ド田舎出身の傭兵は冒険者として活動する

吉原鯛

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第十一話 何してんの!?

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 モウを森の開けた場所に置いてきた俺達は木の陰からブラックドラゴンが誘い込まれるのをジッと待っていた。


「ふぅ、緊張するな。アカネとシオンは緊張してないか?」


「私は大丈夫よ。ブラックドラゴンだか何だか知らないけど、討伐してやるわ!」


「私も大丈夫。むしろジェイクソが私たちを襲いそうで怖い」


「バ、バババ、バカなこと言ってんじゃねぇ!」


 シオンは一体何を考えてやがんだ。まったく。
 俺がそんな事を考えてるわけないだろ。
 せいぜい汗で髪が張り付いた首もとがエロいなと思っているくらいだ。


「ふぅ。結構待ったけどこないわね。明日またやりましょう」


「おい。まだ10分も経ってないと思うんだが。もっとねばれ」


「何よ!今日はもう十分活動したわ!早く酒場でごはんを食べたい!お酒を飲みたい!」


「こら!また、お前は。そもそもアカネのせいでこうなってんだろうが!っていうか、お前の活躍は地面を泥に変えただけだろうが!」


「うるさい!うるさい!うるさい!」


 俺とアカネが不毛な争いをしていた時、何かがモウに近づく反応を感じた。


「しっ。何かが来たぞ」


 俺の言葉を受けて、アカネは不満そうだが黙る。
 しかし、シオンはなぜか静かだ。
 恐る恐るシオンの顔を覗き見る。


 こいつ!座ったまま寝てやがる!


 寝てるシオンはほっといてモウを注視する事にしよう。
 俺が静かに警戒心を高め、いつでも飛び出せる準備をしていると、遂にその何かが現れた。


「ふわ~。やったです!こんなところでモウさんを見つけちゃった!」


 現れたそいつは魔物じゃなかった。
 キラキラと流れるような長い銀髪に青色の瞳を持つ女の子だった。
 ただし、その女の子の最も大きな特徴は美しい銀髪から飛び出た細長い耳だろう。
 つまりエルフだ。
 エルフという種族は皆、非常に美形が多いことが有名だが、その女の子はエルフの中でも特に美人だと思うぐらい容姿が整っていた。


 銀髪のエルフはその整った顔を綻ばせ、時にはジャンプをして喜んでいる。


 そして、モウを引っ張りだした。


 何してんの!?


「ふえぇ。モウさんが重すぎて持てないです。どうしましょうか」


 俺は思わず目頭を押さえた。
 あの銀髪エルフはモウを持って行こうとしているのだ。
 俺はため息を吐きつつ歩く。


「あのー?ちょっといいかな?」


 そして銀髪エルフに近づいて声をかける。


「ふぇ!?きゃっ!あなたは誰ですか!?」


 銀髪エルフはいきなり現れた俺にびっくりしたようで声を上げる。
 クリクリと大きな瞳が真っ直ぐに俺を見つめてきて、な、何か緊張するな・・・


「さすが変態ジェイクソ。可愛い女子だったら、すぐに発情する」


 おい。シオン。
 聞こえてるぞ。てか、お前寝てたよな!?


「ああ。俺は冒険者のジェイクだ。よろしく。ところで、そのモウは俺がそこに餌として置いているから取らないでくれるか?」


「ふぇ!す、すみません!ここ数日、草しか食べてなくて・・・・。あっ!私はリリーシャって言います!新米冒険者です!」


「はは!俺も新米冒険者だよ。あっ!そうだ!お腹空いてんならサンドイッチやるよ」


 俺は鞄からフィリオネ特製のサンドイッチを取り出し、リリーシャに渡す。


「い、いいんですか?」


「ああ、食べろ食べろ。そのサンドイッチは美味しいぞ」


「わぁ!!ありがとうございます!」


 そう言うと、リリーシャはサンドイッチをひと口食べた。


「うわ~ん」


 そして泣いた。


「え、どうしたの!?」


「ひっぐ、ずいまぜん。ジェイクざんがあばりに優しくて感動してしまいまじた」


 ところどころ鼻声になっている。


「気にすんなよ。同じ冒険者なんだから」


「そうよ!」


「うん。そう」


 急に後ろから声が聞こえた。
 まぁ、アカネとシオンなんだけど。


「わわ。えっと、ジェイクさんのお仲間ですか・・・?」


「そうよ!」


「うん。そう」


「おい。返事がさっきと変わってないんだが、自己紹介しろよ」


 アカネとシオンは簡単ではあったが自己紹介をして、自分たちはパーティーを組んでいることを話した。
 アカネだけは嬉しそうに俺たちのパーティーをずっと説明している。


「・・・・・つまり、私たちは最強だからブラックドラゴンを討伐しに来たの!」


「ふぇえ!うわぁ、へぇ」


 リリーシャはキラキラとした目でアカネに見入っていた。


「いいなぁ。私もパーティーを組んでみたいなぁ」


 リリーシャはアカネの話を聞いた後、ポツリとそう呟く。


「だったら、私たちのパーティーに入りなさいよ。歓迎するわ」


「ええ!?いいんですか!?」


 やっぱりこうなったか。
 いやね?なんとなーくこうなる気がしてた。
 ちょっと、リリーシャさん?そんな捨てられた子犬みたいな目で見ないでくれます?
 
 
「いいんじゃないか」


「うん。私も良い」


「やったー!じゃあ、これからもよろしくお願いしますね」


 リリーシャが仲間になったその時だった。


「グルオァァァァアア!!」


 真上からとてつもない音量の咆哮が森に鳴り響いた。
 うわぁ。ブラックドラゴンが来やがったよ。


 
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