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Bloody hood A
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そこまで考えたところで、僕の思考は途切れました。
遠くでカーン、カーン...と甲高い鐘の音が鳴り響いています。
どうやらマリィには聴こえていないようで、なら、この鐘の意味は...
と心当たりのあった僕は村の外に出る事にしました。
別にこの村から出られない訳ではないのです。
ならなぜ出なかったのか。
それは村人たちが邪魔するから、それだけです。
でも今は誰も邪魔しませんし、邪魔出来ませんし。
だから僕は自由に移動できるという事なのです。
村の外に出ると見知った顔が一つ。
紅い虚ろな瞳が二つ、こちらを見つめていました。
待ちくたびれたような態度でこちらを見つめていました。
真っ黒な髪から垂れた黒いうさ耳が不機嫌そうにピコピコしています。
「今回はちゃんとすぐ来たじゃないですか...そんな待ってないでしょう?」
ふん、とそっぽを向くとついて来いとでも言いたげな顔をして歩き始めました。
話してくれないのはいつものことです。
だって先輩がいなくなってからこいつは会話をするのを一切やめたのですから。
ショックから来るものらしいです。
そりゃあショックも受けるでしょう。
愛しい人を失ったのですから。
依存の対象、一緒に居なければ自分自身が成り立たない。
彼にとってはそこまで言えるような相手だったのですから。
でも、それは僕も同じだったはずです。
なのになぜ普通に振る舞えるのでしょうか?
その訳は簡単です。
僕は狂い切っているからです。
僕は先輩を愛しています。
愛しすぎて病んでいると言われてしまうくらい。
あの人の全てを僕は知っていなきゃいけないんだって思えるくらい。
束縛しきってしまいたいと思うくらい、先輩を愛しています。
けれど、先輩が僕のものにならないって知っているから、その目に僕が映っていたとしても、#本当に僕が映っているのかが信じられないから__・__ #。
だって僕は先輩が本当に好きな人物を知っているから。
この恋が叶わないなんて分かりきってしまっているから。
...先輩が死んだあの日。
僕はその亡骸を抱えて笑っていました。
悲しみだってありましたが、一番胸を満たした感情は喜びだったのです。
可笑しな話ですよね。
周りの皆は悲しみと絶望で満ちていたのに、1人だけ喜びと幸福に満ちてしまったのですから。
悪い子なのは分かっています。
いけないことだって知ってます。
でも、仕方ないじゃないですか。
生きている間は決して手に入らないのです。
そんなことは分かりきっているのです。でも、死んでいる間なら?
遠くでカーン、カーン...と甲高い鐘の音が鳴り響いています。
どうやらマリィには聴こえていないようで、なら、この鐘の意味は...
と心当たりのあった僕は村の外に出る事にしました。
別にこの村から出られない訳ではないのです。
ならなぜ出なかったのか。
それは村人たちが邪魔するから、それだけです。
でも今は誰も邪魔しませんし、邪魔出来ませんし。
だから僕は自由に移動できるという事なのです。
村の外に出ると見知った顔が一つ。
紅い虚ろな瞳が二つ、こちらを見つめていました。
待ちくたびれたような態度でこちらを見つめていました。
真っ黒な髪から垂れた黒いうさ耳が不機嫌そうにピコピコしています。
「今回はちゃんとすぐ来たじゃないですか...そんな待ってないでしょう?」
ふん、とそっぽを向くとついて来いとでも言いたげな顔をして歩き始めました。
話してくれないのはいつものことです。
だって先輩がいなくなってからこいつは会話をするのを一切やめたのですから。
ショックから来るものらしいです。
そりゃあショックも受けるでしょう。
愛しい人を失ったのですから。
依存の対象、一緒に居なければ自分自身が成り立たない。
彼にとってはそこまで言えるような相手だったのですから。
でも、それは僕も同じだったはずです。
なのになぜ普通に振る舞えるのでしょうか?
その訳は簡単です。
僕は狂い切っているからです。
僕は先輩を愛しています。
愛しすぎて病んでいると言われてしまうくらい。
あの人の全てを僕は知っていなきゃいけないんだって思えるくらい。
束縛しきってしまいたいと思うくらい、先輩を愛しています。
けれど、先輩が僕のものにならないって知っているから、その目に僕が映っていたとしても、#本当に僕が映っているのかが信じられないから__・__ #。
だって僕は先輩が本当に好きな人物を知っているから。
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可笑しな話ですよね。
周りの皆は悲しみと絶望で満ちていたのに、1人だけ喜びと幸福に満ちてしまったのですから。
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でも、仕方ないじゃないですか。
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そんなことは分かりきっているのです。でも、死んでいる間なら?
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