囚われの亡者

月夜

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Bloody hood A

人間は嫌いだけど先輩は綺麗だ

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人間が嫌いです。
自分が同族という事実にすら嫌気がします。
そんなの認めたくありません。
認めてしまえば自分をなによりも嫌いになってしまいそうです。
僕は呪われていたから、そのせいで周囲に醜く映っていました。
人々の眼には僕は嫌悪感を感じずにはいられないに見えていたらしいのです。
だからこそ生まれてからずっと酷い目に遭っていました。
いつまでも続く虐待と暴力の嵐。
僕のことを醜いと嘲る人々の顔の方が僕には醜く映りました。
何度殺されかけたことでしょうか。
何度酷い目に遭ったことでしょうか。
呪いと言っても千差万別で。
双子の兄の美空は短命で他人の寿命が見えるタイプだそうです。
本人が教えてくれました。
僕のだけ何でこんなに酷いのだろう。
どうして他の人は美空を大切に扱う癖して僕のことはぞんざいに扱うのだろう。
理由は明白でした。
僕は存在しているだけで不快感を与えるのに対して、美空は美しいと称されていたから。
僕は何も出来ない役立たずだけど、美空は歌えばバフを掛けることが出来るから。
双子だから顔はあまり大差ありません。
ただ僕の呪いのせいで醜く映るだけ。
お父さんお母さんは僕を忌み嫌うばかりで一度も愛してくれやしませんでした。



今でも簡単に思い出すことができます。
先輩と初めて会った日。
あの日は、僕の家族が私利私欲の為に、強力な呪いの掛かった先輩を服従させようとしたあの日。
僕は最初、先輩のことをそこまで意識してませんでした。
同じ立場の人間。
でも僕より大切にされているらしい。
憎んですらいたかもしれません。
ですが、初めて先輩の姿を見た瞬間、憎しみなんて飛んでしまいました。
先輩は手枷を嵌められて、顔を隠していました。
鎖をじゃらじゃらさせながら歩いていて、そこから僕の兄貴達を次々倒していきました。
見ていてだんだん夢中になって、強く憧れて。
兄貴の一つが僕を肉壁にしようと闘技場に引き摺り込んだ時なんて、僕のために怒ってくれて。
僕を見て、綺麗だと言ってくれて。
大好きになる要素しか存在しない先輩。
逆にここまでされて惚れない人っていますか?
多分いないと思います。
だから僕が好きになるのは仕方ないのです。
それから、鮮卑は僕が生きづらいだろうと言うのと、僕が傷つけられるのが嫌だからと僕の呪いのデメリットを取り除いてくれました。
魔法のようにするりと。
その過程で生まれたのがアテネですが、呪いの解けた僕の世界はオセロをひっくり返すように一気に変わり果てました。
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