悪魔の少年と半端な少女

月夜

文字の大きさ
7 / 29

最初の試練

しおりを挟む
目が覚めると、知らない部屋にいた。

キラキラ光が差し込んでいる。

全く知らない場所。

隣を見れば、知らない女の子がそこにいた。

緑色の髪に、青い瞳。

本来そこにいるべきなのは僕と同じ赤い目をもち、黒い髪をもつ、僕を呼び出した少女のはずなのに。

「あら、やっと起きたのね。雫が言ったから海の底においていたけど、まさか、12時間も生きれるなんて。」

そいつはそういって僕に近づいてきた。

「一体誰なの?月はどこ?」

「まぁ、人に聞くときは自分がまず情報を提供するって知らないの?まぁいいわ。私の名前は水原絵美みずはらえみ。じゃあ、私からの質問よ。あなたは一体何者なの?」

混乱する僕に絵美はそういって僕と少し距離をとる。

「僕?僕はただの悪魔だよ。それ以上、それ以下でもない。」

「嘘よ。ここは悪魔でも最高で3時間しか持たないの。こんなに長くいれるのは魔王、勇者。そして半端者だけよ」

そういいきって見せる絵美。

もし僕が魔王ならば、きっとすぐにでもここから出れたのだろう。

けれど、僕にそれは無理だ。

だって僕は魔王ではない。ただの悪魔だ。

なぜか月と会う前の記憶は無いけれど、多分、悪魔だと僕は思っている。

だって、召喚されるような魔王って聞いたことないし!

僕はきっとそんなのじゃないもん!

「僕はただの召喚された悪魔だよ。」

「嘘ね。だってあなた契約の紋章がないじゃない。契約をしたならあるはずよ。」

そこまで言われて、ようやく気づいた。

そういえば僕契約らしい契約してないや!

「まぁ、今のところはただのイレギュラーってことにしてあげるけど、あなたが魔王なら、私はあなたを今すぐ殺さなくちゃいけないし、勇者なら外に出さなければいけないし、早くはっきりさせたいわ。」

それは僕も同じだよ。


早くはっきりさせたい気持ちをぼくらはもっていた。

僕らの共通点はきっとそこだけだろう。

早く月に会いたい。

それだけが、今の僕を動かす動力源だ。それ以外僕のなかにはなにもない。

「あなたは月って娘が好きなの?」

「僕が月の事を好き……?」

そんなの考えたこともなかった。

あの時いった言葉は、ただ、口からポロリとこぼれ落ちたもので、自分の本心かもわからない。

月が好き。

そんなことを考える時間は僕は持っていない。

僕らはただの主従関係。その一線を越えてしまえば、

僕らのなかで、なにかが終わる。

それが分かっていること、分からなくちゃいけないこと。

「急に黙り混んでどうしたのよ。」

「ちょっと静かにしてよ。いま、考え事をしてるんだ。」

絵美の声何てどうでもいい。

今はなんとしても此処から出なければいけないから。


目を開けると、蓮じゃなく、知らない子がいた。

「起きたの月!!おはよ!僕の名は雫だよ!よろしく。」

「・・・、蓮はどこ?」

「僕が目の前にいるのに、別の男の話するってどういう事?」

雫。と名乗る目の前の男の子は、水色の髪に緑色の目をしている。

「私はあなたの事を知らないし、知ろうとも思わない。蓮はどこなの?」

「名前は名乗ったからねぇ、うーん、そうだ!!名前で呼んでくれたら、教えるか考えてあげる。」

仕方ない。

そう思って口を開く。

「雫。ねぇ、教えて?」

私が言う。

いった瞬間、雫の頬が赤く染まったような気がした。

「やっぱり、月のこと、僕は大好きだよ。」

「急にどうしたの?」

「蓮の事、教えてあげる。」
「本当に!」

雫によると、今海の底にいるようだ。

今すぐ助けにいきたいけど……。

「入学式があるから無理だよね。」

「……、雫。蓮を連れてきてよ。」

「それはやだ、僕は今の状態が一番すきだからね。」

「わがままだ。」

「それはどっちかな?」

入学式はサボれない。

だって、サボったら入学できないし。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...