3 / 15
3
しおりを挟む
銀の髪をさらりと後ろに流し、強い眼光の青い瞳を向けてくる……今日のパーティの主催――ザーリ・アグナバル侯爵。
なぜこんな目立つ人の前に連れてこられてしまったの?
挨拶するべきなんだけど、口を開いたら何を言われるか分からない。
「お待たせして申し訳ありません。ザーリ侯爵、これがうちの娘です。……その、本当によろしいので?」
お父様が、緊張した面持ちでザーリ侯爵と話し始めた。
頭のよくない私でも理解できる。私の知らないところで、私の話題がでていたのだろう。
もしかして、私なんかがパーティに来てしまったから、怒ってらっしゃるとか……だとしたら、招待状なんて最初っから送ってくるなって話だよね。
いけないいけない……最近どんどんやさぐれてる気がする。昔はお父様にもお母様にも従順だったのに。これが反抗期ってやつかしら?
「ザーリ侯爵、お招きいただきましてありがとうございます。素晴らしいパーティですわ。まるで、アグナバル侯爵家の未来が分かるような華やかさ。そんなアグナバル家とうちが縁を結べるなんて幸せです。レオン様とエミリアの婚約、謹んでお受けいたします」
お母様が、ザーリ侯爵に媚びへつらっている。力のある貴族に取り入るのは、貴族社外では重要なことだから当然なのだが。
大勢の人を呼ぶのだから、パーティにはお金がかかる。侯爵家の開催ともなれば、一回につき庶民が一生働いても稼げないような大金を注ぎ込まなければならない。
そんな無駄なことしなければいいのに。なんて、私は思ってしまうのだけれど、親睦を深めるためだとか、貴族としてどれだけ力があるかを知らしめるためだとか、色々とくだらない理由があるらしい。
それにしても私の婚約か。
アグナバル侯爵家に嫁げば、将来は安泰だろう。
……え、私が?
ちょっと待って、いつそんなことになったの!?
なぜこんな目立つ人の前に連れてこられてしまったの?
挨拶するべきなんだけど、口を開いたら何を言われるか分からない。
「お待たせして申し訳ありません。ザーリ侯爵、これがうちの娘です。……その、本当によろしいので?」
お父様が、緊張した面持ちでザーリ侯爵と話し始めた。
頭のよくない私でも理解できる。私の知らないところで、私の話題がでていたのだろう。
もしかして、私なんかがパーティに来てしまったから、怒ってらっしゃるとか……だとしたら、招待状なんて最初っから送ってくるなって話だよね。
いけないいけない……最近どんどんやさぐれてる気がする。昔はお父様にもお母様にも従順だったのに。これが反抗期ってやつかしら?
「ザーリ侯爵、お招きいただきましてありがとうございます。素晴らしいパーティですわ。まるで、アグナバル侯爵家の未来が分かるような華やかさ。そんなアグナバル家とうちが縁を結べるなんて幸せです。レオン様とエミリアの婚約、謹んでお受けいたします」
お母様が、ザーリ侯爵に媚びへつらっている。力のある貴族に取り入るのは、貴族社外では重要なことだから当然なのだが。
大勢の人を呼ぶのだから、パーティにはお金がかかる。侯爵家の開催ともなれば、一回につき庶民が一生働いても稼げないような大金を注ぎ込まなければならない。
そんな無駄なことしなければいいのに。なんて、私は思ってしまうのだけれど、親睦を深めるためだとか、貴族としてどれだけ力があるかを知らしめるためだとか、色々とくだらない理由があるらしい。
それにしても私の婚約か。
アグナバル侯爵家に嫁げば、将来は安泰だろう。
……え、私が?
ちょっと待って、いつそんなことになったの!?
202
あなたにおすすめの小説
【完結済】25年目の厄災
紫
恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。
だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは……
25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
婚約者を友人に奪われて~婚約破棄後の公爵令嬢~
tartan321
恋愛
成績優秀な公爵令嬢ソフィアは、婚約相手である王子のカリエスの面倒を見ていた。
ある日、級友であるリリーがソフィアの元を訪れて……。
短編 政略結婚して十年、夫と妹に裏切られたので離縁します
朝陽千早
恋愛
政略結婚して十年。夫との愛はなく、妹の訪問が増えるたびに胸がざわついていた。ある日、夫と妹の不倫を示す手紙を見つけたセレナは、静かに離縁を決意する。すべてを手放してでも、自分の人生を取り戻すために――これは、裏切りから始まる“再生”の物語。
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる