愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……

ミィタソ

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 色々と支度をして翌日、私とアンナはザーリ侯爵のお屋敷にやってきた。
 レオン様も一緒に出迎えてくれて、私たちは二人揃って挨拶をした。

「エミリア嬢を歓迎して、今日は外で夕食をとることにしよう」

 アンナにはメイド用の部屋が与えられて、私には自分の家の何倍も豪華な……もはや別世界みたいな部屋が用意されていた。
 私は何もしていないのだけれど、あれもこれもと詰め込まれた馬車二台分の荷物を運び込むだけで時間がどんどん過ぎていく。
 私はただ、アンナを応援するだけ。なぜかそこにレオン様もいたけれど。

「……あの、エミリア嬢。き、今日の夜、お付きのメイドと一緒で構いませんので、ぼ、僕の部屋で……少し……話しませんか?」
「え? あ、いいですけど?」

 荷物を運びながら、聞き耳を立てていたであろうアンナが、こちらをみながらグッと拳を引いている。なんのつもりだろうか。

 バタバタとしていたら、すぐに夜がやってくる。
 アグナバル侯爵家の馬車に乗り込み、レストランに到着した。
 アンナはお留守番だ。

「エミリア嬢、緊張しなくていい。料理の味が分からなくなるといけないからな。レオンから聞いたが、君は食べるのが好きらしいね。楽しんでくれ」
「大好きです! ありがとうございます!」

 貴族は、専用の高級店を利用する。他人の目を気にして、私はレストランに連れてきてもらったことがない。
 お店で食べるなんて初めてだから、ザーリ侯爵の優しさが嬉しい。
 一緒に来たのは、レオン様とザーリ様の奥様――ルルアだ。私を緊張させないように、みんな話題を振ってくれる。

 前菜から始まり、スープからデザートまで。運ばれてくる料理はどれも素晴らしいものだった。
 しかし、問題が一つ……トイレに行きたい。
 慣れない環境で、色々と無理をしていたからだろう。

「少し、お花を摘みに行ってまいります」

 パッと行って、パッと席に戻ろうとしたとき……。
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