2 / 39
2 雪露宮での出会い1
しおりを挟む
――出前、それは雷凛風にとってはいつ如何なる場所にでも注文の料理を届ける仕事だ。
「ようやく皇都金安だわ。きっとあの明るい辺りがお城よね。雪露宮って確か敷地の東の端だって言ってたけど、やっぱり夜は暗くてわかりにくい」
――そう、それがたとえ官吏でもない一般庶民の立ち入りが禁止されている皇宮内だろうと、関係はない。
実父の雷浩然からは「くれぐれも本当の行き先は紫華には内緒で頼む」と念押しされていた。だから凛風は父親の言葉通り実母白紫華へは「父さんの所に行ってくる」と誤魔化して出て来た。
父親の所と言えば、母親は間違いなく皇都にある彼の屋敷を連想するだろうからだ。
たぶん今も父親は皇宮に残っているだろうから「父さんの所」というのもあながち全くの嘘というわけでもない。それを逆手にとってああも言ったのだが正直心苦しかった。
因みにこの国では結婚しても夫婦別姓が基本なので、偶然同じ苗字の相手と結婚しない限りは父親と母親の苗字が異なる。
大抵の子供が父方の姓を名乗る例に漏れず、凛風も父親の姓の「雷」を名乗っていた。
両親は母方白家の稼業である食堂を畳む畳まないで大喧嘩をして、凛風が物心付いた時には官吏である父親の仕事の都合も重なって、二人は別居状態となっていた。
まあとにかく父親としては、店をやめて一緒に暮らしてほしいようだが、母親は依然頑として拒んでいる。
娘の凛風も彼の屋敷には定住させないという徹底ぶりだ。
まあ父親には悪いが、官吏のご令嬢としての淑女生活は性に合わなかっただろうから良かったと思っている。
そんな事を思い出していた凛風は、相棒の金兎雲の上から眼下に広がる皇宮敷地内の要所要所に点々と見える灯りを眺め下ろした。
勿論今夜も男装だ。
「ねえ兎兎、何かさ、暗闇の中の光って心を和ませるよね」
金兎雲は返事の代わりに長い兎耳で彼女の腕の辺りを一回軽くポンと叩いた。肯定の意だ。
これが否定だと二度叩かれる。
喋らない金兎雲とどうにか会話がしたくて凛風がその方法を頼んだのだ。
目的地の雪露宮は皇帝の寝所のある後宮などの内宮部分ではなく、練兵場や官吏の各部署のある外宮部分の一角にあるので、別段男子禁制ではない。
だから父親の雷浩然も自由に出入りして皇子の世話を焼いていられるのだ。
かつては外国の使節や賓客をもてなしていた場所でもあるらしく、敷地は広く建物の造り自体もとても華やかだという。
大きな池には蓮が植えられ四季折々の様相を見せてくれるとも聞いた。
その池の中央には遠目に見るとあたかもそこに浮かぶように典雅な朱塗りの東屋が建てられ、それは一本の長い桟橋を通っていくか直接船で乗りつける以外に辿り着ける方法はない。
ただそれは、普通の人の場合であって、凛風に限ってはもう一つの手段が取れた。
「池の中央の東屋までって言われたけど、もしかしてあそこかな?」
夜の闇のおかげで姿を見られる心配はない。
出前先の離宮の位置は大体わかったが真っ暗な池にあっては東屋の位置まではわからない。故に上空からでもわかるように灯りを灯しておくと父親が言っていたのだ。
言葉通り池の東屋は仄かに明るかった。
六角形をした東屋の柱のいくつかに赤白の提灯が吊るされていた。
誘導灯の役割も兼ねているその光はしかし決して強くはなく、微かに水面の揺らぎに反射する程度で情緒を感じさせた。これならたとえ雪露宮に誰か関係のない人間が入って来たとしても大して目立たないので安心だ。
悠々と高度を下げていけば、東屋に設置された円卓の上にも灯りがあるのが見えた。
卓の上にも灯りは必要だろうからと、きっと父親が置いていってくれたのだろうと凛風は思った。
彼は同席しないらしいのだ。
「皇子様まだ来てないんだ」
その場には誰の姿もなく、ただ大理石の円卓天板の上で黄色い提灯明かりが淡く揺らいでいるだけだ。
金兎雲から体重を感じさせない身軽さ降り立つと、凛風は岡持ちを円卓に置いた。
「まあ少し待ってれば来るよね」
食堂の繁忙時間帯はとっくに過ぎていて今はやや遅い時間だ。
凛風は備え付けの丸椅子に腰かけて過ごす事にした。
金兎雲は彼女を降ろして間もなく闇に消えたので、今この場には男装の少女が一人きり。
「普通こんな恐れ多い所に来ようなんて思わないし、どうせならこの機に雰囲気だけでも楽しもう」
特にする事もないので円卓をはじめ周囲の造りに視線を巡らせた凛風は、しかしふと眉を寄せた。
過ぎた視界の中に何やら放置できない奇妙なものがあったような気がするのだ。
視線を戻して見れば、それは大きな布の塊のように見えた。
「え、まさかのこんな所にゴミ袋?」
一応中身を検めるべきかと、その大きな布の塊にズカズカ近付いて手を伸ばした。
だが全くの予期せぬ事に、それは一瞬ビクッと震えると俊敏な動きで横にずれた。
「……は?」
唖然とし、不意打ちに固まってしまった彼女は何とか平静さを総動員し、眼球の動きだけでそれを追う。
(えーと、布袋って独りでに動くものだっけ?)
横目でじーっと再び沈黙したように動かないそれを睨んで彼女はまた手を伸ばした。
すると逃げるように布の塊が動いた。
(あーこれはもう確定だ。離宮って妖怪布だるまがいたんだわ)
顔を向けたらまた震えたので、彼女はそっぽを向いて気にしないふり……からの飛びかかりを決行する。
「な!? 避けた!?」
しかし相手もさる者なのか、彼女の素早い手摑みをごろごろ転がって避けたではないか。
仙人である祖父楊叡直伝の武芸の腕を持つ凛風の初撃を避けられる者はあまりいない。しかも動きにくそうな布だるまのままでとなれば、それは相当の手練れの可能性が高い。
「武芸者としての血が騒ぐわ。取っ捕まえて正体を暴いてやる!」
結果、意地になって布だるまを追い、布だるまの方も必死で捕まらないように逃げ回った。
ぐるぐると東屋の卓を中心に回る一人と布の塊は奇怪以外の何物でもない。
「くっ何なのこれ!」
肩を上下させて息を切らす汗ばんだ凛風は、卓を挟んだ向こうに居るそれへと歯噛みする。
「このままじゃ埒が明かない」
出前の事などすっかり忘れてしまった彼女はちょっと考え、刹那、円卓に手を着いて体を空中回転させながら向こう側まで跳躍すると、勢いのままに布を剥ぎ取った。
さすがに卓を越えてくるとは思っていなかったのか、布だるまの方は反応が遅れ、そのせいでまんまと彼女に布を引っぺがされた。
「――あ……れ?」
その下から現れたものを、凛風は澄んだ両の瞳を大きく見開いて凝視した。
一番初めに思った事と言えばこんな事だった。
(これぞ白皙の美貌だわ)
と。
そしてこうも思った。
(え、正体は人間だったってオチだけど、何でこの人さっきから布に包まってたわけ? 別に肌寒くはないと思うけど。それとも彼が寒がりなだけ?)
怪訝な顔の少女に見下ろされる形で、心底驚いたように目を瞠るのは一人の青年。
彼の容姿は美形を見慣れた彼女でも感心してしまう程のものというよりは、身近にいない儚げなタイプの美形だったのでそう思ったのかもしれなかった。
何しろ彼女の周囲の美形は家族から友人に至るまでを思い出してみても、癖や我が強いタイプばかりなのだった。
「あなた、誰?」
単刀直入に至極真っ当な質問をすると、青年はさっと目を伏せて視線をはずした。心なしか灯りに照らされた頬が朱に染まっているように見える。
「わ、私はその……食べに来ただけで……」
「え?」
この周囲の雑音がほとんどない東屋でさえ声が小さくてよく聞き取れなかったので訊き返すと、青年は口をもごもごさせて、か細い声を出す。
「パ、包子を、食べに……」
包子という単語は聞き取れた凛風は、ここでようやく彼が出前相手なのだと察する事ができ、自身のこめかみを小突いた。
(ああもう私の馬鹿。ここにいる相手って時点でどうしてそれと気付かなかったのよ)
「あー……えーっと乱暴な真似してごめんなさい。てっきり妖怪かと思って」
「よ、妖怪……」
気まずい思いで布を返すと、微妙に傷付いたような顔をしていた青年はまたそれに包まった。
(……ええと、目だけを出すのはやめてほしいなあ)
凛風は取り繕ったような不自然なものにはなったが、何とか笑みと言えるものを顔面に貼り付け、岡持ちを示した。
「今更であれですけど、お待たせしました皇子様、出前です」
「ようやく皇都金安だわ。きっとあの明るい辺りがお城よね。雪露宮って確か敷地の東の端だって言ってたけど、やっぱり夜は暗くてわかりにくい」
――そう、それがたとえ官吏でもない一般庶民の立ち入りが禁止されている皇宮内だろうと、関係はない。
実父の雷浩然からは「くれぐれも本当の行き先は紫華には内緒で頼む」と念押しされていた。だから凛風は父親の言葉通り実母白紫華へは「父さんの所に行ってくる」と誤魔化して出て来た。
父親の所と言えば、母親は間違いなく皇都にある彼の屋敷を連想するだろうからだ。
たぶん今も父親は皇宮に残っているだろうから「父さんの所」というのもあながち全くの嘘というわけでもない。それを逆手にとってああも言ったのだが正直心苦しかった。
因みにこの国では結婚しても夫婦別姓が基本なので、偶然同じ苗字の相手と結婚しない限りは父親と母親の苗字が異なる。
大抵の子供が父方の姓を名乗る例に漏れず、凛風も父親の姓の「雷」を名乗っていた。
両親は母方白家の稼業である食堂を畳む畳まないで大喧嘩をして、凛風が物心付いた時には官吏である父親の仕事の都合も重なって、二人は別居状態となっていた。
まあとにかく父親としては、店をやめて一緒に暮らしてほしいようだが、母親は依然頑として拒んでいる。
娘の凛風も彼の屋敷には定住させないという徹底ぶりだ。
まあ父親には悪いが、官吏のご令嬢としての淑女生活は性に合わなかっただろうから良かったと思っている。
そんな事を思い出していた凛風は、相棒の金兎雲の上から眼下に広がる皇宮敷地内の要所要所に点々と見える灯りを眺め下ろした。
勿論今夜も男装だ。
「ねえ兎兎、何かさ、暗闇の中の光って心を和ませるよね」
金兎雲は返事の代わりに長い兎耳で彼女の腕の辺りを一回軽くポンと叩いた。肯定の意だ。
これが否定だと二度叩かれる。
喋らない金兎雲とどうにか会話がしたくて凛風がその方法を頼んだのだ。
目的地の雪露宮は皇帝の寝所のある後宮などの内宮部分ではなく、練兵場や官吏の各部署のある外宮部分の一角にあるので、別段男子禁制ではない。
だから父親の雷浩然も自由に出入りして皇子の世話を焼いていられるのだ。
かつては外国の使節や賓客をもてなしていた場所でもあるらしく、敷地は広く建物の造り自体もとても華やかだという。
大きな池には蓮が植えられ四季折々の様相を見せてくれるとも聞いた。
その池の中央には遠目に見るとあたかもそこに浮かぶように典雅な朱塗りの東屋が建てられ、それは一本の長い桟橋を通っていくか直接船で乗りつける以外に辿り着ける方法はない。
ただそれは、普通の人の場合であって、凛風に限ってはもう一つの手段が取れた。
「池の中央の東屋までって言われたけど、もしかしてあそこかな?」
夜の闇のおかげで姿を見られる心配はない。
出前先の離宮の位置は大体わかったが真っ暗な池にあっては東屋の位置まではわからない。故に上空からでもわかるように灯りを灯しておくと父親が言っていたのだ。
言葉通り池の東屋は仄かに明るかった。
六角形をした東屋の柱のいくつかに赤白の提灯が吊るされていた。
誘導灯の役割も兼ねているその光はしかし決して強くはなく、微かに水面の揺らぎに反射する程度で情緒を感じさせた。これならたとえ雪露宮に誰か関係のない人間が入って来たとしても大して目立たないので安心だ。
悠々と高度を下げていけば、東屋に設置された円卓の上にも灯りがあるのが見えた。
卓の上にも灯りは必要だろうからと、きっと父親が置いていってくれたのだろうと凛風は思った。
彼は同席しないらしいのだ。
「皇子様まだ来てないんだ」
その場には誰の姿もなく、ただ大理石の円卓天板の上で黄色い提灯明かりが淡く揺らいでいるだけだ。
金兎雲から体重を感じさせない身軽さ降り立つと、凛風は岡持ちを円卓に置いた。
「まあ少し待ってれば来るよね」
食堂の繁忙時間帯はとっくに過ぎていて今はやや遅い時間だ。
凛風は備え付けの丸椅子に腰かけて過ごす事にした。
金兎雲は彼女を降ろして間もなく闇に消えたので、今この場には男装の少女が一人きり。
「普通こんな恐れ多い所に来ようなんて思わないし、どうせならこの機に雰囲気だけでも楽しもう」
特にする事もないので円卓をはじめ周囲の造りに視線を巡らせた凛風は、しかしふと眉を寄せた。
過ぎた視界の中に何やら放置できない奇妙なものがあったような気がするのだ。
視線を戻して見れば、それは大きな布の塊のように見えた。
「え、まさかのこんな所にゴミ袋?」
一応中身を検めるべきかと、その大きな布の塊にズカズカ近付いて手を伸ばした。
だが全くの予期せぬ事に、それは一瞬ビクッと震えると俊敏な動きで横にずれた。
「……は?」
唖然とし、不意打ちに固まってしまった彼女は何とか平静さを総動員し、眼球の動きだけでそれを追う。
(えーと、布袋って独りでに動くものだっけ?)
横目でじーっと再び沈黙したように動かないそれを睨んで彼女はまた手を伸ばした。
すると逃げるように布の塊が動いた。
(あーこれはもう確定だ。離宮って妖怪布だるまがいたんだわ)
顔を向けたらまた震えたので、彼女はそっぽを向いて気にしないふり……からの飛びかかりを決行する。
「な!? 避けた!?」
しかし相手もさる者なのか、彼女の素早い手摑みをごろごろ転がって避けたではないか。
仙人である祖父楊叡直伝の武芸の腕を持つ凛風の初撃を避けられる者はあまりいない。しかも動きにくそうな布だるまのままでとなれば、それは相当の手練れの可能性が高い。
「武芸者としての血が騒ぐわ。取っ捕まえて正体を暴いてやる!」
結果、意地になって布だるまを追い、布だるまの方も必死で捕まらないように逃げ回った。
ぐるぐると東屋の卓を中心に回る一人と布の塊は奇怪以外の何物でもない。
「くっ何なのこれ!」
肩を上下させて息を切らす汗ばんだ凛風は、卓を挟んだ向こうに居るそれへと歯噛みする。
「このままじゃ埒が明かない」
出前の事などすっかり忘れてしまった彼女はちょっと考え、刹那、円卓に手を着いて体を空中回転させながら向こう側まで跳躍すると、勢いのままに布を剥ぎ取った。
さすがに卓を越えてくるとは思っていなかったのか、布だるまの方は反応が遅れ、そのせいでまんまと彼女に布を引っぺがされた。
「――あ……れ?」
その下から現れたものを、凛風は澄んだ両の瞳を大きく見開いて凝視した。
一番初めに思った事と言えばこんな事だった。
(これぞ白皙の美貌だわ)
と。
そしてこうも思った。
(え、正体は人間だったってオチだけど、何でこの人さっきから布に包まってたわけ? 別に肌寒くはないと思うけど。それとも彼が寒がりなだけ?)
怪訝な顔の少女に見下ろされる形で、心底驚いたように目を瞠るのは一人の青年。
彼の容姿は美形を見慣れた彼女でも感心してしまう程のものというよりは、身近にいない儚げなタイプの美形だったのでそう思ったのかもしれなかった。
何しろ彼女の周囲の美形は家族から友人に至るまでを思い出してみても、癖や我が強いタイプばかりなのだった。
「あなた、誰?」
単刀直入に至極真っ当な質問をすると、青年はさっと目を伏せて視線をはずした。心なしか灯りに照らされた頬が朱に染まっているように見える。
「わ、私はその……食べに来ただけで……」
「え?」
この周囲の雑音がほとんどない東屋でさえ声が小さくてよく聞き取れなかったので訊き返すと、青年は口をもごもごさせて、か細い声を出す。
「パ、包子を、食べに……」
包子という単語は聞き取れた凛風は、ここでようやく彼が出前相手なのだと察する事ができ、自身のこめかみを小突いた。
(ああもう私の馬鹿。ここにいる相手って時点でどうしてそれと気付かなかったのよ)
「あー……えーっと乱暴な真似してごめんなさい。てっきり妖怪かと思って」
「よ、妖怪……」
気まずい思いで布を返すと、微妙に傷付いたような顔をしていた青年はまたそれに包まった。
(……ええと、目だけを出すのはやめてほしいなあ)
凛風は取り繕ったような不自然なものにはなったが、何とか笑みと言えるものを顔面に貼り付け、岡持ちを示した。
「今更であれですけど、お待たせしました皇子様、出前です」
0
あなたにおすすめの小説
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜
紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。
第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。
夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。
第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。
最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
氷狼魔術師長様と私の、甘い契約結婚~実は溺愛されていたなんて聞いていません!~
雨宮羽那
恋愛
魔術国家アステリエで事務官として働くセレフィアは、義理の家族に給料を奪われ、婚期を逃した厄介者として扱われていた。
そんなある日、上司である魔術師長・シリウスが事務室へやってきて、「私と結婚してください」と言い放った!
詳しく話を聞けば、どうやらシリウスにも事情があるようで、契約結婚の話を持ちかけられる。
家から抜け出るきっかけだと、シリウスとの結婚を決意するセレフィア。
同居生活が始まるが、シリウスはなぜかしれっとセレフィアを甘やかしてくる!?
「これは契約結婚のはずですよね!?」
……一方セレフィアがいなくなった義理の家族は、徐々に狂い始めて……?
◇◇◇◇
恋愛小説大賞に応募予定作品です。
お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます( . .)"
モチベになるので良ければ応援していただけると嬉しいです!
※この作品は「小説家になろう」様にも掲載しております。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる