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なりゆきで、君の体を調教中.01

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 竹中真は緊張した面持ちで、今日から教育実習を行う駒川高校にやって来た。

 しかし、つい数年 前まで高校生だった自分が、偉そうに先生面するのはどうも面映ゆい。

 朝礼で真と同様に実習に訪 れた数人が生徒たちに順番に紹介される。

 真の専門は数学のため、女子からの受けは余り良くないだろう。

 実習の準備は十分行ってきたが、何しろ大勢の生徒を前にして授業を行うのは初めてだ。

 初日は紹介のみで、実際の授業は翌日から始まった。


 初めての授業を終え、ぐったり疲れた真はあまり人に自慢出来る趣味ではないのだが、唯一癒される場所である行きつけのメイドカフェに向かった。

 いつもの流れでお気に入りの席に座り、オーダーを済ます。

 何気なく斜め前のテーブルで接客して メイドさんに目を向けた。

 いつも来ているが、見たことが無い顔だ。新しく入った子だろうかと、その顔を改めてちゃん見て驚いた。

 その女の子が、今日実習を行ってきたクラスの水無月優菜という生徒にそっくりなのだ。

 万一本人だったどうしようかと、真は急に落ち着きを無くす。
 
 これまでこのメイドカフェで働いている子たちが高校生かどうかなんてあまり気にしたことが無かったが、バイトでメイドをやっている高校生がいてもおかしくはないのだ。
 
 真は見つからないことを願ったが、狭い店内ではバレない方が難しかった。

 接客を終え、テーブルを離れた優菜はすぐに真に気づいた様で、そのまま真のところにやって来た。

「先生、こういうところ良く来るんですか?」
 
 優菜はまだこのバイトを始めたばかりで、前回、真が来た時にはいなかったそうだ。

 堂々と入ってきてしまった手前、今更しらばっくれることも出来ず、「まあ、たまに。気分転換にね。」などと、常連であることはあえて自分の口からは言わないでおく。

 どうせ、後で他のスタッフからバレるのだろうけど。
 
 それにしても、化粧と服装で女性はこんなにも変わるもんだろうか。

 教室では特に目立つ存在ではなかった優菜が、ここではこんなにも輝いて見える。
 
 教師を目指している実習生の自分が、こんな場所に来ているというのに、優菜は特に真をからかう様子もなく淡々とメイドの仕事をこなしていた。
 
 こんなところで働く位だから、軽いノリで色々と聞いて来るのかとビクビクしていたのだが、優菜はそういうタイプではないらしく、真は安心していつもの様にメイドカフェを満喫していた。
 
 しかし、一応口止めをしておかないと心配だ。何しろまだ実習は始まったばかりなのだから、変な噂をたてられるのは困る。

 優菜はここでは「まりもちゃん」という名前で働いている。

「まりもちゃん、ちょっと。」

 真は優菜を呼びつける。

「はい、何かご用でしょうか。ご主人様。」

 真は周りに聞こえない様に声を小さくした。

「あのさ、ここで会ったこと、学校では内緒にしてくれないかな?」

「ええ、もちろんです。お客様の秘密は守ります。それと、私がここで働いている事も、学校には秘密なので、言わないでいただけますか?」

 逆にお願いされてしまったが、交換条件としては対等だろう。
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