捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?

ミィタソ

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「クスクス、あれで王子と釣り合うと思ってるのが笑えるわよね」
「優秀な公爵家の娘とはいえ、見た目はどうにもならないわね」
「見て見て、王子の横であんなに胸を張って。逆に滑稽に映るって分からないのかしら?」
「妹のアイリス様はあんなにもお美しいのにねぇ。本当に同じ血が流れているのか怪しいわ」

 貴族の女性たちの冷ややかな視線が私を包み込む。
 彼女たちの言葉が耳に入るたび、心の中に暗い影が広がっていく。
 しかし、私は王子の婚約者なのだから、堂々とすべきは当然なのだ。

 ここは王宮の豪華なホール。
 今夜は、私の婚約者――マクーン王子の誕生日を祝う華やかなパーティーが開かれている。
 そんなめでたい席なのだから、蔑まれるよな言葉を浴びせられようとも、幼少期から教育されてきた微笑みを崩すわけにはいかない。

「おいノロマ……俺が動いたら後ろをついてこいと言っただろう!」
「はい、すぐに行きます」

 まるで奴隷でも呼ぶような口調。王子の刺すような視線が向けられる。

 私――エルザ・ローグアシュタルは背が低く、生まれつき肉が付きにくい体質のため、線が細い。おまけに顔もぼやけていて、何の特徴もない。まるで、美しい花の横で青々しく茂る雑草のようだ。
 私が美しく成長しなかったせいで、王子は年々私に冷たく当たるようになっていった。
 幼いころ、私を可愛いと褒めてくれた王子も、今は私に失望しているのだろう。
 見た目が気に入らないなら、他の部分で頑張ろうと勉強に力を入れてみたが、無駄に終わった。

 ……白い結婚か。
 愛がなくても、貴族の結婚は成立するものだ。
 親同士が決めた政略結婚だったり、権力を盾に無理矢理……なんて、本人の気持ちなど関係なく夫婦になる形もたくさん存在している。
 私たちも同じ。ただそれだけのこと。

 自分に言い聞かせながら、壇上に向かって歩き出す王子の後を追う。
 ……そこで、信じられないことが起こった。
 隠れていた私の妹――アイリスがひょっこりと顔を出し、王子の手を握ったのだ。
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