でレイチェルも身に付けた。
侯爵家に来てからも、何かと時間を見つけてはアマンダと一緒に作っている。
さてさて、サロンに来た時は揉めていたのに、今は甘ったるい空気を放っているふたり。
「…本当に?本当に私の焼き菓子の方が好き?」
「本当だ。なんならこれから先、アマンダの焼き菓子しか食べなくてもいい」
「それはダメよ、倒れてしまうわ」
無駄にキリッ!!とした顔でアホな事を言われたアマンダは頬を染め、クライスの胸元を指先でグリグリと押す…どうやら仲直りできたらしい。
挨拶もなく、腕を組んで足取り軽く出ていった。
「……雨降って地固まる、ね」
「僕達は硬い岩で出来ているから揺るがないよ」
小さな喧嘩はある(クライス&アマンダのみ)が、あと一ヶ月で結婚式。
四人の意見が揃い、合同で挙げられる。
◇~◇~◇~◇~◇~◇
よく晴れた日。
王国に建つ一番大きく豪奢な教会に、二組の男女が婚礼の義を挙げる為に並び立った。
一方はこの国で最古の歴史を持つ侯爵家嫡男と、世界でも珍しく扱いが難しい【雪の花】を自在に操り多種多様な商品を手掛ける男爵家長女。
もう一方は世界的に稀少な治癒師同士であり、夫となる男爵家次男は無尽蔵な魔力を用いて様々な活用手腕を披露し、妻となる元伯爵令嬢は命を懸けて幼なじみを救った慈愛溢れる少女。
この日、教会の内外を飾っている花には永久保存加工が施されており、それを聞き付けた人達も押し掛けたことで黒山の人だかりとなった。
(正確には金髪や茶髪が多いけれど)
黒髪に金の瞳を持つスチュワートの隣には、雪原を彷彿とさせる銀髪に緑の瞳を持ち、雪のように白い肌をした細身のレイチェル。
ふたりとも背が高く、並び立つ美しい姿はどこかの国の王族と云われても信じてしまうほど。
レイチェルと同じ銀髪に紫の瞳を持ち、世界一の治癒師と謳われるクライスの隣には、綿菓子のよにふわふわと舞う淡い金髪に桃色の瞳を持つ慈愛の治癒師アマンダ。
高いヒールを履いてもクライスの肩までしかない小柄なアマンダに、多くの男性が庇護欲を唆られたがクライスによって阻まれる。
アマンダの周りに認識妨害がかけられたのだ。
クライスは、単なる治癒師を越え始めていた。
教会内には侯爵家と男爵家の面々に、四人が個人的に親しくしている友人達。
加えて、王家が勢揃いした事も花を添えた。
まさに国をあげての大イベント。
ただでさえ数少ない治癒師をふたりも抱え、さらにその両名が国に留まることを望んでいる。
それは国にとっても、国民にとっても最良。
「おかあしゃん、おひめさまがふたりいる」
結婚式を見物に来ていた小さな少女が、レイチェルとアマンダにそんな感想を口にした。
そして頷く周囲の人々。
アマンダの能力に注目が集まりがちだが、実のところレイチェルの才能も国民の生活に数多く浸透している。
【雪の花】は稀少で扱いが難しいが、正しく扱えればその効能は万能である。
平民でも手が出せる金額の風邪薬や傷用塗り薬、低~高単価の美容液などなど。
自分達の命や生活に密着した、失うことの出来ない大切なお姫様ふたり。
「うぅっ…諦めないわ!!」
小さく唸ってそんな事を呟き踵を返した女性がちらほら見られたが、四人が気にするような素振りは微塵もない。
相変わらず噂は絶えないが、それが妬みからだと周知されており、当の四人が「言いたければお好きにどうぞ」のスタンスを崩さなかった。
誓いの言葉と口付けを交わし、人々の前に姿を現したふたりには尽きない歓声があげられている。
そこに加えて、スチュワート&レイチェル、クライス&アマンダの四人へ、教会内へ入れない立場の観客達から口付けが見たいと声があがった。
「おうじさまとおひめさまのきす!?」
幼い少女の嬉しそうな声が、その場にいる全員の期待感を煽り視線を熱くする。
レイチェルとアマンダは揃って恥ずかしそうに頬を染めるが、スチュワートとクライスの男性ふたりは得意気に口角をあげた。
「きゃぁぁぁぁぁ♡」
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
唇が重なった瞬間、高低幅広く歓声が響き渡り拍手喝采が四人へ贈られる。
四人はそれぞれ、この日がファーストキス。
【誓いの口付け】ではスチュワートが時間をかけすぎてしまい、司祭の咳払いにレイチェルは耳まで赤くさせて新郎を睨め付けた。
このあと、四人は王家からの祝いとして王宮で披露宴を盛大に執り行う。
四人は当初こそ固辞したが、王妃のごり押しで決定となった…親友(男爵夫人)に会って、朝までお喋りし尽くしたくて。
披露宴に参加出来るのは、両家から招待状を送られた家や友人達と王家によって振るいにかけられ厳選された貴族や商人達。
その中には両家に色目を使う者もいるが、それに飲み込まれるような両家でもなく、微笑んでうまく退けるので問題はない。
治癒師などの魔力持ちに血筋は関係ないとされているが、所持者同士に子が出来たことがないので未知数であり、しかし可能性は高いとされる。
その為、クライス&アマンダ夫婦の元へは子供同士の縁談を望む手紙が連日届けられる事になるのだが、それはもう少しあとの話。
「レイチェル、愛してるよ」
「浮気したらちょん切るから」
「厳しい君も好き。しないけどね」
どこの王族ですか?と疑いそうになるスチュワート&レイチェル夫婦の元には、やがて美の女神に全力を出されたように美麗な娘が生まれ、その娘を巡り世界中の王候貴族が争奪戦を繰り広げるのだが、それもまだ先の話である。
完
◇~◇~◇~◇~◇~◇
ご拝読有り難うございました♡
続きまして、番外編でその後や周囲の人々を少しお届けする予定です✨
(公開予約設定済み)
※現在連載中のものも近日中に公開予定です。
お待ち頂いてる方、お待たせして申し訳ございません。・゚・(●´Д`●)・゚・
三年前、一組の婚約が世界中に衝撃を与えた。
クライスとアマンダの婚約である。
王国は世界に僅かしか存在しない治癒師がふたりも存在することで知られていたが、そのふたりが婚約を結んだ事で改めて目を向けられた。
夫となるクライスの実家が【雪の花】を扱うことも改めて周知され、男爵家には長男に宛てた縁談の申し込みが殺到している。
「お兄様はもう子持ちなのに」
「第二夫人や愛人狙いなんだろうよ」
隣に座り腰に手を回しているスチュワートの言葉に、レイチェルは眉を顰めた。
「……浮気なんてしたらちょん切るわよ」
「しないけどしたら切ってもいいよ」
楽しそうに頬に幾つも口付けられ、その甘い雰囲気にレイチェルは呆れて溜め息を吐いた。
ありえないと信じているが、万が一には実行する心づもりなのである。
愛妻家である長男は、届く手紙をすべて薪代わりにして火にくべている為、なんとか取り持って欲しいとレイチェルにまで届く始末。
その殆どが【雪の花】がもたらす売上を目当てとしたものであり、やはり火にくべられた。
さらにはクライスにも第二夫人としての申し込みが続いており、今では命と元気を取り戻したアマンダに嫉妬の炎を向けられている。
「アマンダ!!」
「もう知らないわ!!クライスの馬鹿!!」
サロンで寄り添いお茶を飲むふたりの前に、何やら揉めているクライスとアマンダが現れ、アマンダに至っては涙目。
このふたりは、結婚しても引き続き侯爵家で暮らすこととなっている。
別館を建て、治癒院を開設するらしい。
「あらあら、穏やかじゃないわね」
「聞いてよ、レイチェル!!クライスったら、オブス令嬢を褒めたのよ!!」
「違うって!!チョコレートを褒めたんだ!!しかも誰からかなんて知らなかった!!」
なるほど。
甘いもの好きと調べたトンダ=オブス伯爵令嬢から届けられたチョコレートを褒めたのか。
そう理解するレイチェルとスチュワートだが、嫉妬深いアマンダは「シャァッ!!」と毛を逆立てた仔猫のようにクライスを睨み付けている。
長く外界から離れていたアマンダが唯一の趣味としていたのは、恋愛小説を読み漁ること。
そのせいで、登場する少女が深く溺愛される姿に理想を抱きそうあってほしいと望んでいる。
周りから見れば充分に溺愛されているが、クライスに粉をかける女性が後を絶たないせいで、嫉妬する感情が抑えられずにいた。
しかもクライスの過保護のせいで出歩く事も儘ならない状態にあるため、人気店や有名な商品などの流行に疎い。
たかがチョコレートでも、自分に出来ないことをして懐柔しようとされるのが許せないのだ。
「アマンダ、落ち着いて。これからは誰からの物かきちんと確認してからにする」
「だって…私は知らないの…普通は流行りものとか有名なものを贈るんでしょう?」
先程までの仔猫の威嚇は鳴りを潜め、今度はうるうると大きな目を潤ませている。
その庇護欲を唆る姿に、レイチェルは胸をきゅんとさせて優しく微笑んだ。
長く想い合ってはきたものの、病床にいたせいで恋人や婚約者らしい事は出来なかったアマンダ。
その新鮮さにクライスが絆されるのではないかと不安に思っていることを知っている。
「大丈夫よ。お兄様はどんなに高価な贈り物や有名店のお菓子よりも、アマンダが作る焼き菓子や刺繍がお好きなんだもの」
「僕もレイチェルの焼き菓子好きだよ」
隙あらば頬に口付けるスチュワートは無視して、アマンダを安心させるよう微笑みかける。
外へ出歩けないアマンダの為に、レイチェルは焼き菓子の作り方を教え共に何度も作ってきた。
それをクライスは喜び、初めて作った少し焦げている焼き菓子には魔力を流し、永久保存をかけて後生大事に保管しているほど。
魔力にそのような使い道があるなど、世界中の治癒師と人々が驚いたが…そのように変態的な魔術はクライスにしか施せなかった。
レイチェルは焼き菓子が得意。
家庭的な女性に憧れていた元公爵令嬢の母親がはまり、その影響でレイチェルも身に付けた。
侯爵家に来てからも、何かと時間を見つけてはアマンダと一緒に作っている。
さてさて、サロンに来た時は揉めていたのに、今は甘ったるい空気を放っているふたり。
「…本当に?本当に私の焼き菓子の方が好き?」
「本当だ。なんならこれから先、アマンダの焼き菓子しか食べなくてもいい」
「それはダメよ、倒れてしまうわ」
無駄にキリッ!!とした顔でアホな事を言われたアマンダは頬を染め、クライスの胸元を指先でグリグリと押す…どうやら仲直りできたらしい。
挨拶もなく、腕を組んで足取り軽く出ていった。
「……雨降って地固まる、ね」
「僕達は硬い岩で出来ているから揺るがないよ」
小さな喧嘩はある(クライス&アマンダのみ)が、あと一ヶ月で結婚式。
四人の意見が揃い、合同で挙げられる。
◇~◇~◇~◇~◇~◇
よく晴れた日。
王国に建つ一番大きく豪奢な教会に、二組の男女が婚礼の義を挙げる為に並び立った。
一方はこの国で最古の歴史を持つ侯爵家嫡男と、世界でも珍しく扱いが難しい【雪の花】を自在に操り多種多様な商品を手掛ける男爵家長女。
もう一方は世界的に稀少な治癒師同士であり、夫となる男爵家次男は無尽蔵な魔力を用いて様々な活用手腕を披露し、妻となる元伯爵令嬢は命を懸けて幼なじみを救った慈愛溢れる少女。
この日、教会の内外を飾っている花には永久保存加工が施されており、それを聞き付けた人達も押し掛けたことで黒山の人だかりとなった。
(正確には金髪や茶髪が多いけれど)
黒髪に金の瞳を持つスチュワートの隣には、雪原を彷彿とさせる銀髪に緑の瞳を持ち、雪のように白い肌をした細身のレイチェル。
ふたりとも背が高く、並び立つ美しい姿はどこかの国の王族と云われても信じてしまうほど。
レイチェルと同じ銀髪に紫の瞳を持ち、世界一の治癒師と謳われるクライスの隣には、綿菓子のよにふわふわと舞う淡い金髪に桃色の瞳を持つ慈愛の治癒師アマンダ。
高いヒールを履いてもクライスの肩までしかない小柄なアマンダに、多くの男性が庇護欲を唆られたがクライスによって阻まれる。
アマンダの周りに認識妨害がかけられたのだ。
クライスは、単なる治癒師を越え始めていた。
教会内には侯爵家と男爵家の面々に、四人が個人的に親しくしている友人達。
加えて、王家が勢揃いした事も花を添えた。
まさに国をあげての大イベント。
ただでさえ数少ない治癒師をふたりも抱え、さらにその両名が国に留まることを望んでいる。
それは国にとっても、国民にとっても最良。
「おかあしゃん、おひめさまがふたりいる」
結婚式を見物に来ていた小さな少女が、レイチェルとアマンダにそんな感想を口にした。
そして頷く周囲の人々。
アマンダの能力に注目が集まりがちだが、実のところレイチェルの才能も国民の生活に数多く浸透している。
【雪の花】は稀少で扱いが難しいが、正しく扱えればその効能は万能である。
平民でも手が出せる金額の風邪薬や傷用塗り薬、低~高単価の美容液などなど。
自分達の命や生活に密着した、失うことの出来ない大切なお姫様ふたり。
「うぅっ…諦めないわ!!」
小さく唸ってそんな事を呟き踵を返した女性がちらほら見られたが、四人が気にするような素振りは微塵もない。
相変わらず噂は絶えないが、それが妬みからだと周知されており、当の四人が「言いたければお好きにどうぞ」のスタンスを崩さなかった。
誓いの言葉と口付けを交わし、人々の前に姿を現したふたりには尽きない歓声があげられている。
そこに加えて、スチュワート&レイチェル、クライス&アマンダの四人へ、教会内へ入れない立場の観客達から口付けが見たいと声があがった。
「おうじさまとおひめさまのきす!?」
幼い少女の嬉しそうな声が、その場にいる全員の期待感を煽り視線を熱くする。
レイチェルとアマンダは揃って恥ずかしそうに頬を染めるが、スチュワートとクライスの男性ふたりは得意気に口角をあげた。
「きゃぁぁぁぁぁ♡」
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
唇が重なった瞬間、高低幅広く歓声が響き渡り拍手喝采が四人へ贈られる。
四人はそれぞれ、この日がファーストキス。
【誓いの口付け】ではスチュワートが時間をかけすぎてしまい、司祭の咳払いにレイチェルは耳まで赤くさせて新郎を睨め付けた。
このあと、四人は王家からの祝いとして王宮で披露宴を盛大に執り行う。
四人は当初こそ固辞したが、王妃のごり押しで決定となった…親友(男爵夫人)に会って、朝までお喋りし尽くしたくて。
披露宴に参加出来るのは、両家から招待状を送られた家や友人達と王家によって振るいにかけられ厳選された貴族や商人達。
その中には両家に色目を使う者もいるが、それに飲み込まれるような両家でもなく、微笑んでうまく退けるので問題はない。
治癒師などの魔力持ちに血筋は関係ないとされているが、所持者同士に子が出来たことがないので未知数であり、しかし可能性は高いとされる。
その為、クライス&アマンダ夫婦の元へは子供同士の縁談を望む手紙が連日届けられる事になるのだが、それはもう少しあとの話。
「レイチェル、愛してるよ」
「浮気したらちょん切るから」
「厳しい君も好き。しないけどね」
どこの王族ですか?と疑いそうになるスチュワート&レイチェル夫婦の元には、やがて美の女神に全力を出されたように美麗な娘が生まれ、その娘を巡り世界中の王候貴族が争奪戦を繰り広げるのだが、それもまだ先の話である。
完
◇~◇~◇~◇~◇~◇
ご拝読有り難うございました♡
続きまして、番外編でその後や周囲の人々を少しお届けする予定です✨
(公開予約設定済み)
※現在連載中のものも近日中に公開予定です。
お待ち頂いてる方、お待たせして申し訳ございません。・゚・(●´Д`●)・゚・
あなたにおすすめの小説
好きな人
はるきりょう
恋愛
好きな人がいます。
「好き」だと言ったら、その人は、「俺も」と応えてくれました。
けれど、私の「好き」と彼の「好き」には、大きな差があるようで。
きっと、ほんの少しの差なんです。
私と彼は同じ人ではない。ただそれだけの差なんです。
けれど、私は彼が好きだから、その差がひどく大きく見えて、時々、無性に泣きたくなるんです。
※小説家になろうサイト様に掲載してあるものを一部修正しました。季節も今に合わせてあります。
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳
ロミオ王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
初恋の呪縛
緑谷めい
恋愛
「エミリ。すまないが、これから暫くの間、俺の同僚のアーダの家に食事を作りに行ってくれないだろうか?」
王国騎士団の騎士である夫デニスにそう頼まれたエミリは、もちろん二つ返事で引き受けた。女性騎士のアーダは夫と同期だと聞いている。半年前にエミリとデニスが結婚した際に結婚パーティーの席で他の同僚達と共にデニスから紹介され、面識もある。
※ 全6話完結予定
あなたの1番になりたかった
トモ
恋愛
姉の幼馴染のサムが大好きな、ルナは、小さい頃から、いつも後を着いて行った。
姉とサムは、ルナの5歳年上。
姉のメイジェーンは相手にはしてくれなかったけど、サムはいつも優しく頭を撫でてくれた。
その手がとても心地よくて、大好きだった。
15歳になったルナは、まだサムが好き。
気持ちを伝えると気合いを入れ、いざ告白しにいくとそこには…
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
来栖 蘭
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話