15 / 15
終
しおりを挟む
レオンに助けられ、婚約披露パーティも終えて……流れるように月日は流れ、三年が経過していた。
私たちは、婚約してからすぐに結婚した。
なにか裏があるのではという疑問が、すぐに解消したからだ。
私が伯爵令嬢に絡まれた夜、アンナと一緒にレオンの部屋に招かれて、色々と話をした。
その中で、アンナが聞いてくれた私を選んだ理由。ずっと話したがらなかった彼が、ようやく話してくれた。
レオンは、お姉様のことも家のことも関係なく、私の強さに惚れたらしい。
むしろ、私は弱い人間だと思っていた。
意味が分からなかったのだけれど、陰口を言われようと、どれだけ蔑まれようと、逃げない強さ。レオンが持っていないものだから、魅力的に感じたようだ。
私とレオンの相性……というより、アンナが間に入って会話を弾ませてくれたのが、私たちの関係をより深めてくれた。
おどおどしていたレオンも、だんだんと私たちに慣れてらいつの間にか誰の前でもつっかえることなく話せるようになっていった。あの日、私をロゼッタ・ハモンズから庇ってくれたときのように。
「レオン! 私、旅行なんて初めてだわ!」
「……えぇ? 言ってくれたら、もっと色々な場所に連れて行ってあげたのに」
私たちは、旅行の真っ最中。アグナバル侯爵家を継いだレオンの仕事が遠方であったので、そのついでというわけだ。
「奥様、旦那様、あたしも旅行って初めてです! 楽しいでちゅねぇ……アーシャ様?」
アンナの腕の中で、私たちの子――アーシャ・アグナバルがキャッキャと笑う。
幼少期は、最低な人生だと自分を呪っていたけれど、あの頃の自分に教えてあげたい。
私はいま……幸せですと。
―完―
私たちは、婚約してからすぐに結婚した。
なにか裏があるのではという疑問が、すぐに解消したからだ。
私が伯爵令嬢に絡まれた夜、アンナと一緒にレオンの部屋に招かれて、色々と話をした。
その中で、アンナが聞いてくれた私を選んだ理由。ずっと話したがらなかった彼が、ようやく話してくれた。
レオンは、お姉様のことも家のことも関係なく、私の強さに惚れたらしい。
むしろ、私は弱い人間だと思っていた。
意味が分からなかったのだけれど、陰口を言われようと、どれだけ蔑まれようと、逃げない強さ。レオンが持っていないものだから、魅力的に感じたようだ。
私とレオンの相性……というより、アンナが間に入って会話を弾ませてくれたのが、私たちの関係をより深めてくれた。
おどおどしていたレオンも、だんだんと私たちに慣れてらいつの間にか誰の前でもつっかえることなく話せるようになっていった。あの日、私をロゼッタ・ハモンズから庇ってくれたときのように。
「レオン! 私、旅行なんて初めてだわ!」
「……えぇ? 言ってくれたら、もっと色々な場所に連れて行ってあげたのに」
私たちは、旅行の真っ最中。アグナバル侯爵家を継いだレオンの仕事が遠方であったので、そのついでというわけだ。
「奥様、旦那様、あたしも旅行って初めてです! 楽しいでちゅねぇ……アーシャ様?」
アンナの腕の中で、私たちの子――アーシャ・アグナバルがキャッキャと笑う。
幼少期は、最低な人生だと自分を呪っていたけれど、あの頃の自分に教えてあげたい。
私はいま……幸せですと。
―完―
381
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
婚約者を友人に奪われて~婚約破棄後の公爵令嬢~
tartan321
恋愛
成績優秀な公爵令嬢ソフィアは、婚約相手である王子のカリエスの面倒を見ていた。
ある日、級友であるリリーがソフィアの元を訪れて……。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
こんな婚約者は貴女にあげる
如月圭
恋愛
アルカは十八才のローゼン伯爵家の長女として、この世に生を受ける。婚約者のステファン様は自分には興味がないらしい。妹のアメリアには、興味があるようだ。双子のはずなのにどうしてこんなに差があるのか、誰か教えて欲しい……。
初めての投稿なので温かい目で見てくださると幸いです。
【完結済】25年目の厄災
紫
恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。
だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは……
25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
元カノが復縁したそうにこちらを見ているので、彼の幸せのために身を引こうとしたら意外と溺愛されていました
おりの まるる
恋愛
カーネリアは、大好きな魔法師団の副師団長であるリオンへ告白すること2回、元カノが忘れられないと振られること2回、玉砕覚悟で3回目の告白をした。
3回目の告白の返事は「友達としてなら付き合ってもいい」と言われ3年の月日を過ごした。
もう付き合うとかできないかもと諦めかけた時、ついに付き合うことがてきるように。
喜んだのもつかの間、初めてのデートで、彼を以前捨てた恋人アイオラが再びリオンの前に訪れて……。
大好きな彼の幸せを願って、身を引こうとするのだが。
好きな人と結婚出来ない俺に、姉が言った
しがついつか
恋愛
グレイキャット伯爵家の嫡男ジョージには、平民の恋人がいた。
彼女を妻にしたいと訴えるも、身分の差を理由に両親から反対される。
両親は彼の婚約者を選定中であった。
伯爵家を継ぐのだ。
伴侶が貴族の作法を知らない者では話にならない。
平民は諦めろ。
貴族らしく政略結婚を受け入れろ。
好きな人と結ばれない現実に憤る彼に、姉は言った。
「――で、彼女と結婚するために貴方はこれから何をするつもりなの?」
待ってるだけでは何も手に入らないのだから。
顔がタイプじゃないからと、結婚を引き延ばされた本当の理由
翠月るるな
恋愛
「顔が……好みじゃないんだ!!」
婚約して早一年が経とうとしている。いい加減、周りからの期待もあって結婚式はいつにするのかと聞いたら、この回答。
セシリアは唖然としてしまう。
トドメのように彼は続けた。
「結婚はもう少し考えさせてくれないかな? ほら、まだ他の選択肢が出てくるかもしれないし」
この上なく失礼なその言葉に彼女はその場から身を翻し、駆け出した。
そのまま婚約解消になるものと覚悟し、新しい相手を探すために舞踏会に行くことに。
しかし、そこでの出会いから思いもよらない方向へ進み────。
顔が気に入らないのに、無為に結婚を引き延ばした本当の理由を知ることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる